古い洗濯機を新しく買い替えようとしているのに、捨て方がわからず困っているということはありませんか。
洗濯機は、「家電リサイクル法」という法律に従って処分しなければならない家電のひとつです。ほかのゴミと同じように、処理場に持ち込むことはできません。
しかし、洗濯機は頻繁に買い替えるものでもなく、「家電リサイクル法ってなに?」「洗濯機が動かせない場合はどうしたらいいの?」と、捨てようとしたときになってわからないことが多いと気づく人は多いでしょう。
この記事では洗濯機の捨て方や、できるだけ安く手放す方法、捨てる前にしなければならないことなどをご紹介します。洗濯機の捨て方を理解したうえで、自分に適した方法を選択しましょう。洗濯機の捨て方に悩んだときは、ぜひ参考にしてみてください。
洗濯機は家電リサイクル法に基づいた捨て方で処分しよう
洗濯機の捨て方は家電リサイクル法という法律で定められています。家電リサイクル法の概要「特定家庭用機器再商品化法」を見てみましょう。
この法律では、
家庭用エアコン
テレビ(ブラウン管式・液晶式(電源として一次電池又は蓄電池を使用しないものに限り、建築物に組み込むことができるように設計したものを除く。)・プラズマ式)
電気冷蔵庫・電気冷凍庫
電気洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目について、小売業者による引取り及び製造業者等(製造業者、輸入業者)による再商品化等(リサイクル)が義務付けられ、消費者(排出者)には、家電4品目を廃棄する際、収集運搬料金とリサイクル料金を支払うことなどをそれぞれの役割分担として定めています。
出典:環境省
このように洗濯機を含む指定家電の廃棄方法や料金を定めています。そのため洗濯機は、普通のゴミと同じ廃棄先に自由に持ち込めるものではなく、決められた業者に費用を払って委託する形で廃棄しなければなりません。
洗濯機の処分にかかる費用
リサイクル法によると、洗濯機の処分には、対象商品のメーカーや大きさに基づいて定められた「リサイクル料金」と、各業者が定める「収集運搬料金」が必要になるということです。
リサイクル料金は処分する洗濯機のメーカーによって異なりますが、洗濯機を製造している大手のメーカーはほとんど2,530円となっています。(2023年3月現在)
収集運搬料は廃棄を委託した業者が定めるもので、業者によって価格が異なりますが、一般的な費用は2023年3月現在で2,200円です。
洗濯機の捨て方を6通りご紹介
ここでご紹介するのは6通りのリサイクル法に基づく洗濯機の捨て方です。
手放したいと思っている洗濯機の状態によっては、捨て方が限られる場合もあります。手放す洗濯機や自身のライフスタイルにあった方法を探してみてください。
1. 家電量販店へ依頼する
洗濯機を手放すタイミングで、新しい洗濯機を購入をする人が多いのではないでしょうか。そんな人は新しい洗濯機を購入する家電量販店に、古い洗濯機の引取りをまとめて依頼しましょう。購入とセットにすることで、運搬料金を安くしている店舗もありますよ。
新しい洗濯機を購入せず古いもののみ廃棄したい場合でも、家電量販店での処分は可能です。家電量販店は、処分の依頼を受けたら処理を引き受けなければならないことが法律で定められています。
そのため自分たちが販売したものではなくても、処分しなければならないのです。
メリット
- 購入と処分依頼が1回でおわる
- 新しい洗濯機と交換で処分できるので、洗濯機が家にない期間を作らなくてすむ
- 自分で運搬する必要がない
家電量販店で処分するメリットは、手間がかからないことです。運搬も廃棄依頼も時間がかからずスピーディーに行えます。
デメリット
- 運搬費用がかかり、ほかの買取方法に比べて処分費用が高くなる
自身で廃棄場所まで持っていく廃棄方法は、運搬の手間がかかるかわりに運搬費用はかかりません。その点、家電量販店へ依頼すると運搬からお願いすることになるので、運搬費用がかかり、処分にかかる費用が高くなってしまいます。
大手家電量販店の処分費用
大手の家電量販店で洗濯機を処分する場合にかかる金額は以下の通りです。
リサイクル料金 | 収集運搬料 | 合計 | |
---|---|---|---|
ヤマダ電機 | 2,530円 | 2,200円 | 4,730円 |
ヨドバシカメラ | 2,530円 | 550円 | 3,080円 |
ケーズデンキ | 2,530円 | 2,200円 | 4,730円 |
ジョーシン | 2,530円 | 1,100円(買い替えの場合) 3,300円(引き取りのみの場合) | 3,630円(買い替えの場合) 5,830円(引き取りのみの場合) |
エディオン | 2,530円 | 2,730円(買い替えの場合) 2,750円(引き取りのみの場合)ほか | 5,260円(買い替えの場合) 5,280円(引き取りの場合) |
料金はすべて税込表示・2023年3月現在の情報です
出典:ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ケーズデンキ、ジョーシン、エディオン
2. 自治体が指定する回収業者に依頼する
自治体ごとに指定している回収業者を、各自治体のホームページなどで確認して依頼する方法です。予約した回収日までに郵便局で家電リサイクル券を購入する必要があります。
家の中から回収してくれる業者や、家の前に洗濯機を置いておけば回収してくれるという業者など、回収方法は業者によって異なるので注意しましょう。
メリット
- 収集運搬料が安い可能性がある
収集運搬料は業者ごとに定めているため、業者によっては家電量販店に比べて費用が安く抑えられる可能性があります。ただし家電量販店より高くなる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
デメリット
- 運搬を自分で行わなければならない可能性がある
- リサイクル券を郵便局で購入しなければならない
家の前からの回収しか行わない業者もあります。その場合、自分自身で洗濯機を取り外さなければならないのが面倒に感じる人もいるのではないでしょうか。
また家電リサイクル券が必要になるので、事前に郵便局に行って購入する手間もかかります。
3. 指定の引取場所へ持ち込む
自分自身で洗濯機を運ぶことができる人は、自治体が指定する引き取り場所に自分で持ち込むと費用を抑えられます。
まず指定場所に持ち込む前に、郵便局で家電リサイクル券を購入しなければなりません。そのあと指定引取場所に連絡し、日時を確認したうえで持ち込みましょう。
引取場所はこちら一般社団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのサイトから確認ができます。
メリット
- 収集運搬料がかからない
洗濯機は大きく、普通自動車ではなかなか運びづらいかもしれません。しかし軽トラックなど自身で運ぶ手段があれば、収集運搬料がかからないので処分費用を安く抑えられることがメリットです。
デメリット
- 運搬を自分で行わなければならない
- リサイクル券を郵便局で購入しなければならない
まず重い洗濯機を運ばなければならないので、それがデメリットに感じる人もいるでしょう。また事前にリサイクル券を購入したり、引取場所を調べて回収時間を確認したりという手間もかかります。
4. リサイクルショップへ売る
壊れておらず、洗濯機として使える場合は、リサイクルショップへ売ることも考えましょう。特に有名メーカーのものや、人気のあるモデル、年式の浅い新しいモデルは高価買取になることもあります。
リサイクルショップによっては、出張買取が行われていて、無料で家から運搬してくれるお店も。運搬費用も手間もかからず、洗濯機を手放すことができますよ。
メリット
- 処分費用がかからないで、買取金額が手元に残る
- 運搬の手間がかからない
- 買取まで時間がかからず、すぐに手放せる
リサイクルショップのメリットはなんと言っても処分費用がかからず、不要な洗濯機が現金化されることです。ショップを選べば、運搬の手間もかからず迅速に処分できます。
デメリット
- 店舗によっては店まで持っていかなければならない
- 古い洗濯機は買取金額がつかないこともある
リサイクルショップによっては店頭買取のみで、宅配や出張買取を行っていないお店があります。その場合、自分でお店まで持っていき、査定を受けなければならなくなるので注意が必要です。
5. フリマサイトで売る
メルカリやラクマ、ヤフオクなどフリマサイトやオークションで販売する方法があります。とくにあまり使用していない商品や、新しいもの、有名メーカーのものなどは売れやすいです。
フリマサイトへの出品方法も難しくはなく、手軽にスマホから利用できるのが魅力。多くの人の目にもとまりやすく、売れやすい品はリサイクルショップよりも高額で買取になることもありますよ。
メリット
- 販売価格を自分で決められる
- スマホから簡単に出品できる
フリマサイトは、自分のタイミングで簡単にスマホから出品できることが便利です。またリサイクルショップとは違い、販売金額を自身で設定できるので、場合によってはリサイクルショップより高値で買取ってもらえることもあります。
デメリット
- 梱包や発送をしなければならない
- 購入者とメッセージでのやり取りを行わなくてはならない
- 売れるまで値下げをしたり、再出品したりと手間がかかる
デメリットはアプリに出品、梱包、発送など手続きに手間がかかることがあげられます。
フリマサービスに梱包付きの発送方法が用意されている場合もありますが、手数料がかかるので、買取金額によっては自分が損することにもなりかねません。
6. 不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者に回収してもらう方法もあります。不用品回収業者の多くは、運び出しから廃棄まで行ってくれるため、リサイクル券を購入したり、自分自身で洗濯機を運び出したりする必要はありません。
手間をかけずに簡単に早く捨ててしまいたいという人におすすめの捨て方です。
料金は業者ごとによって異なり、場合によって価格が相場より高くなることもあるので業者選びには注意しましょう。
メリット
- 家まで回収に来てくれる
- 場合によって買取ってもらえることもある
- ほかのものもまとめて廃棄できる
不用品回収業者はさまざまなものを回収、買取してくれるので家に不用品がいくつかある場合はまとめて回収、あるいは買取を依頼できて便利です。
デメリット
- 回収費用が高額になることもある
回収するものが洗濯機だけの場合、「トラック1台につき〇円」という料金設定を行っている業者に依頼すると家電量販店より価格が上がる可能性があります。
まとめて処分する場合はお得ですが、洗濯機のみの回収の場合は値段の比較を忘れず行ってくださいね。
無料で洗濯機を捨てる方法はある?
洗濯機も有名ブランドものやまだ使えるもの、製造年数の浅いものは、リサイクルショップやフリマサイトなどで売ることで、お得に手放すことができます。状態がいいものは処分する前に、1度査定だけでも受けてみるのがおすすめです。
しかし壊れたものや古いもの、もう動かないものは販売できません。そうなると洗濯機は家電リサイクル法上、どうしても有料で処分しなければならないため、無料で処分することは難しくなります。
洗濯機を捨てる前は必ず「水抜き」を忘れずに
「水抜き」とは、洗濯機に繋がっているホースや洗濯機内から、水を完全に排出することを指します。水抜きを正しい方法で行っていなければ、洗濯機を動かしたときに水が漏れ出て周囲を汚してしまう可能性があります。
水抜きは難しい作業ではないので、簡単に自分で処理が可能です。買取や処分を業者に頼む場合も事前に自分で行っておくとスムーズに作業が進められるでしょう。
ここでは簡単にできる水抜きの方法をご紹介します。
水抜きの方法
用意するものは、以下です。
- バケツ
- ドライバー
- ビニール袋
- タオル
水抜きの方法
- 濡れる可能性があるので洗濯機の周りの荷物をなくす
- 洗濯機につながっている蛇口を閉める
- 標準コースで1分洗濯機を回す
- バケツでこぼれる水を受け止めながら、蛇口のホースを外す
- 脱水コースで洗濯機を回す
- 排水ホースを抜く
以上の工程で水抜きが完了します。
ドラム型の洗濯機の場合は、糸くずフィルターの部分も水漏れの可能性があるので、準備段階でフィルターの掃除をしておきましょう。
洗濯は法律に基づいて処分しよう
洗濯機の捨て方や捨てる前の準備についてご紹介しました。
洗濯機は計画性をもって処分しなければ、「洗濯機が家になくて困る」「新しい洗濯機があるのにまだ捨てられない」なんてことになりかねません。
洗濯機は家電リサイクル法に基づいた処分方法で捨てなければならず、捨てる前の準備が必要なものです。
この記事でご紹介した捨て方から自分の利用しやすい捨て方を選択し、しっかり予定を立てて計画的に捨てましょう。