「旅行の際に購入したけど、それ以降使う機会がない」「長年の使用で劣化が激しいから買い替えたい」といった理由でスーツケースを処分したいものの、捨て方に困っている人は意外といるのではないでしょうか。
大きさのあるスーツケースは保管するにも場所を取るため、使わないのであれば処分してしまいたいところ。ごみとして捨てる以外にもさまざまな処分方法があるので、都合に合った方法で処分しましょう。
ただし、スーツケースを捨てるときにはいくつか注意点があります。ちゃんと頭に入れておかないと、思わぬトラブルを招く恐れがあるため注意が必要です。
本記事では、スーツケースの捨て方や分解する際の手順、注意すべきポイントを解説するのでぜひ参考にしてみてください。
スーツケースは何ごみ?分別方法と捨て方
スーツケースの材質にはさまざまな種類があり、何ごみに分別して捨てればいいのか悩んでしまいますよね。そもそもサイズが大きく、普通のごみ袋には収まらないものがほとんどでしょう。
一般的にスーツケースは何ごみに該当するのか、以下で解説します。
粗大ごみ
多くの場合、ごみ袋に収まらないものは粗大ごみとして捨てるように指示されています。粗大ごみの捨て方は、下記の2通りです。
- 自治体に回収の申し込みをする
- ごみ処理センターへ持ち込む
粗大ごみの回収には手数料が発生します。支払いはその場ではなく、事前に粗大ごみシール・処理券を購入しておくことが一般的。役所以外にコンビニなどでも買えるため、特に面倒な手続きはありません。
直接ごみ処理センターへ持ち込む場合は、無料で引き取ってくれるところもあります。地域によって異なるので、各自治体の公式サイトを確認しましょう。
燃えないごみ(不燃ごみ)
スーツケースは粗大ごみとして出せば簡単に捨てられるものの、回収してもらうには必ず費用を負担しなければなりません。しかし分解すれば、燃えないごみ(不燃ごみ)として出せます。
燃えないごみの回収は無料であり、費用を一切かけずに捨てることが可能。少し手間はかかりますが、出費を抑えたい人におすすめです。
スーツケースの分解方法
スーツケースを分解する場合、ただやみくもに手をつけても余計な時間がかかる場合があります。
分解するために使用するアイテムも揃える必要があるので、まずは事前準備と作業工程の把握をしておきましょう。
具体的な内容は下記を参考にしてください。
分解に必要なアイテム
スーツケースの分解に使う主なアイテムは以下のとおりです。
- 軍手
- 新聞紙
- ドライバー
- ペンチ
- ハサミ
- カッター
- ノコギリ
新聞紙がない場合は、レジャーシートや大きめのタオルでも問題ありません。
ノコギリは、硬い材質のスーツケースまたは部品を切断するために使います。ハサミで事足りるのであれば、省略してOKです。
基本的な分解手順
必要なアイテムを準備できたら、分解作業に取り掛かりましょう。
作業工程はいたってシンプルですが、力が必要だったり怪我をしやすい工具を使ったりするので十分に注意してください。
分解手順については以下のとおりです。
手順①:スーツケースの下に新聞紙などを敷く
まず事前準備として、スーツケースの下に新聞紙やレジャーシートなどを敷きましょう。
のこぎりを使って切断する場合、少なからず切り屑が発生するため、敷いておくことで後片付けがぐっと楽になります。さらに、床に直接触れさせず、傷防止にもなるでしょう。
安全に作業するために、軍手も最初に着用しておきます。
手順②:部品類をすべて取り外す
スーツケースには、ハンドル・キャスター・ファスナーといったさまざまな部品が付いています。持ち手・キャスターはネジで固定されており、ドライバーを使えば簡単に取り外せるでしょう。
ファスナーに関しては、エレメント(務歯)の材質が本体と異なる場合、捨てるときに分別しなければなりません。細かい作業ですが、ペンチでひとつずつ外していきましょう。
手順③:布やプラスチックをカットする
部品類をすべて除去したら、スーツケースの本体部分を小さくカットします。布製はハサミ、プラスチック製は硬いのでのこぎりを使いましょう。
布は比較的簡単にカットできますが、プラスチックは厚さ・硬さがあり手動で細かく切断するには根気が必要かもしれません。できれば電動式のこぎりを使うと、楽にカットできますよ。
手順④:分解した部品ごとに分別して捨てる
分解し終えたら、それぞれ材質ごとに分別しましょう。一般的な分別方法は下記のとおりです。
- 布:燃えるごみ
- プラスチック:プラスチックごみ
- 金属製の部品:金属ごみ・燃えないごみ
- そのほかの部品:燃えないごみ
細かい分別方法は地域によって異なるため、各自治体の定めるルールに沿って捨ててください。
ごみ出し以外のスーツケースの処分方法6選
スーツケースを捨てるにあたって、「粗大ごみはお金がかかるけど、分解するのは面倒!」という人は、ごみ出し以外の方法で処分しましょう。
ここでは6通りの処分方法をご紹介するので、自分が納得のいく方法を試してみてください。
店舗での下取り
新しいスーツケースを購入する予定があるなら、下取りサービスを利用しましょう。
下取りに出すことで購入するスーツケースの価格が割引されます。お得に購入できるうえ、処分も同時に済ませられる便利なサービスです。
ただしどこの店舗でも実施しているわけではないため、事前によく調べておきましょう。
知人や友人へ譲渡
手間をかけず簡単に処分できる方法のひとつが、知人や友人に譲ることです。スーツケースは新しく購入するとなると出費がかさむので、もし必要としている人がまわりにいれば喜んで受け取ってくれる可能性が高いでしょう。
とはいえ、破損しているものを渡すことは避けてくださいね。
支援団体へ寄付
スーツケースは、支援団体へ寄付することも可能です。物資として、またはお金に換えられ支援金として役立てられます。不用品として捨てるより、せっかくなら必要としている誰かに使ってもらえたほうが嬉しいですよね。
寄付の方法は団体によって異なるため、それぞれの公式サイトまたは電話で問い合わせてみてください。
リサイクルショップで売却
まだ利用価値のあるきれいな状態のスーツケースなら、リサイクルショップで買取ってもらえる可能性が高いでしょう。特に有名・人気ブランドの商品であれば、高価買取も期待できます。
ちょっとしたお小遣いをゲットできるチャンスなので、ぜひ捨てる前に一度リサイクルショップで見てもらいましょう。
フリマアプリなどに出品
リサイクルショップで売る以外の方法で現金化したい場合は、フリマアプリ・ネットオークションで販売してみましょう。たとえ買取不可とされた状態のよくないスーツケースでも、なるべく出費を抑えたい購入者なら買ってくれるかもしれません。
送料負担の大きいスーツケースは、直接受け渡しする方法がおすすめです。ただしトラブル発展のリスクも否定はできないため、十分注意しましょう。
不用品回収業者に依頼
スーツケース以外にも処分したいものがあるときは、不用品回収業者に依頼するのも手。
基本的には回収品目ごとに料金が設定されているものの、業者によっては一定料金で大量の不用品をまとめて処分してくれるお得なプランが設けられている場合があります。
スーツケースを含め、家のなかの不用品を手間なく一掃したいときは、利用を検討してみてください。
スーツケースを捨てるときの注意点
スーツケースを捨てるうえで、いくつかの注意点を覚えておきましょう。よく理解しておかないと、予期せぬトラブルが起きたり怪我をしたりする可能性があるので危険です。
具体的にどんなことに注意すべきか、下記を参考にしてみてください。
中身が入っていないか確認する
スーツケースのなかに財布などの貴重品を入れて持ち運ぶ人は少ないかもしれませんが、海外旅行に行く際にパスポートを入れておく人は案外多いのではないでしょうか。
失くさないように収納ポケットへきちんとしまっていることが裏目に出て、存在に気付かず処分してしまう可能性もゼロではありません。
後悔しないために隅々までしっかりと中身をチェックしましょう。
悪徳回収業者に気を付ける
無料の不用品回収について、広告チラシや巡回車を見かけたことがある人もいるでしょう。このようなサービスには、悪質・違法な回収を行う業者が多いことが実状です。
無料と謳っていたにも関わらず、のちのちなにかしらの理由をつけて料金を請求してくることがあるかもしれません。とはいえすべての無料回収が悪いわけではないので、利用する際は優良な業者かどうか見極めることが大切です。
無理に分解しないようにする
プラスチック製のスーツケースは、分解するのに時間と労力がかかります。なかには、より丈夫な作りの金属製スーツケースもあり、簡単には分解できません。
無理やり切断しようと躍起になると、思わぬ怪我に繋がる可能性があります。難しいと感じたら諦めて、違う捨て方を検討してみてください。
できる限りお得な捨て方で処分しよう
本記事では、不要になったスーツケースの正しい捨て方や、さまざまな処分方法の例をご紹介しました。ごみとしての捨て方一択だった人も、選択肢が広がったのではないでしょうか。
スーツケースは少し手間をかけるだけで、お金をかけずお得に処分できます。状態次第では誰かのために役立てたり、お金に替えてお小遣いや家計の足しにしたりすることも可能です。
使う機会がほとんどなくクローゼットを邪魔しているスーツケースは、ぜひ本記事を参考に思い切って処分しましょう。