外出先でバイクの駐車場を探すのは大変ですよね。賃貸のアパートでも、バイク専用の駐車場が用意されていることはあまりありません。
実はバイク専用駐車場は数が少なく、十分な数があるとはいえないのが現状です。駐車場ではなく駐輪場しかない場合、バイクは駐車場に停めていいのか迷うこともあるでしょう。
バイクを所有する人は、バイクを駐車するスペースについて正しい知識を持っておかなければなりません。またそれと共に、外出先でバイクが停められるスペースを見つける方法も知っておく必要があるでしょう。
本記事ではバイク駐車に関しての正しい知識や、駐車場の探し方、常用のバイクの駐車場や相場、トラブル回避のための方法などを紹介します。バイクに乗る人は知識をもって運転するようにしましょう。
バイクは「駐車場」?「駐輪場」?
バイクは駐輪場に停めるべきか、それとも駐車場に停めるべきか迷ったことはありませんか。
バイクは二輪ですが、原則として駐車場に停めなければなりません。
どうして駐車場なのか、駐輪場に駐車してはいけないのか、その理由をみていきましょう。
バイクは「自動車」なので駐車場
そもそも駐車場とは、駐車場法第二条第一項、二項によると、「自動車の駐車のための施設」と定義されてます。
では「自動車」とは何を指すのかというと、道路交通法第一章総則第二条九によって以下のように定義されています。
原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転し、又は特定自動運行を行う車であつて、原動機付自転車、軽車両、移動用小型車、身体障害者用の車及び遠隔操作型小型車並びに歩行補助車、乳母車その他の歩きながら用いる小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
つまりバイクも「自動車」に分類される乗り物であることから、バイクを駐車するのは駐車場といえるのです。
50cc以下の原付は駐輪場
バイクといっても排気量によって種類がありますが、特に気をつけなければならないのが50cc以下のバイクです。
こちらは原動機付自転車(原付)と呼ばれるバイクで、前述した道路交通法に基づく自動車の定義からは外れてしまいます。そのため50cc以下の原付は、駐車場に駐車することができません。
一方駐輪場は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」により、「自転車又は原動機付自転車のための駐車施設」と定められています。
つまり原付は駐輪場に駐車することが正しいと法律で定義されているのです。
125cc以下のバイクは現場判断になることも
最も判断が難しいのが50ccよりうえ~125cc以下のバイクです。
道路交通法によると50ccよりうえ~125cc以下のバイクは自動車に分類されます。
しかし道路運送車両法という法律では、125cc以下のバイクを原付と定義していることもあり、しばしば原付扱いを受けることも。
施設によっては125cc以下のバイクは駐輪場へ案内される場合があるので、移動を促された場合は、その施設のルールに従って駐車しましょう。
バイクの駐車場の探し方
バイクは駐車場にということがわかっても、なかなかバイクが停められる駐車場を見つけることは難しいですよね。
実際バイクの駐車スペースは増やす傾向にありますが、まだまだ足りていないというのが現状です。
そこで出先での駐車スペースを探すのに便利な方法を紹介します。
ネットサービスを利用する
出先で簡単に駐車場を探す方法の一つとして、インターネット上でバイクの駐車場を紹介しているサイトを利用することがあります。
一度に近隣の駐車場がわかり、価格を比較できるのでとても便利です。なかでも使いやすいサイトを一部紹介します。
全国バイク駐車場・駐輪場案内
- 3万以上の駐車場が登録
- 月極と時間貸どちらも掲載
- 目的地名称だけで検索可
一般社団法人 日本二輪車普及安全協会が運営するサイトにある駐車場案内です。2023年4月現在、全国32,000以上の駐車場を登録しています。
屋内、屋外、月極、時間貸問わず紹介されているので、一時的に駐車場を利用したい場合も、長期的な保管場所を探している場合も便利です。
目的地の住所が細かくわからなくても、施設名から駐車場の検索が可能。金額やマップまで表示され、比較しやすいですよ。
月極駐車場バイクパーク
- 首都圏中心にバイク駐車場を運営
- 3,772ヶ所の駐車場を運営
- 月極駐車場関東県内NO1の保有数
バイクパークはバイクの駐車場を運営、管理していて、おもに首都圏を中心に数を増やしています。2023年4月現在3,700カ所以上の駐車場を保有。
出先の一時的なバイク置き場ではなく、保管のための月極駐車場を探している人におすすめのサイトです。
同社は屋根付きの駐車場や格安の駐車場など、さまざまな種類の駐車場を保有しています。立地、保管条件、月々の支払額など、こだわりのポイントに合う駐車場を見つけられるのではないでしょうか。
タイムズのB
- 駐車場の予約ができる
- 事前のカード決済が可能
- 数日間まとめて予約できる」
自宅やビルの空きスペースなどを駐車場として貸し出したい人と、借りたい人とをつなぐサービスです。多くのスペースが駐車場として登録されており、目的地や住所を入力するだけで駐車場を案内してくれます。
タイムズBの特徴は駐車場の予約ができることです。最長で13日前から予約ができます。基本的には1日単位での利用ですが、数日間滞在するときにも利用できるよう、まとめて数日間レンタルも可能。
レンタル中は何度出し入れしても料金は一定です。
アプリで探す
スマホの位置情報を利用して、アプリで近くの駐車場を探すサービスがあります。こちらは主に一時的にバイクを置いておくスペースを探すのに活用できます。
アプリはそれぞれ力を入れているエリアが異なり、取り扱う駐車場の数にも差があるでしょう。自分がよく利用しているエリアの駐車場が充実しているアプリを見つけられると、とても便利ですよ。
スマホのアプリ検索で「バイク 駐車場 検索」などのキーワードを入れて、使いやすいアプリを探してみてください。
バイク専用駐車場の種類と相場
バイク専用駐車場の数は多くはありませんが、特に都心では増加しつつあり、いくつか種類もあります。
それぞれ使い勝手や相場が異なるので、自分が利用したい頻度や希望の保管環境、予算などの条件を比較したうえで、駐車場を確保するようにしましょう。
屋内駐車場
マンションや商業用ビルの地下や一階に設けられている、屋内の駐車場です。雨風を防ぐことができ、バイクをそのまま保管しておくことができるので人気です。
マンションの場合多くは居住者専用ですが、バイクの駐車スペースのみをレンタルできる駐車場もありますよ。
相場は月極駐車場で4,000~20,000円/月前後と立地によって幅があります。
屋外駐車場
車用のコインパーキング横や、公園の駐輪場の横など、町中の小さなスペースを活用して作られていることが多い駐車場です。バイクをチェーンで固定できるポールが立っているので、防犯対策が可能。
屋根がない場所なので、長時間利用する場合はバイクカバーで覆うなどの対策が必要でしょう。
相場は月極駐車場で3,500~7,000円/月前後で、屋内駐車場よりは少し安い場所が多数です。
バイクショップ併設の駐車場
バイクショップに、月極駐車場が併設されているところがあります。しかし数が少なく、検索にもなかなか出てこないため、見つけられたらとてもラッキーという駐車場です。
行きつけのバイクショップにある場合は、利用するといいでしょう。防犯対策がされていて、何かあってもすぐにメンテナンスに出せることが魅力です。
相場は店舗によって異なりますが、屋内駐車場と同等の料金であることが多いです。
バイク専用倉庫・コンテナ
バイクをコンテナのなかに収納しておけるタイプの駐車場です。日常的に乗るのではなく、たまに乗ったりコレクションしたりしているという人におすすめ。
防犯対策が厳しく、高級なバイクの保管場所としても安心できます。しかし人目につかない場所にあるコンテナは、窃盗などの被害に合いやすいので、立地にはこだわりましょう。
相場は立地にもよりますが、月額10,000~30,000円です。
共同ガレージ駐車場
ビルのガレージスペースを、バイク専用駐車場として区切ってシェアしているサービスです。
個人ブースに区切られている場所や、屋内駐車場のようにバイクを並べるスペースがあるだけの場所など、内部のデザインは様々です。
ヘルメットや手袋など装備も一緒に保管でき、簡単なメンテナンスや洗車ができる場所もあります。
相場は設備によって差がありますが、月額25,000~50,000円前後です。
ライダースマンション
その名の通り、バイク愛好家たちが集まるマンションです。バイクの保持に必要な駐車場や洗車・メンテナンススペースが完備されています。
間口が広く、バリアフリーでバイクの乗り入れが便利になるなど、バイク用の工夫が満載。ひとりあたり3台のバイクを保管できる駐車場が完備されているマンションもあります。
相場は家賃込みで月額80,000円~です。通常の部屋探し同様、立地や部屋の広さによって変わってくるでしょう。
トラブルに巻き込まれないように気をつけよう
バイクの駐車場に関してのルールはあまり浸透しておらず、自転車や自動車のユーザーと場所を巡り、トラブルになることがあります。ルール違反をしていないにも関わらず、トラブルに巻き込まれるのは避けたいところですよね。
トラブル回避のためにできることは、事前に行っておきましょう。
事前に駐車場の場所は確認しておく
出先での駐車場に困らないよう、道中の休憩場所や行き先でのバイクの駐輪場は確認しておきましょう。バイク専用の駐車スペースが設けられているところを利用することが、最もトラブル回避に繋がります。
立ち寄り先に専用駐車場がなければ、近隣のバイク専用駐車場の利用を検討してみるのもいいでしょう。
バイク専用駐車場がなければ問い合わせる
滞在先にバイク専用の駐車場がない場合は、事前に問い合わせて、バイクの置き場所を確認しておくといいでしょう。ルールに従っていたとしても、自己判断で駐車してトラブルになることもあります。
事前に問い合わせをしておけば、トラブルに巻き込まれたとしても、施設に問い合わせたうえで駐車していることが伝えられるのでおすすめです。
バイクはマナーを守って駐車場へ
原則バイクは駐車場へ停めることや駐車場の探し方、バイクの駐車スペースの特徴や相場を紹介しました。
バイクは車に比べてユーザー数が少なく、それゆえにマナーやルールも浸透していません。バイクを乗る人は、トラブルに巻き込まれないようにきちんとルールを把握し、周囲に迷惑をかけないように気を配る必要があるでしょう。
これからバイクの購入を考えている人は、買ってから駐車場に困らないよう、事前に駐車場を確保したうえで購入してくださいね。