エアコンの正しい処分方法|処分にかかる料金や注意点も紹介

家電

いざエアコンを処分するとなった際、その処分方法に悩むという方はかなり多いでしょう。実際、エアコンの処分には「家電リサイクル法」という法律が絡むため、何も知らないまま処分するとトラブルに発展する可能性が。

「とりあえず業者に依頼する」といった方も多いかと思いますが、ほかにもエアコンの処分方法はいくつかあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、自分にあった方法で処分しましょう。

本記事では、エアコンを処分する際の基本的な料金の仕組みや、具体的な処分方法について解説します。記事の後半ではエアコンを処分する際の注意点もまとめているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

エアコンの処分にかかる料金

エアコンの処分にかかる料金には、大きく次の3つがあります。

  • リサイクル料金
  • 収集運搬料
  • 取り外し工事費

こちらはエアコンの処分に必ずかかる料金もあれば、自分で対応することで払わないで済むものもあるため、事前に詳細を知っておくことが大切です。

また、知っておけば処分費用の明細を見た際に、すぐに納得することもできるでしょう。次で詳しく説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

リサイクル料金

エアコンは家電リサイクル法(※)の対象製品のため、処分には必ずリサイクル料金が発生します。
(※)有用な部分の素材をリサイクルして、資源の有効利用を促進する法律。2001年に施行され、エアコン・テレビ・冷蔵庫などが該当します。

このリサイクル料金は、一般的な家庭用エアコンの場合990円(2023年6月時点)必要です。支払い方法は2種類あるため、以下を参考にしてみてください。

支払い方法特徴
料金販売店回収方式収集運搬料・取り外し工賃とともに、エアコン販売店を通じて支払う
料金郵便局振込形式郵便局の窓口でリサイクル券を購入し、処分場所に持ち込む

収集運搬料

収集運搬料は、その名の通りエアコンを運び出す際にかかる料金を意味します。

料金は依頼する業者によって異なりますが、およそ2,000~5,000円程度が相場です。ただし、こちらは処分のみの場合で、買い替えをするなら割引が適用されて2,000円以下で抑えられるでしょう。

リサイクル料と違い、業者によって料金に大きな差があるため、依頼する場所は慎重に選ばなければいけません。

取り外し工事費

エアコンの処分費用で一番高額なのが、取り外し工事費です。こちらも業者ごとに価格設定が違いますが、約4,000~7,000円程度は必要でしょう。

もちろん、自分で取り外すことで出費を抑えられますが、あまりおすすめはできません。道具を取り揃えるのに2,000円程度の出費はかかるうえ、素人が行うことでケガをする危険性もあります。

取り外し工事費は必要経費と割り切って、エアコンの処分を依頼するのが良いかもしれません。

【有料】エアコンを処分する方法

有料でエアコンを処分する方法は、次の5つです。

  • 新しいエアコンを購入した際に処分してもらう
  • 購入した店舗に処分を依頼する
  • 自治体の回収サービスを利用する
  • 指定取引場所へ持ち込む
  • 不用品回収業者に依頼する

すべて有料の処分方法ですが、プロが作業をするため、安心してエアコンを処分できるというメリットがあります。それぞれの特徴について、次で詳しくみてみましょう。

新しいエアコンを購入した際に処分してもらう

仮にエアコンを買い替える予定があるなら、購入店舗へ処分を依頼すれば出費をかなり抑えられるでしょう。

大手家電量販店などでは、不要なエアコンの処分・回収の申し込みが可能。もちろん、買い替え以外でも申し込めますが、その際は運搬費用などが割高になってしまいます。

買い替え時は運搬費用が無料になる店舗も多いため、メリットも大きい処分方法です。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 家電量販店などで、エアコンを購入する際に処分を申し込む
  2. 申し込んだ店舗で家電リサイクル券を発行してもらう
  3. 店舗が依頼した業者が訪れるので、取り外しから搬出までを行ってもらう

購入した店舗に処分を依頼する

エアコンを販売している店舗では、家電リサイクル法に基づき、処分依頼には応じる義務があります。したがって、購入店舗へ申し込むことで、エアコンの処分が可能です。

ただし注意点として、買い替え時と異なり、運搬費用にかかる出張費などは無料にはなりません。比較的割高になってしまいますが、引越しなどで処分しなければいけない状況などでは、一般的な方法とも言えます。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 処分するエアコンを購入した店舗へ回収依頼を申し込む
  2. 店舗で家電リサイクル券を発行してもらう
  3. 店舗が依頼した業者が訪れるので、取り外しから搬出までを行ってもらう

自治体の回収サービスを利用する

住んでいる地区・地域によっては、自治体がエアコンの処分を行ってくれる場合があります。こちらは地域サービスの一環のため、申し込めない場所もあることは理解しておいてください。

基本的には家電量販店に依頼するときと同じですが、家電リサイクル券の発行は自治体ではできません。そのため、自分で郵便局へ行き、家電リサイクル券の支払いを行わなければいけません。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 住んでいる自治体の公式サイトでエアコンの処分が可能かを確認する
  2. 郵便局で家電リサイクル券を購入する
  3. 自治体指定の回収業者へ依頼する
  4. 予約した日時に業者が回収に訪れる

指定取引場所に持ち込む

業者に頼まず、自分でエアコンの取り外しや運搬が可能なら、指定取引場所に持ち込む処分方法もあります。この場合は、実質リサイクル料の990円で済むため、非常にお得な処分方法と言えるでしょう。

ただし、自分でエアコンの取り外しを行うのは、正しい手順で対応しないとケガをする可能性もあります。手順や注意点については、記事後半で説明しているので、そちらを参考にしてみてください。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 正しい手順でエアコンの取り外しを行う
  2. 郵便局で家電リサイクル券を購入する
  3. 自治体で指定されている取引場所へ運搬する
  4. 係員の指示に従いエアコンを引き渡す

不用品回収業者に依頼する

処分するエアコンの台数が多いと、比例して料金が高くなってしまいます。買い替える予定があるなら問題ありませんが、そうでない場合、不用品回収業者に依頼するほうが安く済むかもしれません。

不用品回収業者へ依頼する際も、エアコンの取り外しから運搬といった作業内容は同じです。ただし、業者は部品どりや再販などを目的としているため、費用を少し安く見積もってくれます。

業者によって料金設定は異なりますが、エアコンの台数が多いなら、おすすめの処分方法と言えるでしょう。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 不用品回収業者を探す
  2. 依頼したい業者の公式サイトから申し込み
  3. 予約した日時に業者が回収作業に訪れる
  4. 作業終了後に料金を支払う

【無料】エアコンを処分する方法

エアコンを処分する際は、やはり費用が気になりますよね。安心だからとわかっていても、できる限り手間や出費を抑えたいと考えてしまうものです。

そこで、エアコンの処分を無料で行える方法を2つ紹介します。少し手間はかかりますが、出費を抑えたい方は参考にしてみてくださいね。

リサイクルショップの買取に出す

家電製品を取り扱っているリサイクルショップであれば、不要なエアコンの買取も可能です。

ただし、リサイクルショップの多くは、5年以内の家電製品しか受けつけていません。仮に5年以上前の製品であれば、エアコン買取の専門店に依頼するのがおすすめです。

自社で修理などを行っている店舗などは、10年以上前のエアコンでも買取できる可能性が出てきます。「売れるかな」と不安を感じるのなら、あらかじめ問い合わせておくと良いでしょう。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. エアコンを取り外す
  2. リサイクルショップへ査定を申し込む
  3. 所定の方法に従ってエアコンを買取してもらう

オークションやフリマサイトで販売する

メルカリやヤフオクなどの、フリマ・オークションアプリでエアコンを売ることも可能です。こちらは自分で価格設定できるため、高く売りたい方にはおすすめな方法と言えます。

ただし、事前にエアコンを取り外して写真を撮影したり、発送時には梱包を行ったりする必要があり、非常に手間と時間がかかる点には注意しましょう。

処分までの流れ

処分までの流れは以下の通りです。

  1. 事前にエアコンを取り外す
  2. 写真を撮影して出品する(商品説明も記載)
  3. エアコンが売れたら発送準備をする
  4. 相手が商品を受け取り数日後に入金される

エアコン買取のおすすめ業者

先ほど無料でエアコンを処分する方法として、リサイクルショップをお伝えしましたが、どの店舗を選べば良いか迷ってしまいますよね。

そこでエアコン買取におすすめな業者を3選紹介します。古いエアコンの買取にも対応している業者ばかりなので、ぜひ店舗選びの参考にしてみてください。

店舗名店舗紹介ロゴ評価買取方法送料
エアコン買取王エアコン買取王ロゴ★ 3.4出張/店頭
リサイクルショップ家電王リサイクルショップ家電王ロゴ★ 4.7出張/店頭
エアコン買取エイブイエアコン買取エイブイロゴ★ 3.9出張/店頭

※口コミ評価はウリドキやGoogle、その他サイトの情報を参考にしています

エアコン買取王

エアコン買取王ロゴ

店舗紹介

エアコン買取王は、大阪・愛知・埼玉に店舗を展開しているエアコン買取の専門店です。持ち込みでの買取のほか、全国13都府県(東海・関東・関西・中国・四国)の出張買取にも対応しており、専門店ならではの高価買取が魅力。

年式の古いエアコンも商品によっては買取できるため、気軽に相談してみてください。

また、エアコン買取王は、「他店が1円でも高ければ相談してください」と公式サイトで謳っているお店です。一度複数の業者へ見積もりを依頼してから、買取王に相談してみるのも良いですね。

店舗情報

エアコン買取王
電話番号0120-310-444
公式サイト

リサイクルショップ家電王

リサイクルショップ家電王ロゴ

店舗紹介

リサイクルショップ家電王は、エアコン・テレビなどの家電を専門に取り扱う買取店です。安心・丁寧・納得査定をモットーに運営しており、高価買取だけでなくサービスにも定評があるお店。

実店舗は東京・神奈川・埼玉のみですが、自宅が近郊の方は出張買取も可能なので一度相談してみてください。

リサイクルショップ家電王では、状態が悪いものや付属品無しのエアコンでも無料査定しています。1点からで査定を受け付けてくれるので、「年式が古い」「付属品がない」など気にせずに申し込みましょう。

リサイクルショップ家電王
電話番号0120-05-1515(東京)0120-05-9898(埼玉)0120-05-1313(神奈川)
公式サイト

エアコン買取エイブイ

エアコン買取エイブイロゴ

店舗紹介

エアコン買取エイブイは、エアコンの出張買取を専門に行っているお店です。東京・神奈川・埼玉エリアに対応しており査定料・出張費はかかりません。

また、買取対象製品が幅広く、10年以上前のエアコンでも売却できます。一般的なリサイクルショップの多くは、5年以内のエアコンしか対応してくれないことを考えると、非常に魅力的なポイントですね。

エアコン買取エイブイは、関東3都府県を中心に対応していますが、相談内容によってはエリア外でも出張買取してもらえます。自宅が遠方の方も、一度査定の申し込みを相談してみてはいかがでしょう。

店舗情報

エアコン買取エイブイ
電話番号0120-60-4431
公式サイト

エアコンを処分する際の注意点

エアコンを処分する際には、いくつかの注意点を知っておかなければいけません。なぜなら、何も考えずに処分を行うと、トラブルに巻き込まれる可能性もあるからです。

ここではエアコンの処分する際の注意点について、詳しく解説します。

室外機の処分も忘れずに

エアコンを稼働させるには、風を外に送り出すための室外機が必要不可欠です。ただし、この室外機は、エアコンとセットになっていることが多く、別々のものを取りつけようとしても上手くいきません。

仮に再利用できるとしても、別途費用がかかる可能性は高いです。そのため、エアコンと一緒に室外機も処分しておくのが望ましいでしょう。

家電リサイクル券の控えをなくさないように

エアコンを取り外したあと、自分で指定取引場所へ持ち込む際は、家電リサイクル券の控えを必ず持参しなければいけません。仮に、この家電リサイクル券の控えを紛失してしまうと、再度郵便局で料金を支払う必要があります。

単純に通常料金の倍かかってきますので、家電リサイクル券の控えはきちんと保管しておきましょう。

悪徳業者に気をつける

不用品回収業者のなかには、悪徳な商法を行っている業者が存在します。こういった業者の多くは山中などに不法投棄を行い、ユーザーから徴収したリサイクル料金を国に収めません。

そのため、不法投棄したエアコンが見つかると、所有者が訴えられる可能性があるのです。

実際に社会問題になったこともあり、「自分は大丈夫」と思っていてはいけません。基本的に家電リサイクル券の控えを渡してこない場合は、違法業者だと疑うようにしましょう。

エアコンを自分で取り外す方法

先ほど「エアコンを自分で取り外すのはおすすめしません」とお伝えしましたが、人員・場所を確保したうえで、安全に作業できるのならば問題ありません。

専門的な知識や手順が必要ですが、「自分で取り外したい」と考えている方は、次で紹介する内容を参考にしてみてください。

取り外しに必要な工具

作業を始める前に、必要な工具類を用意しましょう。

エアコンの取り外しに必要な工具は、以下の通りです。

  • ドライバー(プラス、マイナス)
  • レンチ(六角、モンキー)
  • カッター
  • ペンチ
  • ビニールテープ
  • 脚立
  • 軍手
  • ごみ袋
  • パテ

基本的に、ホームセンターなどで一式用意できます。安全に作業するためにも、必ず用意しましょう。

取り外し工程

エアコンの道具が用意できれば、取り外しの作業にかかっていきます。所用時間は、素人が行っても約40~60分くらいで完了できるはずです。

取り外し作業を大きく5つの工程にわけて、次で詳しくみてみましょう。

工程1:エアコンの構造確認

取り外しの作業に入る前に、必ずエアコンの構造を確認しなければいけません。この工程は非常に大切で、何も考えずに作業してしまうと、エアコンを壊してしまう可能性が出てきます。

チェックするポイントを簡単にまとめたので、参考にしてみてください。

  1. 電気を供給する配線
    電気供給を止めずに配線を切断すると感電するため、エアコンと室外機を結ぶ配線をチェック
  2. 水を外に流すドレンホース
    エアコンの取り外し前に誤ってドレンホースを切断すると、室外へ水が排水されないため、必ずチェックしてください
  3. 冷媒ガスを循環させる銅管
    冷媒ガスを抜かずに銅管を切断すると、ガスが噴出してケガを負う可能性があります。

工程2:エアコンの動作確認

エアコンを取り外す前に、正常に作動しているかの動作確認が必要です。この確認を怠ると、エアコンが壊れるリスクが高くなります。プロの間でも基本中の基本と言われるほど、重要なことなので注意しましょう。

実際に確認する点は、以下の2つです。

  • 室外機のなかにあるコンプレッサーが作動しているか
  • 室外機から冷風が出ているか

また、動作確認をする際は、外気温の影響が少ない「強制冷房運転」がおすすめ。操作方法は、エアコンの取扱説明書を確認してください。

工程3:ポンプダウン

室外機の銅管には、細い・太いタイプの2種類があり、それぞれ2分(2分管)3分(3分管)と呼びます。この2種類の銅管を操作し、室外機に冷媒ガスを閉じ込める作業が「ポンプダウン」です。

初めの作業として、2分・3分両方のバルブキャップとカバーナットを取り外しましょう。
そのあと、冷媒ガスが漏れないよう、2分管のバルブを時計周りに回します。バルブが閉まって回らなくなれば1分間放置し、同様の手順で3分管の作業を行ってください。

3分管のバルブも閉め終わり、ガス漏れがなければポンプダウンの作業は終了です。

工程4:銅管や配線の取り外し

ポンプダウンの作業が終われば、次いで銅管や配線を取り外していきます。取り外しの手順は、以下を参考にしてみてください。

  1. ポンプダウンで外したカバーナットとバルブキャップを再度装着
  2. モンキーレンチを用いて、2分管のフレアナットを外し、同様の手順で3分管も対応
    (※)モンキーレンチ1本だと、銅管に負担がかかり冷媒ガスが漏れてしまう危険性があります。モンキーレンチ2本を用いて、1本で押さえながら対応するのが良いです。
  3. 室内機側の電源コードを抜いたうえで、室外機の配線を外していきます

工程5:室内機の取り外し

最後に次の手順で、室内機の取り外しを行います。

  1. ドレンホースの切断
    (※)つなぎ目に沿って、カッターで切れ目を入れるとスムーズに行えます
  2. ドレンホース内側にある銅管を切断
  3. 室内機を取り外す
    (※)メーカーによって少し違いますが、基本的に上へ持ち上げれば外れます
  4. 背板をドライバーで取り外し、パテで穴を塞ぐ

取り外しを行う際の注意点

エアコンの取り外しは自分で行えるものですが、冷媒ガスの噴出や感電の危険性はつきまといます。したがって、十分に安全を確保したうえで、正しい手順で作業を行うことが大切です。

また、万が一作業中にケガを負ったり、エアコンが壊れたりしても保証は一切ありません。取り外し工事費は抑えられますが、何があっても自己責任だという点には注意しましょう。

エアコンの処分は正しい手順で行う

エアコンの処分には「家電リサイクル法」が関わってくるため、正しい情報を知っていなければトラブルに巻き込まれる可能性があります。

専門業者へ依頼するのが安全ですが、処分費用も必要で、エアコンの台数が多いと気軽に頼めるものでもないでしょう。

しかし、本記事でも紹介したように、エアコンの処分方法はいくつかあります。正しい手順で処分することを前提に、自分に合った方法を選ぶのは間違いではありません。

この記事を参考に、正しい手順のもとエアコンの処分を進めてみてください。

神内|KOSOTTO編集部

神内|KOSOTTO編集部

思い切ってものを捨てられる派。古本を売ったり買ったりしています。

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