エアコンの正しいフィルター掃除方法を知っていますか?水洗いをしたら壊れてしまうのではないか、手間がかかるのではないかと、正しい方法を調べずについつい後回しにしていませんか。
実はエアコンのフィルター掃除は簡単。家にある道具だけで30分もしないうちに終わらせられます。
しかし正しい知識を持ったうえで行わなければ、エアコンの故障の原因を作ってしまったり、エアコン内のカビの原因になってしまったりすることも。
そこで本記事では、正しいエアコンのフィルター掃除方法を紹介します。注意点も合わせて紹介するので、正しい知識を持ったうえで、今年こそは夏までにエアコンのフィルター掃除を終わらせましょう。
エアコンのフィルターが汚れているとどうなる?
エアコンのフィルター掃除をするべきとはよく聞くけれど、忙しくて手が回らないという人も多いのではないでしょうか。
そもそもなぜエアコンのフィルター掃除をしなければならないのでしょう。まずフィルターが汚れているとどうなるのかを解説します。
電気代が高くなる
フィルターはエアコンに空気を出し入れする部分に設置されているため、埃などをキャッチし、掃除をしなければ目詰まりを起こします。その状態で運転すると、空気が十分に部屋に広がりづらく、なかなか気温が変化しません。
その状態が続くと必要以上のパワーで運転する時間が長くなってしまい、電気代が余計にかかってしまいます。
エアコンにカビが発生しやすくなる
エアコンは、除湿や冷房運転を続けると、温度差でエアコン内が結露します。
そこにフィルターの埃が残っていると、カビが発生し、異臭の原因に。またカビが発生したエアコンから送られてくる空気は、カビの胞子を含みます。それが空気中にばらまかれることで、アレルギーなどの体調不良を引き起こす原因になることも。
特に子どもには影響が大きく出やすいので注意が必要です。
エアコンのフィルター掃除をする前に
身体にも家計にも影響があるなら、すぐにフィルターを掃除をしなければ、と思うかもしれません。しかしエアコンのフィルター掃除には、準備が必要です。
まず掃除を始める前にしておかなければならないことを、2点紹介します。
フィルター掃除の準備物
エアコンのフィルター掃除に必要なものは以下の通りです。
- 新聞紙
- 掃除機
- 中性洗剤、重曹
- 歯ブラシ、スポンジ
- きれいなタオル
新聞紙は床が汚れないように敷くものなので、ビニールのゴミ袋などを切り開いたものや、レジャーシートなどの代用も可能です。
中性洗剤や重曹と歯ブラシ、スポンジはフィルター汚れがひどいときに使用します。リビングや寝室など、油汚れのない部屋のフィルター掃除なら洗剤類は必要ないことが多いです。
コンセントプラグを抜く
エアコンのコンセントプラグはあらかじめ抜いておきましょう。フィルターを掃除するときはエアコンの内部を触るわけではないため、コンセントが刺さっていても危険な状態になることはほとんど考えられません。
しかし万が一のことがあるといけません。念のため、プラグは抜いておいたほうが安心できるでしょう。
エアコンのフィルターの掃除方法
まずおさえておきたいことは、エアコンのフィルターは水洗いができるという点です。電化製品の一部分なのに大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、きちんと乾かしてから設置すれば問題ありません。
本記事では水洗いでフィルター掃除を行う方法を紹介します。
手順1:フィルターを取り外して新聞紙に置く
床にあらかじめ新聞紙やレジャーシートを敷いておきます。準備ができたらエアコンのカバーを外し、フィルター部分をゆっくり取り外して新聞の上に置きましょう。
このとき、エアコンに設置されている状態のフィルターに埃がかなり溜まってしまっている場合は、軽くティッシュなどで埃を落としてからフィルターを外します。
手順2:掃除機で表面を吸う
エアコンの外側に面している面に掃除機を当ててゴミを吸い取ります。大きな埃は事前に拭っておくと、細かい埃まで掃除機で吸い込みやすいです。
反対側から掃除機をかけてもゴミは吸えないので、掃除機をかける面に注意してください。大体の埃を拭うことができたら、次の工程に移ります。
手順3:裏面から水洗いをする
先ほど掃除機をかけた面の反対側からシャワーや蛇口の水を直接フィルターにあてて、細かい埃を洗い流します。フィルターが目詰まりしないよう、必ず裏面から水をかけましょう。
埃が張り付いて取れない場合は、洗剤やブラシを使って掻き出していきます。大体洗い流せたら、フィルター周辺についた水滴を軽くタオルでふき取りましょう。
手順4:陰干しをする
水滴をぬぐったフィルターは、水分が完全に乾くまで日陰で干しておきます。日向で乾かしたり、ドライヤーなどを使用したりすると早く乾くのではと思うかもしれませんが、絶対にしてはいけません。
フィルター部分は熱をもつと、曲がったり変形したりする可能性があります。そうなるとフィルターが設置できなくなるので、必ず日陰で乾かしましょう。
油汚れがあるフィルターの掃除方法
キッチンが近い場所にあるエアコンのフィルターは油汚れが付いている可能性があります。油汚れがついたフィルターは、上記の方法できれいにすることはできないため、重曹水や洗剤を使うことが多いです。
重曹や中性洗剤と水を適量合わせたものをスプレーボトルなどに入れ、掃除機で埃を吸い取った後にフィルターに吹きかけます。その後、歯ブラシやスポンジなどでやさしく擦り、油汚れを落としてからシャワーで水洗いしましょう。
汚れがひどい場合は、重曹水をつけたあと、しばらく放置してから擦ると効果的です。
フィルター掃除の注意点
エアコンのフィルター掃除をする際の注意点を3つ紹介します。フィルター掃除は決して難しくはありませんが、不適切な方法で行うと、エアコンの故障の原因になってしまうことも。
フィルター掃除を始める前に必ず確認しておきましょう。
埃が舞うので吸い込まない工夫を
エアコンのカバーを開けるときや、フィルターを取り外すとき、掃除機を使うときなど、フィルター掃除をしているときは、埃が舞います。
掃除をするときは、マスクなどをしたうえで換気をするなど、埃を吸い込まない工夫をしてください。またハウスダストなどに弱い子供や高齢者がいない時間帯に掃除をすることがおすすめです。
フィルターはしっかり乾燥させる
エアコンを使いたい時期は、完全に乾く前に、つい急いでフィルターを設置しがちです。
しかしフィルターが少しでも濡れていると、エアコン内部に水分が入り込んでしまいます。そうすると本体が故障してしまう原因になりかねません。フィルターは必ず時間をかけて完全に乾燥させてから、取り付けるようにしてください。
内部の掃除はプロに
せっかくならエアコンの内部まで掃除したいと思う人がいるかもしれません。エアコン内部用の洗剤スプレーなども販売されており、素人でも掃除ができることは知られています。
しかし手順を間違えるとエアコンが故障してしまうことも考えられるので、内部の掃除はプロに任せたほうが安心です。複数ある業者のなかから、費用やサービス内容を比較しつつ、信用できるプロに依頼しましょう。
フィルターの適切な掃除頻度は?
フィルターの掃除の適切な頻度は、2週間に一度程度です。少なくても1か月に一度は必ず掃除をしましょう。
特に冷房や除湿の機能を使う夏場は、2週間に一度の頻度を守ることが必要になります。エアコン内部に結露が発生しやすく、カビが繁殖しやすい季節です。一度カビが発生してしまうと、自分自身で掃除をしてリセットすることが難しくなるため、フィルター掃除は忘れないようにしましょう。
フィルターの汚れを防ぐ方法
特に油汚れなどが付きやすい場所にあるエアコンのフィルター掃除は、こまめにしなければならず、手間もかかるので面倒ですよね。そこで、フィルターが汚れるのを防ぐ方法を紹介します。
もちろん汚れなくなるわけではありませんが、手間を少なくすることはできるでしょう。
エアコン吸気口カバーをつける
エアコンの吸気口付近に取り付ける、埃や油汚れを防ぐ吸気口カバーを購入して取り付けましょう。フィルターそのものに埃や油汚れが付くのを防ぎます。
ただしカバーは汚れるごとに購入、交換しなければなりません。フィルターも汚れが付くのを軽減できるだけなので、定期的な掃除は必要です。
また、エアコンの吸気口付近にカバーをつけることで、エアコンの効率が少し落ちてしまうことも考慮しておきましょう。
送風運転を定期的にする
エアコンを使用した後は、短時間で構わないので、送風運転をしてから電源を切るようにしてください。
エアコンの内部のカビの原因は、エアコンの除湿運転や冷房運転による結露です。この結露は気温差で発生するもので、送風運転をすることで内部を乾燥させることができます。
エアコン内を常に乾いた状態にしておくことで、内部のカビを防ぐことが可能です。結果としてフィルター汚れも水洗いでさっと落ちる汚れに留めておけますよ。
よくある質問
エアコンのフィルター掃除に関して解説してきましたが、そのほかにもエアコンには掃除できる場所があります。しかしそれらの掃除方法などはよく知られていません。
そこで、フィルター掃除以外の場所の掃除に関する、よくある質問を解説します。
室外機の掃除は必要?
エアコンの室外機は、エアコンの運転により発生した熱を外へ逃がす働きがあります。そのため室外機周辺に物が置かれていたり、草花が茂っていたりすると、熱がエアコン内にとどまってしまうのです。
その状態では本来の運転ができず、エアコンの効率が落ちてしまうことに。そのため室外機周辺に物は置かないようにし、草花等は取り除くなどの作業が必要になります。
ただし室外機内部の掃除は分解が必要で、素人にはほぼ不可能。室外機内部の掃除が必要な場合は、プロに依頼しましょう。
エアコン内部も掃除したほうがいい?
エアコン内部も結露などでカビが発生しやすく、埃も溜まってしまうことから、定期的な掃除が必要です。内部が汚れているとハウスダストやアレルギーの原因になることもあるので、特に子供や高齢者がいる家庭は注意しましょう。
しかし市販のエアコンスプレーは、使用方法を間違えると、逆にエアコンの汚れの原因になることもあるため、使用を禁止しているメーカーもあります。
さらに、エアコン内部にはエアコンの基盤等触れてはいけない場所もあり、自己流での掃除は危険です。エアコンの内部の掃除は、できればプロに任せましょう。
エアコンのフィルター掃除は定期的に
エアコンのフィルター掃除の方法や準備物、注意点などを解説しました。
エアコンのフィルター掃除は、定期的に行っていれば、ひどい汚れがつくこともなく、手入れは簡単で短時間に終わらせることが可能です。しかし、放置してしまうと汚れを落とすのに時間がかかったり、プロの手を借りなくてはならなくなったりすることもあります。
つい後回しにしがちなフィルター掃除ですが、定期的に行い、きれいな状態でエアコンが使用できるように注意しましょう。