進学や就職などが多いシーズンは世間一般的に引っ越しの繁忙期と呼ばれ、引っ越し業者が忙しくなります。なんとなく3月というイメージがあるかと思いますが、実は2月頃から料金は上昇。
また、繁忙期は知っていても、閑散期は知らないという方も多いでしょう。引っ越しをするうえでは、繁忙期と同じくらい閑散期を知ることも重要です。閑散期は料金も比較的安く済むため、これを機にぜひチェックしてみましょう。
本記事では、引っ越しの繁忙期・閑散期について、そしてそれらの予約や料金への影響について徹底的に解説します。閑散期の引っ越しについても詳しくお伝えするので、なるべくお得に引っ越ししたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
引っ越し業者の繁忙期は?
引っ越し業者には、依頼が集中する繁忙期があります。新年度が始まる3〜4月は依頼が多く、特に大手引っ越し業者の3月の引っ越し件数は、通常月と比べて約2倍です。
国土交通省が分散引っ越しを呼びかけるほど、交通網にも影響を及ぼしています。
利用者にとっても「引っ越し費用が高い」「予約が取りづらい」などのデメリットが多く、なるべく繁忙期を避けた引っ越しがおすすめです。
引っ越しの繁忙期は賃貸物件も高い
引っ越しの繁忙期である3〜4月は、引っ越し費用だけでなく、賃貸物件も高い時期です。
引っ越しの需要が増加するのと比例して、賃貸を借りる人が増えます。入居者がすぐに決まりやすいため、家賃や初期費用を高く設定しやすいことが理由です。
繁忙期である3〜4月を過ぎると賃貸物件も安くなり始めます。ゴールデンウィークを過ぎた時期が特に安く、時期を少しずらすだけで大幅に費用を減らすことが可能です。
繁忙期の予約は何日前に取るべき?
繁忙期は引っ越しの予約が取りづらく、油断しているとあっという間に予約が埋まってしまいます。希望日に引っ越すために、できる限り早めに予約をしましょう。
理想は引っ越し日の2ヶ月前です。引っ越しの1ヶ月前から予約を取り始める人が多いので、繁忙期ということを踏まえると、2ヶ月前には予約を取るべきだと言えます。
2ヶ月前だと入居日などの調整がむずかしいですが、繁忙期に予約を取るには事前の行動が非常に重要です。
繁忙期の料金はどれくらい高くなる?
繁忙期の引っ越しは、閑散期の料金と比べて高くなります。分かりやすく比較できるように、表でまとめたのでご覧ください。
繁忙期(2〜4月) | 閑散期(5〜1月) | |||
---|---|---|---|---|
単身(荷物小) | 4人家族 | 単身(荷物小) | 4人家族 | |
~15km未満 | 43,990円 | 126,093円 | 37,577円 | 102,188円 |
~50km未満 | 48,404円 | 149,126円 | 40,164円 | 121,675円 |
~200km未満 | 55,945円 | 187,368円 | 48,670円 | 138,990円 |
~500km未満 | 67,352円 | 250,669円 | 57,650円 | 182,528円 |
500km以上 | 77,034円 | 319,837円 | 69,619円 | 242,133円 |
単身者と4人家族を対象に、繁忙期と閑散期の料金相場を距離ごとにまとめました。
単身者の15km未満のケースを比較すると、およそ6,000円ほど繁忙期の料金が高いです。4人家族の場合は20,000円以上の差があり、人数が増えるほど時期による差が大きくなります。
4人家族の500km以上の料金を見てみると、繁忙期は70,000円以上高く、距離が増えるほど料金が上がる傾向です。
人数が多く、引っ越し先が遠い人ほど、繁忙期の引っ越しは割増になることが分かります。引っ越しの人数と距離を踏まえて、引っ越し時期を検討しましょう。
繁忙期と閑散期の料金相場
繁忙期と閑散期の料金相場をそれぞれ表でまとめました。引っ越しする人数と距離による料金の変動を比較してみましょう。
繁忙期の料金相場
単身(荷物小) | 2人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
---|---|---|---|---|
~15km未満 | 43,990円 | 81,429円 | 126,093円 | 149,735円 |
~50km未満 | 48,404円 | 92,039円 | 149,126円 | 190,905円 |
~200km未満 | 55,945円 | 123,774円 | 187,368円 | 245,439円 |
~500km未満 | 67,352円 | 158,294円 | 250,669円 | 334,626円 |
500km以上 | 77,034円 | 221,556円 | 319,837円 | 387,158円 |
閑散期の料金相場
単身(荷物小) | 2人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
---|---|---|---|---|
~15km未満 | 37,577円 | 67,497円 | 102,188円 | 143,370円 |
~50km未満 | 40,164円 | 73,248円 | 121,675円 | 160,995円 |
~200km未満 | 48,670円 | 89,220円 | 138,990円 | 200,057円 |
~500km未満 | 57,650円 | 116,256円 | 182,528円 | 234,316円 |
500km以上 | 69,619円 | 160,855円 | 242,133円 | 354,797円 |
繁忙期の料金を少しでも安くする方法
繁忙期は引っ越し料金が高くなることは前述してきた通りです。引っ越し時期をずらすことで安くできますが、そのほかにも費用を抑える方法があります。
ここでは、繁忙期の料金を少しでも安くする方法を紹介。引っ越し時期を変更できない方は、ぜひご覧ください。
複数の業者で見積もりをとる
複数の業者で見積もりをとり、比較することでもっとも料金の安い業者を選べます。手間はかかりますが、非常に合理的な方法です。
見積もりは無料で行っている業者が多いので、余計な費用がかかる心配もありません。できる限り多くの業者で見積もりをとりましょう。
業者によっては相見積もりに対応しており、他社より安く対応してくれる可能性があります。料金を交渉する材料としても、複数の業者で見積もりをとるのはおすすめです。
フリー便を選ぶ
時間指定をしないフリー便を選ぶことで、料金が安くすむ可能性があります。フリー便は業者にとっても、空いている時間に入れられる都合の良いプランです。
業者によってはフリー便に対応していない場合があることや、対応している業者でも予約状況によっては選択できないケースがある点には注意しましょう。
フリー便に対応していない場合でも、早朝や午後などの人気のない時間帯は安く設定している業者も多いです。時間帯ごとの料金を確認してみましょう。
運ぶものを減らす
引っ越しの際は、運ぶものを減らすことで料金を安くできます。運ぶものが増えれば、チャーターするトラックのサイズが上がったり、スタッフを増員したりする必要があるためです。
特に大型の家電や家具などは、引っ越しを機に買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。新居で購入することで、荷物を大幅に減らせます。
リサイクルショップの出張買取を利用するなどして、不用品はなるべく手放してから依頼するのがおすすめです。
平日に予約する
平日の引っ越しは件数が少ないため、料金が比較的安く設定されています。平日の引っ越しでも問題がない方は、なるべく平日に予約しましょう。
平日であれば予約を取りやすく、時間帯を気にせず依頼できる傾向にあります。人気の午前中でも料金が変わらないケースも多いです。
料金以外でも、休日と比べて混雑しにくいなど、引っ越しをスムーズに行うことができるでしょう。平日の引っ越しはメリットが多いので、ぜひ検討してみてください。
引っ越しにおすすめの時期は「閑散期」
引っ越しにおすすめの時期は、引っ越し業者への依頼が少ない閑散期です。
引っ越し費用が安い、希望日に予約がとりやすいなど、閑散期にはさまざまなメリットがあります。ただし、選べる物件が少ないといったデメリットもあるので、良い点と悪い点をそれぞれ把握することが大切です。
次項では、閑散期に引っ越しするメリットとデメリットをそれぞれ解説します。引っ越し時期で迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
閑散期に引っ越しするメリット
最大のメリットは、引っ越し費用が安くすむことでしょう。依頼が少ない分、料金を下げてでも依頼を増やそうとする引っ越し業者は多いです。
また、賃貸物件のオーナーとしては空室の状況を長引かせたくないので、家賃や初期費用などの価格交渉にも応じやすい時期でもあります。少しでも引っ越し費用を抑えたい方に、閑散期はおすすめです。
料金以外でも、希望日程で引っ越しができる可能性が高いといった利点があります。スケジュール調整しやすい点もメリットと言えるでしょう。
閑散期に引っ越しするデメリット
閑散期に引っ越しをするデメリットとして、物件を見つけにくいことが挙げられます。日当たりが良い物件や立地が良い物件など、条件の良い物件は繁忙期に埋まってしまうことが多いです。
そもそも貸し出している物件数が少なく、料金がどれだけ安くても、住みたい家がなければ引っ越せません。閑散期の引っ越しは、物件選びには苦労するでしょう。
もし、住みたいと思える物件が見つかったら、すぐに行動に移すことが大切です。
繁忙期の引っ越しはお金がかかる
本記事では、繁忙期の引っ越しについてや料金相場、安くする方法などについて解説しました。
繁忙期の引っ越しは、引っ越し料金が高く設定されており、お金がかかります。料金相場を参考にしながら、安くする方法を活用して、できる限り費用を抑えましょう。
また、閑散期の引っ越しについても紹介しました。メリットが大きいので、引っ越し時期をずらせる方は、ぜひ閑散期の引っ越しを検討してみてください。