美しい輝きを放つダイヤモンドは、婚約指輪や結婚指輪に使われることが多い宝石です。せっかく誰かにプレゼントするなら、ダイヤモンドが持つ意味までしっかりと理解しておきたいですよね。
この記事では、一般的な無色のダイヤモンドから色つきのカラーダイヤモンドまで、それぞれの石言葉を紹介します。
さらに、ダイヤモンドを評価する「4C」基準や、ブライダルリングが買えるジュエリーブランドなど、ダイヤモンド選びに必要な情報も総合的に解説。大切な人へダイヤモンドのプレゼントを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ダイヤモンドの特徴
ダイヤモンドは炭素でできた宝石です。自然界にある物質のなかでもトップクラスに硬く、希少性も高いことから「宝石の王様」と呼ばれています。
一般的なダイヤモンドが無色透明なのは、炭素という単一の元素のみで構成されているためです。生成過程で不純物が混ざると、赤や青などに色づくことがあり、これらはカラーダイヤモンドと呼ばれます。
また、光の屈折率の高さもダイヤモンドの大きな特徴です。ダイヤモンドに入った光が鋭く折れ曲がって内部で反射を繰り返すことで、あの美しい輝きが生み出されています。
語源と歴史
ダイヤモンドの語源は、「征服できない」「無敵の」といった意味を持つ、古代ギリシア語の「adamas(アダマス)」と言われています。
紀元前4世紀にインドで発見されてから取引されるようになったものの、そのあまりの硬さに研磨や加工ができず、現在のような美しい宝石としての価値は見いだされていませんでした。
しかし、15世紀に入り「ダイヤモンドを使えば、ダイヤモンドが研磨できる」ことが発見されます。その後、現在も用いられる「ブリリアント・カット」など、ダイヤモンドの美しさを引き出すさまざまな加工技術が生まれ、宝石の王様としての地位を確立していきました。
主な産地
ダイヤモンドは現在、世界の20カ国以上で採掘されています。なかでも下記の国は、産出量が多いことで有名です。
- ロシア
- ボツワナ
- カナダ
- オーストラリア
- コンゴ
など
ダイヤモンドと言えば、アフリカのイメージが強いかもしれませんが、実は産出量1位はロシアです。もう10年以上もトップを走り続けており、世界で採れるダイヤモンドのうち25%程度をロシアが占めています。
ダイヤモンドにまつわる神話
世界一硬いダイヤモンドには、古代より特別な意味が与えられてきました。
たとえば、古代ギリシア人やローマ人は、ダイヤモンドを「神々の涙」や「天から降ってきた星のけから」として崇めていたと言います。「天災や災難から人々を守る力」がある特別な石だと考えられていたのです。
ダイヤモンドの研磨技術が発達し、宝石として広く流通するまで、この流れは続きます。中世においても、ダイヤモンドは悪魔を追い払う力を持つ「魔よけの石」として、お守りに使われていました。
ダイヤモンドの評価基準「4C」
ひと口にダイヤモンドと言っても、大きさや色などは個体によってさまざまです。
そんな千差万別のダイヤモンドの価値を判断する統一の基準が「4C」であり、「カット」「カラー」「カラット」「クラリティ」の頭文字から名づけられました。それぞれの意味や評価の基準について解説します。
Cut(カット)
ダイヤモンドの輝きの美しさは、カッティングによって大きく変わります。そのプロポーション(全体のバランス)を評価する基準が「Cut(カット)」であり、4Cのなかで唯一、人間が技術的に関与できる項目です。
- Excellent(エクセレント)
- Very Good(ベリーグッド)
- Good(グッド)
- Fair(フェア)
- Poor (プア)
評価は上記の5段階に分けられています。誰かにプレゼントするなら「Very Good」以上のダイヤモンドを選べば、その輝きに満足してくれるでしょう。
さらに、プロポーションに加えてカットの対称性、研磨の仕上がりの3つすべてがExcellentの評価を受けたものは「トリプルエクセレント」と呼ばれています。これは、婚約指輪などの特別なジュエリーに選ばれることが多いです。
Color(カラー)
「Color(カラー)」はダイヤモンドの色を評価する基準で、D~Zまでの23段階に分けられます。完全に無色透明のDを最高ランクとし、黄味が強くなるほどZへと評価が下がっていく仕組みです。
ダイヤモンドが黄色くなるのは、生成過程で窒素という不純物が混ざることが原因で、窒素の含有量が増えるほど黄味が強くなります。
「純粋無垢」といったイメージが連想できるため、婚約指輪にはD・E・F(無色)かG・H・I・J(ほぼ無色)のダイヤモンドがおすすめです。
Carat(カラット)
「Carat(カラット)」はダイヤの重さ(大きさ)を測る基準で、1カラットの重量は約0.2gです。目で見て違いが分かりやすい項目であり、ダイヤモンドを購入するときに気にする人も多いのではないでしょうか。
婚約指輪に選ばれることが多いのは0.2~0.4カラットで、一般的な「ラウンド・ブリリアントカット」の場合、その大きさは3.8~4.8mmほどです。
ちなみに世界最大のダイヤモンドの原石「カリナン」のカラット数は、3,106カラット(約612g)で、現在の価値で2,000億円以上するとも言われています。
Clarity(クラリティ)
「Clarity(クラリティ)」はダイヤモンドの透明度を測る基準です。ダイヤモンドに傷がついていたり、内包物が入っていたりするとクラリティが下がります。
ランク | 意味 |
---|---|
FL(Flawless) | 内外部無欠点 |
IF(Internally Flawless) | 内部無欠点 |
VVS(Very Very Slightly Included) | ごくごくわずかな内包物 |
VS(Very Slightly Included) | ごくわずかな内包物 |
SI(Slightly Included) | わずかな内包物 |
I(Included) | 欠陥 |
上記の6つのカテゴリーから、「VS1、VS2」のようにさらに小カテゴリ―に分かれ、合計11段階のランクで評価されます。VS以上のランクだと、一般人は顕微鏡を使っても傷や内包物を見つけられません。普段使いで気になることはまずないと言ってよいでしょう。
【カラー別】ダイヤモンドの石言葉
無色のダイヤモンドには「永遠の愛」「純潔」といった石言葉がある一方、カラーダイヤモンドにはそれぞれの色によって異なる意味や祈りが込められています。
レッドダイヤモンドやブルーダイヤモンドなど、珍しいカラーダイヤモンドの石言葉も幅広く紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ピンクダイヤモンド
ピンクダイヤモンドの石言葉は「完全無欠の愛」「最終決定」です。パートナーにピンクダイヤモンドを贈ることで、「永遠の愛を捧げる」という覚悟を伝えられるため、婚約指輪や結婚指輪にはぴったりな宝石と言えるでしょう。
ただし、希少性の高さゆえに価格も高く、0.1カラットの小さなサイズでも50万円ほどの価格で販売されています。
レッドダイヤモンド
血や炎を連想させる鮮やかな赤色のレッドダイヤモンド。「永遠の命」という石言葉を持ち、肉体と精神のパワーを高める宝石とされています。
すべてのカラーダイヤモンドのなかで産出量がもっとも少なく、その希少性の高さから「幻のダイヤモンド」と呼ばれるほどです。1カラットで数千万~数億円の値がつくこともあり、一般の人が手に入れることはむずかしいでしょう。
イエローダイヤモンド
イエローダイヤモンドの石言葉は「自信」「富」「神々しさ」です。古来よりイエローは富や財宝の象徴とされてきた色であり、イエローダイヤモンドを身につければ金運がアップすると言われています。
カラーダイヤモンドのなかでは比較的産出量が多く、ピアスやネックレスなどのアクセサリーにも幅広く用いられている宝石です。
グリーンダイヤモンド
グリーンダイヤモンドの石言葉は「恵み」「回復」「再生」です。緑色が自然や大地を連想させることから、この意味がついたと予想できます。身につけた人に健康や安らぎを与える宝石とされており、大切な人への贈り物にぴったりです。
ほかのカラーダイヤモンドは炭素に不純物が混ざることで色がつく一方で、グリーンダイヤモンドはダイヤモンドの表面に放射線が何千年とあたり続けたために緑色になったという違いがあります。
ブルーダイヤモンド
ブルーダイヤモンドは幸福を呼び寄せる守護石として知られ、石言葉は「永遠の幸せ」「幸福を願う」です。
結婚式での幸せを願うおまじないとして、聖母マリアを象徴する“青色”を新婦が身につける「サムシングブルー」という慣習があります。このサムシングブルーのアイテムとして、ブルーダイヤモンドを結婚指輪の内側にあしらうというケースが人気です。
ブラウンダイヤモンド
ブラウンダイヤモンドの茶色の輝きは大地を表すとされ、物事に動じない精神力を持ち主に与えると言われています。石言葉は「カリスマ性」「威厳」です。
また、その落ち着いた色合いが肌によく馴染み、女性の魅力を引き立てることから「艶やかさ」「セクシーさ」の象徴としても扱われています。
ブラックダイヤモンド
ブラックダイヤモンドの石言葉は「格をあげる」「成功」「不屈」です。持つ人を成功へと導く宝石とされ、これからビジネスを始める人など、何かに挑戦する人に向いています。
ブラックダイヤモンドは、もともと工業用に使用されていた鉱物です。しかし、近年はそのクールな見た目から男性のファッションアイテムとしても人気が高まり、宝石としての地位を確立しています。
ダイヤモンドに秘められた意味・効果
非常に高い硬度を誇りながら、永遠の美しい輝きを放つダイヤモンド。ここでは、そんな特別な宝石であるダイヤモンドに秘められた意味や効果を紹介します。
ダイヤモンドのさらなる魅力を知れる内容なので、ぜひ最後まで読んでみてください。
婚約・結婚指輪にダイヤモンドを選ぶ意味
すでに紹介した通り、ダイヤモンドの石言葉は「永遠の愛」です。婚約・結婚指輪としてダイヤモンドをパートナーに贈れば、「あなたを一生愛し続ける」という特別なメッセージを伝えられます。
ダイヤモンドは経年劣化しない宝石であり、どれだけ時間が経っても色が変わったり、輝きが失われたりすることはありません。永遠に美しく輝くその姿は、「生涯が輝きで満ちた人生になるように」との願いを込めるのにぴったりの宝石と言えるでしょう。
結婚60年目の「ダイヤモンド婚式」
結婚60年目の夫婦を祝う行事として「ダイヤモンド婚式」というものがあります。60年という非常に長い年月を共に歩んできたふたりの絆の固さを、自然界でトップクラスに硬い物質であるダイヤモンドに例えているのです。
結婚60年ともなると、多くの夫婦が80~90代を迎えているため、夫婦の絆だけでなく、ふたりの長寿をお祝いするという意味もあります。ダイヤモンド婚式に決まった形式はありませんが、子や孫からお祝いの品を贈ることが一般的です。
スピリチュアルな意味もある
ダイヤモンドは、パワーストーンのなかでも最強と評される宝石です。「可能性を最大限に引き出す」「願いが叶う」といったスピリチュアルな意味を持ち、身につけることで持ち主の内なるパワーを引き出すと言われています。
また、ダイヤモンドは古来より「魔よけの石」として崇められてきました。持ち主にふりかかる災難や悪運を振り払い、恋愛運や金運などの運気をアップさせる効果もあるとされるため、普段からアクセサリーとして身につけることもおすすめです。
ダイヤモンドの人気ジュエリーブランド5選
ダイヤモンドを取り扱う人気のジュエリーブランドを紹介します。
世界5大ジュエラーに名を連ねる海外有名ブランドから、日本生まれのブランドまで幅広く紹介するので、ダイヤモンドの購入を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
4℃(ヨンドシー)
「4℃(ヨンドシー)」は、1972年に原宿で誕生したジュエリーブランドです。ピアスやネックレス、ブレスレットなど、洗練されたおしゃれなデザインのアクセサリーを多数販売。
ジュエリーブランドのなかでは、比較的手の届きやすい価格の商品が多く、若い世代の女性やカップルから支持されています。
種類 | 価格帯 |
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婚約指輪 | 約15万~44万円 |
結婚指輪 | 約7万~27万円 |
銀座ダイヤモンドシライシ
「銀座ダイヤモンドシライシ」は、日本企業としては初めてのブライダルジュエリー専門店です。会社名の通り銀座に本店を置き、日本全国に店舗を展開。着け心地にもこだわった美しいデザインのブライダルリングを販売しています。
利用者の人生に寄り添うことをモットーに丁寧な接客を行い、創業以来100万組に利用された実績を持つ、安心と信頼のジュエリーブランドです。
種類 | 価格帯 |
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婚約指輪 | 約18万~50万円 |
結婚指輪 | 約8万~44万円 |
出典:婚約指輪|銀座ダイヤモンドシライシ、結婚指輪|銀座ダイヤモンドシライシ
Tiffany&Co.(ティファニー)
世界5大ジュエラーの一角である「 Tiffany&Co.(ティファニー)」。比較的安価なシルバージュエリーから、大粒のダイヤモンドを使用した高級ブライダルリングまで、さまざまな種類・価格帯のジュエリーを取り扱うブランドです。
ティファニーに在籍するダイヤモンドの研磨職人たちは、世界のなかでもトップクラスの実力を誇り、その研磨技術によりダイヤモンドの美しさを最大限に引き出しています。
種類 | 価格帯 |
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婚約指輪 | 約23万円~ |
結婚指輪 | 約10万~300万円 |
Cartier(カルティエ)
「Cartier(カルティエ)」は、フランスの高級宝飾品ブランドです。1847年の創業以来、世界中の王族や貴族から愛されてきた格式高いブランドであり、ティファニーと同じ5大ジュエラーのひとつに数えられます。
カルティエと言えば、パンテール(フランス語で「豹」)が特徴です。1914年に初めて登場して以来、リングやネックレスなどさまざまなジュエリーでモチーフとして採用されています。
種類 | 価格帯 |
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婚約指輪 | 約44万円~ |
結婚指輪 | 約11万~300万円 |
I-PRIMO(アイプリモ)
「 I-PRIMO(アイプリモ)」は日本のブライダルリング専門店です。日本人好みのシンプルで派手過ぎないリングを数多く販売しており、結婚指輪のデザインは100種類以上。
ブライダルリング専門店としては国内トップクラスの店舗数を誇り、日本全国に店舗を展開しています。
種類 | 価格帯 |
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婚約指輪 | 約13万~190万円 |
結婚指輪 | 約6万~48万円 |
ダイヤモンドの魅力を知り、大切な人へ贈ろう
その輝きの美しさや希少性の高さから、宝石のなかでも特別な存在であるダイヤモンド。「永遠の愛」という石言葉を持ち、結婚指輪や婚約指輪に向いている宝石です。
ダイヤモンドの色が変わると石言葉も変わるので、プレゼントする相手や目的に合わせてカラーダイヤモンドを選ぶのもよいでしょう。
また、ダイヤモンドを用いたブライダルリングは、ジュエリーブランドによって価格やデザインが異なります。ダイヤモンドの共通の評価基準である「4C」を理解したうえで、いろいろなブランドの商品を比較してみてください。