サステナブルについて関心が高まる昨今において、具体的にどのような取り組みを意味するのか、気になりますよね。
近年、さまざまな業界や媒体で「サステナブル◯◯」「持続可能な◯◯」といった言葉を目にする機会が増えつつあります。地球環境や働き方などに焦点を置いた取り組みが行われているようです。
ただ、人々の暮らしに配慮した取り組みすべてが「サステナブル◯◯」に該当するとは限りません。似たような言葉である「SDGs」や「エコロジー」とは、また異なる内容も含んでいます。
この記事を読むことで、サステナブルの意味について理解が深まり、すぐに実践できるサステナブルな行動を私生活に取り入れられるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
サステナブルは、英語の「sustain＝持続する」と「able＝できる」を組み合わせた言葉で、「持続可能な」という意味をもっています。
地球環境にやさしい取り組みを行うことで、「サステナブルな社会」を目指している昨今ですが、「SDGs」や「エコロジー」とは何が違うのでしょうか？
ここではそれぞれ違いを解説します。
SDGsは、将来にわたってより良い世界を目指すために採択された「持続可能な開発目標」です。
地球環境や経済、ジェンダー、貧困など世界中のさまざまな課題を解決すべく、全17の目標の達成を志しています。
こうしたSDGsにおいて欠くことのできない重要要素の1つが、サステナブルを意識した取り組みといえるでしょう。
エコロジーは、主に地球環境問題に着目したもの。できるかぎり自然や環境に与える影響を減らすことで、地球保護を目指しています。
エコロジーによって地球を守ろうとする試みは、持続可能な社会、つまりサステナブルな社会にもつながるでしょう。
サステナブル、SDGs、エコロジーは少しずつ意味合いは異なるものの、より良い社会を目指すという面では共通した言葉だといえます。
サステナブルな社会とは、自然環境や資源を保全し、この先もずっと平和で美しい地球のもと、豊かな暮らしを持続していける社会のことです。
これまでの無計画な資源の大量消費や人口の増加、環境に配慮のない行動によって、私たちは深刻な資源・食糧不足、地球温暖化などの危機に陥っています。
このままでは地球の未来が危ぶまれるとして、サステナブルな取り組みが重要視されるようになりました。
サステナブルを意識した取り組みを実施することで、私たちの生活においてもプラスの効果がもたらされます。
- 生活の利便性が向上する
- インフラの整備が簡単になる
どんなメリットが与えられるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビジネスの場においては、エンゲージメントが高まることが期待されます。
従業員の会社に対する「信頼」や「愛着心」が強くなることによって、離職率の低下につながるでしょう。
また、従業員たちのモチベーションが上がり、熱心に仕事に取り組むようになることで、生産性がアップする効果も見込めるといえます。
社内のインフラ整備には、円滑に会社運営を進めるほか、従業員一人ひとりが自分らしく働ける環境の整備も含まれます。
持続可能な産業化や経済成長を目指す取り組みは、SDGsでも掲げられている目標の1つです。
さらにそのなかで推進されている生産的な完全雇用や、「ディーセント・ワーク」と呼ばれる働きがいのある人間らしい仕事の促進も達成しやすくなるでしょう。
メリットがある一方で、いくつかマイナス要素が発生する可能性も否定できません。
サステナブルな取り組みには、どんなデメリットがあるのでしょうか。
- 不動産の価格が高騰する
- 近隣トラブルが悪化する
予想されるデメリットを2つピックアップして解説します。
生活の利便性が上がるなか、より便利さを求める人たちが一定のエリアに集中しやすくなります。人口が集中することで強い経済力が生まれたり、教育や雇用環境が充実したりと、いい面もあるでしょう。
しかし不動産に関しては、価格が高騰することが懸念されます。一般庶民には手の届きにくいような高額物件が増え、著明な地域格差が生じるリスクも回避していかなければなりません。
人口の集中が引き起こす問題として、他にも考えられるのが「近隣トラブルの悪化」です。
建築物が増え、住宅が密集することによって、近隣との距離が近くなります。すると、これまで以上に生活音やペット・タバコの臭いなどへの不満が増加するでしょう。
さらに昨今はリモートワークの導入やコロナ禍の影響でおうち時間も増えているため、より近隣トラブルの悪化が危惧されます。
実際にサステナブルを取り入れた試みとして、以下の例が挙げられます。
- ファッション
- リフォーム
- 食品
- 投資
さまざまな分野において、地球にやさしい工夫は凝らされているものの、まだまだ馴染みが深くないのが現状です。
各分野の仕組みを解説するので、今後ぜひ意識してみてください。
「サステナブルファッション」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
これは衣類の生産〜廃棄までの過程において、持続可能であることを目指したファッションのことをいいます。
衣類の大量生産・大量破棄による環境への悪影響を軽減するために、長く着てもらえるような服作りや、不要となった服を回収・リサイクルする取り組みが進められています。
築年数が経った家を取り壊すことなく、リフォームして住み継いでいくことで、地球保全に貢献しています。
サステナブルな住まいは、「省CO2・節電・エコマテリアル」といった環境への配慮だけではありません。
「ヒートアイランド抑制」「安全・快適・長寿性の確保」など生活面への配慮もなされ、私たちの生活をより豊かなものへと導いています。
サステナブルは食材・食品作りにも取り入れられています。
例えばよく耳にするオーガニック食材は、地球にダメージを与えるような農薬などを使わず、自然にあるものだけで育てられた食材です。
また最近注目を集めている「大豆ミート」もサステナブル食品の1つ。代替肉として利用することで家畜の数を減らし、畜産に消費する資源や、環境に影響を及ぼす排出ガスの削減が可能となっています。
環境・社会・企業統治に焦点を当てたサステナブルな投資方法は「ESG投資」と呼ばれています。
これは地球環境にやさしい事業や、将来まで持続できる循環型サービスの提供を行っている企業への投資を意味します。
投資という形でこうした企業の取り組みをバックアップすることで、持続可能な社会への貢献に繋がるといえるでしょう。
サステナブルな社会のためには、少しでも多くの人が意識し、実際に行動することが大切です。
- 節水・節電
- フードロスを減らす
- ペーパーレスへの貢献
- 公共交通機関を利用する
今からでも実践できる4つの行動とメリットをご紹介するので、まずはできることから始めてみましょう。
下水処理や浄化処理では膨大な電力を消費するため、水を使うことは同時に電気を使うことにもなります。
電気エネルギーの生産時には、地球温暖化の原因となるCO2が発生。水や電気を無駄遣いすると、その分CO2が大量発生し、より温暖化に拍車をかけてしまいます。
そのため節水・節電を心がけて、CO2を削減しましょう。
まだ食べられるのに捨てられてしまう食品は、年間で約600万トンにものぼります。
このままの勢いでフードロスが続いていくと、将来的に食糧不足となったり、大量のゴミ焼却で発生するCO2によって地球温暖化を助長したりする事態に。
一人ひとりがフードロスを減らす意識をもち、必要以上に買わない・捨てない・使い切る工夫をすることが大切です。
紙の原料となる森林の伐採は、地球上のCO2量の増加に繋がります。地球保護のために、ぜひペーパーレス化を心がけましょう。
たとえばクレジットカードや公共料金の明細をweb上で管理したり、雑誌や小説をオンライン上で読んだりと、私生活でもできる工夫はあります。
できるだけ紙を使わずに済むように意識してみてくださいね。
自動車に使われるガソリンは、燃料で消費されるとCO2として排出されます。個々人が自動車を使えば、その数だけCO2量が増えることになりますよね。
なるべく電車やバスなどの公共交通機関を利用することで、結果としてCO2の削減に繋がります。
このように、交通手段を変えるだけでも地球環境を守る行動となるのです。
私たちの生活は、私たち自身で守っていかなければなりません。
サステナブルを意識することは、地球環境を守り、経済を潤して生活を豊かにし、誰もが生きやすい社会を作り出すこと。
それは難しいことばかりではなく、本記事でご紹介したような、今からでも始められる簡単なことも多々あります。
大切なのは、行動に移すことです。一人ひとりが意識高く行動すれば、きっとすべての人が幸せであり続けられる未来が待っているでしょう。
