肌の状態を美しく保つために欠かせないスキンケア。「普段何気なく行っているけれど、このスキンケアの順番は正しいのかな」と不安に思っている方もいるでしょう。
実際、スキンケアの順番はとても重要で、正しく行わないとスキンケアアイテムの効果が薄まってしまったり、肌トラブルの原因になってしまったりする場合があります。
また、スキンケアの目的は朝と夜で違うため、それぞれの目的に応じたスキンケアアイテムを使用する必要もあるでしょう。
本記事では、スキンケアの正しい順番について、具体例を交えながらご紹介します。肌荒れに悩んでいる方や、今のスキンケア方法に不安を抱いている方は、ぜひ本記事を参考にスキンケアを行ってみてくださいね。
スキンケアの順番に関する5つのポイント
ここでは、スキンケアの順番に関する次の5つのポイントについて詳しく解説します。
- 時間をかけすぎない
- 肌を強くこすらない
- たっぷりと保湿する
- 水分が多い(油分が少ない)アイテムから使う
- 季節に合ったアイテムを使う
これらのポイントをしっかり押さえ、正しいスキンケアを行いましょう。
1. 時間をかけすぎない
クレンジングオイルや洗顔料でしっかりと顔の汚れを落とそうとすると、毛穴汚れや皮脂が落ちているのか心配で、どうしても長く時間をかけてしまいがち。しかしあまり時間を掛け過ぎると、肌を痛めてしまう可能性があります。
スキンケアは手際良く、5~10分程度で終えるようにしましょう。
2. 肌を強くこすらない
顔を洗うときや化粧水などをつける際、力を入れすぎないことが重要です。
強くこすりすぎると肌に摩擦の刺激が加わってしまい、赤みや乾燥肌の原因になることがあります。
- 洗顔をするときは洗顔料をしっかり泡立てて、泡で顔全体を丁寧に洗う
- 化粧水や美容液などを肌につけるときは、手のひら全体にのばしてから顔全体に優しくなじませる
などの点に注意し、スキンケアを行うようにしましょう。
3. たっぷりと保湿する
乾燥は、赤みやかゆみなどの肌トラブルを引き起こします。また、紫外線などの外部刺激は肌の潤いを守る保護膜を酸化させるため、シワやたるみの原因に。
美容液・乳液などを用いてたっぷり保湿し、乾燥や紫外線から肌を守りましょう。
4. 水分が多い(油分が少ない)アイテムから使う
スキンケアでは化粧水や乳液など複数のアイテムを使用しますが、油分が多いものをはじめに使うと、油分が肌を覆う膜のようになり、水分を吸収できなくなってしまいます。
水分を肌にしっかり浸透させるためにも、油分の少ない順に、化粧水→美容液→乳液・クリーム→日焼け止めの順番でスキンケアするようにしましょう。
5. 季節に合ったアイテムを使う
暑くて紫外線の強い夏、寒くて乾燥しやすい冬など、季節によって肌の状態はも変化します。
普段あまり肌荒れはしないけれど、乾燥する冬だけ肌の調子が悪くなるという方もいるのではないでしょうか。
夏はUVケアのできるアイテム、冬は保湿力の高いアイテムを取り入れるなど、季節に合ったアイテムを使うことが大切です。
朝のスキンケアの目的とは
朝は、これから始まる一日の活動に備えたスキンケアをする必要があります。次の3つの目的を踏まえたうえで、正しいスキンケアを行いましょう。
- 汚れを落として保湿する
- 外部の刺激から守る
- メイク崩れを防ぐ
汚れを落として保湿する
朝の肌は汚れているイメージが少ないので、水だけの洗顔で済ませるという方もいるでしょう。しかし、眠っている間にかいた汗や皮脂で、私たちの肌は意外に汚れています。
化粧水などのスキンケアアイテムの美容成分をしっかり肌に浸透させるためにも、洗顔料を使い洗顔を行い、皮脂汚れを落としましょう。
汚れを落とし素肌の状態を整えたあとは、保湿を行うことが大事です。日中のさまざまな刺激から肌を守るためにも、保湿で潤いを補給しておきましょう。
外部の刺激から守る
日中の活動では、紫外線や空気中のちりやほこり、乾燥などで外部からたくさんの刺激を受けます。このような刺激は、シワやたるみの原因になったり、肌のバリア機能を低下させたりします。
肌のバリア機能とは、皮膚の一番外側にある角質層のなかに備わっている機能のこと。肌の潤いを保ち、外部刺激から肌を守る役割を果たします。
肌は、とくに外部の刺激を受けやすい場所。保湿や紫外線対策でバリア機能をしっかり働かせ、刺激から肌を守りましょう。
メイク崩れを防ぐ
メイク崩れは、油分の過剰分泌と乾燥が原因で起こります。朝のスキンケアをしっかりすることで、メイク崩れしにくい肌を作れますよ。
洗顔料を使い、眠っている間に溜まった皮脂汚れを落としたうえで、スキンケアアイテムをしっかりなじませましょう。
とくに夏の暑い時期などは汗をかきやすくメイク崩れしやすいので、油分の多い乳液やクリームを使わず、さらっとした軽めのスキンケアアイテムを選ぶと効果的です。
朝の正しいスキンケアの順番
朝のスキンケアの順番は以下のとおりです。
- 洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液・クリーム
- 日焼け止め
朝はとくに時間がなくスキンケアをおろそかにしてしまいがちですが、順番をしっかり守り、正しいスキンケアをしましょう。
1. 洗顔
前述の通り、眠っている間に分泌された皮脂や汗、空気中のホコリなどで肌の汚れは溜まっています。それらを洗い流すために、しっかりと洗顔を行うことが大事です。
洗顔をする際は、洗顔料をよく泡立てて、肌に指があたらないように泡をクッションにして優しく洗うようにしましょう。
すすぎの際は、冷たい水で洗うと毛穴が閉じて汚れが排出されにくくなってしまうため、ぬるま湯で行うようにしてください。
2. 化粧水
化粧水の主な役割は肌に水分を与えることですが、肌のキメを整え、コンディションを維持することで、次につけるスキンケアアイテムの浸透率を高める効果もあります。
洗顔後の肌は、とてもデリケートな状態です。化粧水を使いしっかり肌に水分を浸透させ、肌を整えましょう。
3. 美容液
美容液は、肌特有の悩みに働きかけるスキンケアアイテムです。
乾燥肌の方ならバリア機能を高めるもの、美白効果がほしい方はビタミンCが多く配合されたものなど、自分の肌の悩みにあった美容液を選びましょう。
4. 乳液・クリーム
乳液・クリームは、化粧水や美容液で肌に与えた潤いを閉じ込める役割を果たします。つまり、スキンケアの仕上げと言えるでしょう。
乳液とクリームを両方使用しても問題ありませんが、クリームのほうが乳液よりも油分を多く含むため、併用する際は乳液→クリームの順番で使ってください。
5. 日焼け止め
朝のスキンケアの最後は、日焼け止めです。日差しが強い晴れの日はもちろん、曇りの日でも紫外線は多く降り注いでいるため、スキンケアに日焼け止めは欠かせません。
紫外線はシワ・たるみなどの原因になります。UV対策はしっかり行いましょう。
夜のスキンケアの目的とは
夜は、日中の活動で溜まった汚れやメイクを落とすことに重点を置いたスキンケアを行う必要があります。また、ダメージを受けた肌をケアすることも大事でしょう。
次の3つの目的を踏まえたうえで、正しいスキンケアを行ってください。
- 汚れを落として保湿する
- 外部の刺激から守る
- メイク崩れを防ぐ
メイクをキレイに落とす
夜のスキンケアでは、メイクをしっかりと落とすことが重要です。メイクを落とさないままだと、毛穴が詰まってニキビや黒ずみなどの肌トラブルを引き起こす原因になりかねません。
また、日中の活動を終えた夜の肌は、花粉やほこりなどで思った以上に汚れています。ご自身に合ったクレンジングを使い、メイクとともに一日の汚れをしっかり落としましょう。
刺激を受けた肌をケアする
日中の活動で、紫外線や花粉など肌はさまざまな刺激を受けます。それらの刺激により疲れやストレスが溜まった肌をケアしてあげることも、大事なポイントです。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されるため、夜のダメージケアをしっかりしてあげることで翌日の肌の状態は変わります。
夜用のクリームなどでしっかりケアし、翌日の活動に備えましょう。
保湿で肌の水分を守る
寝ている間にも、乾燥により肌の水分は失われます。朝のスキンケア用品と使い分け、保湿力の高いアイテムでしっかり保湿しましょう。
乳液やクリームを使用する際は、適量を取って体温で温めてから顔全体になじませるようにすると、肌によく浸透します。冬など乾燥しやすい季節は、パックを併用してもよいでしょう。
夜の正しいスキンケアの順番
夜のスキンケアの順番は以下のとおりです。
- クレンジング
- 洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液・クリーム
夜は、一日の汚れを落とし、肌を回復させるためのスキンケアが必要です。順番をしっかり守り、正しいスキンケアをしましょう。
1. クレンジング
まずは、メイクや日焼け止めなどをクレンジングで落としましょう。
クレンジングは、オイルタイプ・ジェルタイプなどさまざまな種類がありますが、体調や季節によっても肌の状態は変化するため、肌の状況に合わせて選ぶことが大事です。
クレンジングは、長くても2分以内には終わらせるようにしましょう。クレンジング剤には界面活性剤が含まれているため、長く肌につけた状態にしておくと、肌への刺激となってしまい、肌トラブルの原因になりかねません。
すすぎ残しがないように、小鼻の周辺などぬるま湯でしっかり洗い流しましょう。
2. 洗顔
クレンジングのあとは、洗顔をしましょう。洗顔料はフォームタイプや固形石鹸タイプなどさまざまなものがあるので、ご自身の肌の状態に合ったものを使用してください。
また、クレンジング後の肌に洗顔の摩擦が加わると、乾燥肌になってしまう可能性があります。洗顔の際は、肌をこすらないように優しく洗うことがポイントです。
3. 化粧水
クレンジング・洗顔後、肌はデリケートな状態になっているため、保湿せずに時間をおくと乾燥につながってしまいます。化粧水で肌に水分を与えることで、乾燥を防ぎましょう。
化粧水は、朝と夜で同じものを使用しても問題ありません。メイク崩れが気になるという場合は、朝はさっぱりしたタイプの化粧水を使い、夜は保湿力の高いものを使うなどの使い分けをしてみてもよいでしょう。
4. 美容液
化粧水のあとは美容液を使い、肌の悩みに応じたスキンケアを行いましょう。
睡眠中は肌が修復される大事な時間なので、美容液で集中的にケアすることで翌日の肌の状態は変わってきます。美容成分が多く配合された、夜用の美容液を使用してみてもいいかもしれません。
ただし、夜用美容液は日光に当たると化学反応を起こし、本来の効果を発揮できない成分が含まれている場合もあるため、朝と夜で使い分けるのがベターです。
5. 乳液・クリーム
最後は、乳液・クリームで潤いを閉じ込めます。
夜はメイク崩れを気にする必要はないため、油分の多いものを使うなど、朝と使い分けてみてもよいでしょう。乾燥しやすい時期などはとくに、乳液・クリームを上手に使うことで翌日のメイクのりもよくなります。
番外編|時短でお手入れができるスキンケア方法
忙しい毎日のなかで、スキンケアの時間を確保するのがなかなか難しいという方もいるでしょう。そのような方は、次の2つの時短スキンケアアイテムを活用するのがおすすめです。
- うるおいキープ重視のアイテム
- オールインワンアイテム
うるおいキープ重視のアイテム
肌は、20代後半から水分量が少しずつ減っていき、油分と水分のバランスが崩れやすくなると言われています。乾燥すると肌はダメージを受けやすくなってしまうため、肌のうるおいをキープすることが大切です。
といっても、仕事や育児などで毎日忙しいなか、肌が乾燥するたび保湿する時間はないですよね。
そんなときは、保湿力が長く続くタイプのスキンケアアイテムを使いましょう。例えばヒアルロン酸やコラーゲンは水分保持能力が高いため、これらが多く配合されているアイテムを使えば、1回の塗布でうるおいを長く保つことができます。
オールインワンアイテム
ここまで、正しいスキンケアの使用順についてご紹介してきましたが、それらの過程を1回で終わらせられるのがオールインワンアイテムです。
オールインワンアイテムは、一度に水分・油分・美容成分すべてを肌に与えることができるため、時間がない方や、スキンケアアイテムを全部そろえるのが面倒な方におすすめ。
ただし、肌質に合わせた細かな調整をすることは難しく、敏感肌の方は乾燥や肌荒れを引き起こす可能性があるので注意しましょう。
スキンケアの順番についてよくある質問
化粧水や美容液、乳液など基本的なスキンケアアイテム以外にも、ブースターやパックなど、必要に応じて使用したほうがスキンケア効果を高められるアイテムが存在します。
ここでは、これらのアイテムの使用タイミングについてご紹介。
- ブースターを使用するタイミングは?
- パックを使用するタイミングは?
ブースターを使用するタイミングは?
ブースターとは導入美容液のことで、基本的には洗顔後、化粧水をつける前に肌に塗布します。
ブースターをつけることで化粧水の浸透率が上がり、その後塗布するスキンケアアイテムの効果を高めることができます。
ブースターは、オイルタイプやエイジングケアタイプなどさまざまな種類があるので、ご自身の肌状況にあったものを必要に応じて使用しましょう。
パックを使用するタイミングは?
乾燥が気になる時期や、肌にうるおいが足りないと感じたときは、シートマスク(パック)がおすすめです。
洗顔後、化粧水で肌を整えたあと、美容液をつける前に使用しましょう。ただし、シートマスクに油分が多く含まれている場合は、美容液のあとに使用しても問題ありません。
シートマスクによって使用するタイミングが異なることもあるので、商品のパッケージに記載されている使用方法をしっかり確認しましょう。
スキンケアの順番を押さえて、健康的な肌を手に入れよう
本記事では、スキンケアの正しい順番やスキンケア方法の具体例などについて紹介しました。
スキンケアの順番はとても大事で、順番が間違っていると肌の乾燥を引き起こしやすくなったり、スキンケアアイテムの効果を十分に得られなかったりすることがあります。
化粧水で水分を補給し、美容液で肌に潤いを与え、乳液・クリームでしっかり保湿するという順番を守り、毎日のスキンケアを正しく行いましょう。