シンプルなライフスタイルが注目されている「ミニマリスト」。しかし実際に身近にミニマリストがいなければ、ミニマリストはどんな生活をしているのか、どんな考え方なのか知る機会はなかなかありませんよね。
ミニマリストの人たちは必要最低限のものに囲まれ、不必要なものを持たないこだわりのある暮らしを送っています。ミニマリストになることでストレスが減り、お金や時間を節約できるだけでなく、環境にも良い影響を与えることができます。
しかし、ミニマリストに憧れ「とにかく断捨離!処分!」と思ってしまうと、本当に必要なものも捨ててしまったり、生活が不便になってしまったりといったことになりかねません。
この記事ではミニマリストとは何か、特徴やメリット・デメリット、ミニマリストになるためのコツ、そしてミニマリストのものの選び方について紹介します。ぜひこの記事を読んでシンプルライフを取り入れてみてくださいね。
ミニマリストとは?
ミニマリストとは、必要最小限のもので生活する人のことです。言葉の由来は、「最小限の」という意味も持つ「minimal(ミニマル)」から来ています。自分にとって本当に必要なものや、大切だと思うものだけを選び、生活に取り入れているのです。
ミニマリストは、ものが少なくても精神的な豊かさを得られると考え、シンプルな暮らしを実現しています。このようなライフスタイルはさまざまなメリットが得られるため、近年注目を集めているようです。
ミニマリストの特徴
ミニマリストと言えば、ものが少ないシンプルな部屋での暮らしを想像する人が多いかもしれませんが、特徴はそれだけではありません。実は、日常生活やものに対する意識にも特徴が表れています。
ここでは主な特徴を3つ紹介しますので、それぞれ詳しく見てみましょう。
ものを減らすことで生活をシンプルにする
部屋がもので溢れていると、使いたいときにすぐに取り出せなかったり、片付けるスペースがなくなって部屋が散らかってしまったりすることがあります。
「はさみを使いたいのに、どこに置いたのか分からなくなった……」なんてことに心当たりがある人もいるのではないでしょうか。しかしミニマリストのシンプルな生活では、ものに対するストレスの軽減が期待できるのです。
ものが少ない部屋での生活は、片付けるスペースが十分に確保でき、部屋が散らかりにくくなります。その結果、使いたいものをすぐに取り出すことができるので、探し物をするために無駄な時間やエネルギーを使うことがなくなるでしょう。
このように、ものに対するストレスを減らし、精神的な豊かさを見出すことができます。
消費に対する意識が高く、無駄なものを買わない
ミニマリストは、ものを所有すること自体が幸福ではないと考えています。内面的な満足感や自己実現を大切にしているため、無駄なものを持たない工夫をしているのです。
ものを買う前には本当に必要かどうか考えたり、今持っているものを活用できないかアイデアを考えたりすることで、余計なものが増えるのを防ぎます。
このような消費に対する意識の高さは、ミニマリストの特徴と言えるでしょう。
必要最低限のものにこだわる
「必要最低限のものにこだわる」という考え方には、機能面とデザイン面の2つのメリットがあります。ひとつのアイテムで複数の用途に使えるものや、品質の高いものを選ぶことで、少ないアイテムでも十分に生活を送ることができるのです。
また、シンプルなデザインを選ぶことで部屋の見た目がスッキリとし、視覚的なストレスを軽減することができます。目の前のことにより集中しやすくなり、生産性の向上にもつながるでしょう。
ミニマリストの反対?「マキシマリスト」とは
マキシマリストとは、ものをたくさん所有することで幸福感を得る人のことです。ただ単にものが多いだけではなく、自分が好きなアイテムに囲まれたライフスタイルを追求しています。
ミニマリストと同様に、居心地の良い部屋で過ごすことを大切にしている点は共通していると言えるでしょう。
ミニマリストの暮らしのメリット
ものが少ない暮らしには、心身ともに健康で豊かな暮らしを送るためのヒントが詰まっています。自分にとって本当に必要なものだけで生活をすることで、精神的な豊かさや経済的なメリットを得ることができるのです。
ここではその主なメリットを5つ紹介しますので、参考にしてみてください。
ストレスが減り、心にゆとりが生まれる
ミニマリストになることで、心にゆとりを持つことができます。部屋の中にものが多いと片付けに時間をとられたり、散らかりやすくなったりしてストレスが溜まりがちです。
しかし、ものを最小限に抑えることで、掃除の時間や管理の手間を減らすことができます。自分がやりたいことに時間を使えるようになり、心にゆとりを持つことができるでしょう。
時間とお金の節約につながる
部屋にものが少ないと片付けたり探したりする手間を省くことができ、時間にゆとりが生まれます。必要なものだけで暮らす生活では広い部屋を必要としないため、家賃の節約にもつながるでしょう。
本当に必要なものだけを買うことで、衝動買いや浪費癖を抑え、無駄な出費を減らすこともできます。
生産性が上がる
必要最小限のもので生活をすることで、生産性の向上が期待できます。ものが多いと探す手間がかかったり、どれを選ぶか決めるのに時間がかかったりするため、仕事や勉強に集中しづらくなります。
しかしミニマリストの暮らしでは、ものに余計な時間を取られることがなくなるため、目の前のタスクを効率的に進めることができるのです。
自己理解が深まる
自分にとって不要なものを手放すことで、自分の嗜好や価値観が明確になります。例えば自分に似合う服が分かったり、やりたいことが見つかったりします。
こうしたプロセスを通して、自分自身を深く理解することができるでしょう。
環境にも良い影響を与える
長く使える品質の高いものを選ぶことで、ごみの削減につながります。さらに不要なものを買わないことで、資源の節約と自然環境への保護に貢献しているのです。
使うものを厳選するということは、環境保護にもつながります。
ミニマリストの暮らしのデメリット
ミニマリストの生活には日々の暮らしに役立つメリットが沢山ありますが、実はデメリットもあります。何でも手放してしまうと生活に影響を与えてしまう場合があるので、必要なものと不要なものを区別するバランス感覚が大切です。
ここでは最小限のもので暮らすことのデメリットを3つ紹介します。
必要なものも捨ててしまう
ミニマリストな生活にするためのステップとして、不要なものを捨てることが挙げられます。しかし何でもかんでも捨ててしまうと、後悔してしまったり買い直しが必要になったりすることがあるので注意が必要です。
使う可能性があるものや思い出の品物などは、一歩踏みとどまって「本当に捨てても大丈夫だろうか」と、考えてみましょう。
価値観の違いで人と衝突してしまう可能性がある
ミニマリストは「何でも捨ててしまう人」と勘違いされることがあります。ミニマリストのことをよく知らない人もいるので、価値観の違いで言い合いになったり、すれ違いを起こしたりすることもあるかもしれません。
あくまで自分自身が好む生活スタイルとして、人に価値観を押し付けないことが大切です。
急な生活の変化に対応しにくい
必要最小限のものしか所有していないと、急な生活の変化への対応が難しくなる場合があります。
例えば、自然災害が起こったときには必要な物資が足りず、普及するまで生活が不安定に……なんてトラブルになりかねません。
そうならないためにも、数日分の日用品を確保しておくなど災害に備えておきましょう。
こんな人に「ミニマリスト」はおすすめ
「片付けがどうしても苦手……」「掃除は時間がかかって面倒……」と感じている人には、ミニマリストな生活がおすすめです。
特におすすめできる人の特徴を3つ紹介しますので、当てはまる人は生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ものが多くてどこに何があるのか把握できていない人
部屋に物があふれていると、「着る予定だった服が見つからない……」「はさみをどこに置いたか分からなくなった……」といったことが起こりがちです。同じものを買い直してしまったり、持っていることを忘れて似たようなものを買ってしまう、なんてことに心当たりがある人もいるのではないでしょうか。
そんなストレスから解放されたい人には、ミニマリストな生活がおすすめです。自分が何を持っていてどこにあるかを把握しやすくなるため、日常生活でのストレスが軽減されます。
片付け苦手・嫌いな人
ものが多ければ多いほど、片付けに時間を取られがちです。しかしものが少なければ部屋が散らかりにくくなり、いつもスッキリとした部屋で過ごすことができます。
掃除や片付けに苦手意識がある人にはミニマリストな生活が向いていると言えるでしょう。
面倒くさがりな人
持ち物を最小限に抑えることで、掃除や整理整頓にかかる手間や時間を減らすことができます。面倒くさがりな人には、ストレスフリーな生活スタイルとしておすすめです。
日々の生活がシンプルになり、快適な暮らしを実現できるでしょう。
シンプルに生活したい人
必要なものだけで過ごすことで、シンプルな暮らしが実現できます。無駄な時間を使うことがなくなり、精神的なゆとりが持てるようになるでしょう。
時間やお金を節約し、効率よく生活をしたい人におすすめです。
ミニマリストになるためのコツ
ミニマリストになりたいと思っていても、すぐに実践するのは難しいですよね。単純にものを減らせばいいのではなく、考え方にも抑えておくべきポイントがあります。
ここでは3つのコツを紹介しますので、少しずつ取り入れてみてください。
マイルールを決める
無駄なものを減らすといっても、何を不必要とするかは人それぞれです。そこで自分自身が持つべきもの、持たないほうが良いものなどを明確にするため、マイルールを決めておきましょう。
ここでは、ルールとして抑えておきたい3つのポイントを紹介します。
ものを捨てるときのルール
「とにかくものを減らそう」と、何でもかんでも捨ててしまうのは避けましょう。優先するべきポイントは、しばらく使っていないものや、使用用途が重なっているものです。
例えば「1か月使わなければ捨てる」と期間を決めたり、「コートはお気に入りの1着のみ所持しておく」など、自分でルールを作ってみましょう。
ものを買うときのルール
ミニマリストになるためには、衝動買いや浪費癖を抑えることが大切です。欲しいものがあればリストに書き出したり、本当に必要かどうか数日考えたりしてみましょう。そして、ものを買ったときにどう感じるかを想像することもポイントです。
使うことでテンションが上がるものを選び、最小限ながらもお気に入りのアイテムだけに囲まれた生活を目指しましょう。
ものを買ったあとのルール
買い物における判断基準を明確にするために、ものを買ったあとのルールを作っておくことが大切です。例えば物の置き場所を決めることで、家の中をスッキリと整頓できます。
また、1つ買ったら1つ捨てるというルールがあると、無駄な出費を防ぐことにもつながるでしょう。
ものの所有に対する考え方を変える
あって当たり前と思っていたものでも、実は自分にとっては不要なものもあるかもしれません。必要になったときにだけ、レンタルサービスを利用するというのもひとつの手です。
家具や家電、洋服、趣味のものなど、さまざまなレンタル品がありますので有効活用しましょう。
少しずつ始めることが大切
一度に大量の物を捨てたり、生活スタイルを急激に変えたりすると、ストレスを感じてしまう可能性があります。そういったことにならないよう、少しずつ段階を踏んで取り組むことが効果的です。
まずはものを隠してみて不都合がなければ捨ててみたり、お皿やコップの数を少なくしてみたりといった、簡単なステップから始めてみましょう。
ミニマリストのものの選び方
必要以上にものを持つことでストレスを感じることがありますが、もの選ぶときのポイントを抑えることでストレスフリーなミニマリストの暮らしが実現できます。
ここではの4つのポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
着るものはシンプルで着回しできるアイテムを選ぶ
着回しができない服を持っていると、コーディネートに合わせてアイテムを買い揃えなければいけません。しかし、シンプルで着回しのできる服を選ぶことで、アイテムの数が減り管理がしやすくなります。
ミニマリストにとって、シンプルで着回しのきく服は必要不可欠と言えるでしょう。
長く使えるものを選ぶ
長く使えるものを選ぶことで、何度も買い替える必要がなくなり、結果的に出費を減らすことができます。品質の悪いものを選んでしまうと、すぐに壊れてしまったり、何度も買いなおすことになったりとストレスが溜まりがちです。
長く使えるものはコストパフォーマンスが高く、質の高いライフスタイルが実現できます。
心から「好き」と思えるものを選ぶ
よく考えないでものを買うと、愛着が湧かずに使わなくなってしまうことがあります。そうならないためには、自分が心から好きだと思うものを選ぶことが大切です。
好きなものに囲まれた部屋では、より充実した生活を送ることができます。
1つでいろいろなことに使えるアイテムを選ぶ
例えば洗剤はキッチン用、トイレ用、お風呂用などの場所ごとに分かれていることが多いですが、万能タイプのものであれば複数の場所に使うこともできます。
ひとつでさまざまな用途に使えるものがないか、チェックしてみるといいでしょう。
ものが少ない生活はストレスフリーな暮らしを実現する
無駄なものを持たず必要最小限のもので生活することによって、さまざまなメリットが得られます。ものに余計な時間を取られず、いつもスッキリとした部屋で過ごすことができるでしょう。
しかし「とにかく捨てるのがミニマリストだ」と勘違いして、必要なものを捨てたり人に価値観を押し付けたりしてはいけません。メリットとデメリットをよく理解して、少しずつ生活に取り入れることが大事です。
「いつも部屋が散らかってしまう」「掃除の時間を減らしたい」といったことに悩んでいる人は、ストレスフリーで豊かな暮らしを実現するための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。