日々の暮らしのなかで、「テレビを設置したいけど端子がない」「テレビの配線をスッキリさせたい」といった悩みはよくあるかと思います。その際、ひとつのアイデアとして浮かぶのが、「テレビの無線化」でしょう。
テレビは無線LANを使用することで無線化できます。ただし、無線化にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も。まずは、本当に無線化すべきかどうかを検討する必要があるでしょう。
本記事では、テレビを無線化するメリット・デメリットをお伝えします。それらを踏まえて、無線化したいという方のために具体的な方法について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
テレビは無線化できる?
テレビは、無線LANを使用することで無線化できます。ケーブルを繋がずに、テレビに映像を映し出すことが可能です。
ただし、アンテナから受信した地デジ電波を無線で飛ばす行為は、電波法の罰則対象に当たります。そもそも地デジ電波の無線化がむずかしいですが、違法に当たるので把握しておきましょう。
一方で映像データを無線で飛ばすことは、電波法違反には当たりません。テレビ番組を無線で見る場合は、アンテナからの電波をそのまま使わずに、映像データとして変換する必要があります。
テレビ電波を変換した映像データをテレビに飛ばすには、無線LANに対応したテレビやチューナー、Wi-Fiルーターなど、必要な機材があるので注意しましょう。
テレビを無線化するメリット
ここでは、テレビを無線化するメリットについて詳しく説明します。テレビの無線化を迷っている方は、導入するか判断するためにもメリットをしっかり知っておきましょう。
配線の煩わしさがない
無線化することで、テレビまわりの配線がスッキリ片付きます。テレビの配線は生活感が出て、部屋の見栄えが悪くなりがちです。レイアウトを気にする方にとって、無線化は大きなメリットと言えるでしょう。
また、配線があると掃除がしにくく、ホコリが溜まりやすいです。ホコリは電流によって発火する恐れもあります。無線化によって配線がなくなり、掃除がしやすくなるということも嬉しいポイントです。
テレビ端子がない場所でもテレビを見られる
テレビ端子がない場所でもテレビを見られることも、無線化するメリットのひとつです。
本来、アンテナから受信した電波でテレビを見るには、専用のケーブルをテレビ端子に接続しなければいけません。ケーブルが届く範囲にテレビを設置する必要があり、見られる場所が限られてしまいます。
無線化によって自由な場所にテレビを置けるので、好きなところで見ることが可能です。部屋のレイアウトの幅が広がる点もメリットと言えます。
テレビを無線化するデメリット
テレビの無線化には、デメリットもあります。ここでは2点のデメリットについて解説するので、きちんと把握したうえでテレビ無線化を導入するか検討しましょう。
ある程度のお金がかかる
テレビを無線化するには機器が必要で、そろっていない場合はすべて購入しなければいけません。機器をそろえるために、ある程度の費用がかかる点はデメリットと言えるでしょう。
Wi-Fiを利用して無線化する場合、所有しているテレビやチューナーが無線に対応していて、Wi-Fi環境が整っていれば費用はかかりません。所有している機器によって費用が大きく異なります。
現在使用している機器が、無線化に対応しているか確認してみましょう。
通信状態が不安定になることがある
無線化したテレビでは、ブロックノイズが発生し、映像が乱れてしまう可能性があります。
ブロックノイズとは、電波不足により起こる通信障害のことです。無線は有線に比べて電波が弱いので、ブロックノイズが起きやすいことは懸念材料と言えるでしょう。
映像が乱れるのは電波不足以外にも、接触不良や機器の故障・劣化が理由として挙げられます。もし映像が乱れたら、コードの繋ぎ直しや機器の状態を確認してみましょう。
テレビの無線化に必要なもの
テレビの無線化には、「チューナー付きブルーレイレコーダー」「Wi-Fiルーター」「映像を受信するテレビ」の3つの機器が必要です。
ここでは、その3つの機器の役割、費用の目安などを紹介します。無線化を導入するには欠かせない知識なので、ぜひご覧ください。
チューナー付きブルーレイレコーダー
チューナー付きブルーレイレコーダーとは、映像データを受信するために必要なチューナーが搭載されたAV機器です。ディスク再生に加えてテレビ番組の録画機能がついたものが多く、その場合はチューナーが搭載されています。
30,000〜80,000円の価格帯の製品が多いです。チューナーの数、録画容量などによって価格は大きく異なります。費用を抑えたい方は、必要最低限の機能を備えたレコーダーを選びましょう。
Wi-Fiルーター
Wi-Fiルーターは、複数の機器を無線でインターネットに接続するために必要な機器です。ネットワークを無線化し、LANとの中継器としての役割を果たします。
価格は50,000円近いものもあれば、2,000円ほどで購入できるものもあり、同時接続台数や不正アクセスに対するセキュリティ面など、性能によってさまざまです。
テレビの無線化で使用する場合は、通信規格が特に重要なので、しっかりチェックして購入しましょう。
映像を受信するテレビ
変換した映像データを受信するために、Wi-Fiに対応しているテレビを用意しましょう。Wi-Fiに対応しているテレビでないと映像データを受信できず、画面に映像を映せません。
Wi-Fi内蔵型のテレビは、画面の大きさや薄さ、画質などによって価格が異なります。安いと20,000円台のものから、高いと100万円近いものまであり、幅広いです。
テレビを無線化する方法
テレビを無線化する方法はいくつかありますが、手間を考慮するとWi-Fiを使った方法がおすすめです。
ここでは、Wi-Fiを使ってテレビを無線化する方法を手順に沿って説明します。ひとつひとつの手順を丁寧に説明するので、ぜひ参考にしてください。
ブルーレイレコーダーを端子に挿して接続
まずは、アンテナケーブルを使って、ブルーレイレコーダーをアンテナ端子に挿して接続します。アンテナ端子は部屋の壁面にあり、コンセントの横にあることが多いです。
端子に接続することで、レコーダーのチューナーが電波を受信し、映像データに変換されます。
ケーブルを接続する箇所は、ブルーレイレコーダーの裏側です。アンテナ入力端子はギザギザした形のコネクタなので、すぐに見つけられるでしょう。
ルーレイレコーダーとWi-Fiルーターを接続
次は、ブルーレイレコーダーとWi-Fiルーターを接続します。
レコーダーの電源を入れ、設定メニューからネットワーク設定を選択しましょう。通信設定の項目を進めて、無線LANを選んでください。
接続するアクセスポイントを選択できるはずなので、使用しているWi-Fiルーターを選び、暗号化キーを入力すれば、接続が完了します。
Wi-Fiを使ってテレビを接続
ブルーレイレコーダーと同じような手順で、テレビをWi-Fiに接続して設定は完了です。
Wi-Fiに対応しているテレビであれば、ネットワークに関する設定画面のなかにWi-Fiの設定画面があるはずなので、選択してください。接続方法や接続するネットワークを選んだあとに、パスワードを入力するとWi-Fiに接続できます。
これで、すべての手順は終了です。Wi-Fiの届く範囲であれば、テレビを利用できるようになります。
テレビを無線化する際の注意点
テレビを無線化する際には注意点があります。把握しておかないと、うまくテレビ画面が映らないかもしれません。
ここでは注意点を2つ紹介するので、失敗を防ぐためにも知っておき、いざというときのために備えておきましょう。
通信規格を一致させる必要がある
ブルーレイレコーダー・Wi-Fiルーター・テレビ、それぞれの通信規格を一致させないと、Wi-Fiが接続できない可能性がある点には注意です。
Wi-Fiの通信規格は「IEEE802.11」という規格名で、世代によって異なるアルファベットが末尾に使用されています。そのため、確認する際は末尾を見て、通信規格を一致させましょう。
基本的に機器が新しいほど、通信速度が早い新しい通信規格を搭載する傾向にあります。機器によって、製造年にばらつきがある場合は要注意です。
端子を増設したほうが安定性は高い
好きな場所にアンテナ端子を増設し、テレビにケーブルを接続する方法もあります。テレビの無線化は映像に関して不安定な面があるため、端子を増設したほうが安定性は高いです。
増設工事を業者に頼む場合、相場として10,000〜30,000円かかります。機器を買いそろえるより、端子を増設したほうがお得なケースも多いです。工事の段取りを決めたり、時間がかかる点、費用などを総合的に考慮し、最適な方法を選択しましょう。
テレビの無線化には無線LANを使用する
本記事では、テレビを無線化するメリット・デメリット、必要なものや無線化する方法を解説しました。
テレビの無線化には、無線LANを使用します。対応機器が必要なことや通信規格をそろえる必要があることなどは、把握しておくべきでしょう。
「絶対に無線化したい」と考えている方でも、メリットだけではなくデメリットも知り、総合的に考えて判断することをおすすめします。