「家の整理をしていたら、古い切手がたくさんでてきて処理に困っている」
「前に切手収集を趣味としていたが手放すことを決めた」
というような経験はありませんか?
実は切手はコレクションアイテムとしても人気があるため、買取業者の買取対象商品です。中には希少価値が高く、プレミアがついて高額買取になるものもあります。
しかし切手の買取は査定をする側に専門的な知識が必要で、正しく査定することが難しい商品の1つです。そのため買取業者によって買取金額に差が出ることも。
この記事を読むと切手を買取に出す前に切手の買取相場を知り、業者を選ぶ際の参考にできます。また査定に出す前に、少しでも買取金額をアップさせるポイントもお伝えします。
切手は売れる?種類ごとの買取相場
使わなくなった古い切手やコレクションした切手は、買取業者の買取対象です。
買取金額は保存状態や切手の種類で大きく異なり、場合によっては思いも寄らぬ高額買取になることも。
買取査定の前に、それぞれの切手の種類とその特徴、おおよその買取相場を確認して交渉の材料にしてみましょう。
普通切手
普通切手とは、一般的に郵便局で販売されている切手のことです。1枚からバラで好きな枚数を購入できます。
郵便局だけでなくコンビニなどでも購入でき、販売ルートや使用される頻度、発行枚数も1番多いのが特徴です。
普通切手の買取相場
切手の原価 | バラ | シート |
---|---|---|
50円未満 | 原価の50% | 80〜85% |
50円以上 | 60% | 85〜90% |
500円〜1000円 | 60% | 90% |
普通切手は買取希望も多く需要が少ないため、買取金額は原価より下がってしまいます。
また保管状態が悪いと更に買取価格が下がることも。
必要がない切手はできるだけすぐに買取に出すようにしましょう。
記念切手
記念切手とは皇室関係など国を挙げた慶事の際に発行される切手のことで、近年では年号が「令和」に変更になった際にも発行されました。
これまでも皇太子殿下の結婚や天皇陛下の結婚周年記念などで作られ、普段使いとしてもコレクションアイテムとしても人気です。
記念切手の買取相場
切手の原価 | バラ | シート |
---|---|---|
50円未満 | 原価の60% | 75% |
50円以上 | 65% | 80% |
記念切手も普通切手と同じで、買取価格は原価より下がってしまうものがほとんどです。
保存状態によってはもっと下がってしまうものもあるので、手放すタイミングには注意が必要です。
特殊切手
記念切手と混同されやすいのが特殊切手です。
特殊切手とは国を挙げての大きな行事や、文化財・文化人を記念して発行される切手のことを指します。近年では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催の際も発行されました。
またアニメキャラクターや世界遺産、鉄道など、絵柄のジャンルも多岐に渡り、コレクションアイテムとして多くの人に愛されています。
特殊切手は切手の種類によって買取相場にかなり違いが出るので、買取相場を一概に示すことはできません。買取希望の際は手元の切手の名前を調べて、その切手の買取相場を参考にするようにしてください。
有名な特殊切手の買取相場
国立公園切手 | 4,000円〜6,000円 |
文化人切手(西周) | 30,000円〜40,000円 |
郵便創始75年記念小型シート | 6,000円 |
プレミア切手
プレミア切手とは、プレミアがついた切手のことです。切手の種類は問いません。
プレミアがつく理由は、元々の発行部数が少なかったり、すごく短い間だけ使用されていたものだったりと切手によって異なります。
普通切手を発行する際にたまたま出た印刷ミスに気付かず発行されてしまった「エラー切手」もプレミア切手の代表例です。
プレミア切手も切手の種類によって買取価格に差が出る切手です。切手の図柄から種類を調べた上で、買取価格の相場を確認するようにしましょう。
代表的なプレミア切手の買取相場
見返り美人切手 | 1枚1,500円・シート1枚10,000円 |
月に雁 | 1枚1,500円・シート1枚10,000円 |
富士山切手 | 1枚1,000円・20面シートで数万円 |
中国切手
1949年10月から中国郵電部郵政総局が発行していた切手のこと。
中国切手は大部分が消失してしまい、現存数がかなり少なくなってしまいました。そのため、使用済みの切手でもプレミア品として扱われることが多いです。
中でも中国全土が描かれている「全国の山河は赤一色」という切手は、 高価買取されやすいことで有名です。台湾が絵柄として印刷されていないことが発覚し、流通が取りやめになりました。見つかっている未使用品に4000万円もの価値がついたこともある、超プレミア品です。
代表的な中国切手の買取価格
赤猿切手 | 1枚80,000円〜150,000円 |
全国の山河は赤一色 | 使用済み3,000,000円 未使用品40,000,000円 |
牡丹切手 | バラ数万円・シート100,000円 |
切手の価値はどこで決まる?
切手の価値が高い=買取価格が高いことになります。では切手の価値はどのようにして決まるのでしょうか。
おもに3つの観点から、切手の価値は評価されます。1つずつ順にみていきましょう。
希少性の高さ
切手は発行年数や発行部数によって、現存する数が著しく少ない切手が存在します。それらはコレクター達も手に入れにくいため、買取価格は高額になります。
かつて1856年に作られた南アメリカの切手で、世界に1つしかない切手が売りに出されたことがありました。世界に1枚しかなく、珍しい形をしていたこともあり、約9億7,000万円の価格がつく取引でした。
この取引結果からも、切手の希少性が切手の価値を高めることが証明されています。
需要の高さ
切手の需要は、その時代やコレクターの数によって常に変化しています。
買取業者は、その後買取った切手を他の人に販売しなければなりません。
「現在コレクターの間で人気がある切手」を「人気があるタイミングで売りに出す」と切手を欲しがる人が多いので価値は高まります。
そのため同じ切手で同じ保存状態の切手があったとしても、買取に出すタイミング次第で買取金額が異なることがあるので注意が必要です。
切手の状態
多くのコレクターは切手を使用するためではなく、保存して楽しむために切手を購入します。つまり切手が使えるか使えないかではなく、コレクションアイテムとしてふさわしい状態であることが購入の決め手になるのです。
切手本体はもちろん、切り取り線のような「目打ち」や余白部分にような「耳紙」が美しく残っているとさらに高評価。
その切手ができあがった時の状態に近いほど、切手の価値は高くなるといえます。
買取不可になる切手は?
普通切手でも買取実績がある店舗に査定に出したのに、買取不可と言われてしまった。そんな経験はありませんか。
切手は紙でできているため状態が劣化しやすく、正しい方法で保管していないと買取不可になってしまう場合があります。
ここから、買取不可になる切手の特徴を見ていきましょう。
湿気によるダメージが激しい切手
切手の劣化を進める1番の原因は水分です。
切手は紙でできていて、大抵の場合裏面には糊が付いているため、湿度が高い場所に置いておくとカビが生えたりシミができたりしてしまいます。
大量に一箇所に保管しておくと、切手同士が引っ付いてしまい、かなりの枚数が傷ついてしまうことも。そういったものは買い手がつかないため、業者も買取ることができません。
切手の保存は風通しの良い場所で、直射日光が当たらない場所が適切です。
折れている切手も場合によっては買取NG
切手は紙なので、保存状態によっては本体に折り目がついてしまう場合があります。折り目がついた切手は、買取業者によっては買取不可です。
普通に使用するには問題ありませんが、コレクターから見ると、きれいな状態でなければコレクションアイテムとしての価値が下がってしまいます。そうすると再販ルートが限られるために、買取ってくれない業者があるのです。
保管する際はクリアファイルなどに入れ、折れ目がつかないようにしましょう。
切手を高価買取してもらうポイント
切手の高額買取には、切手の保存状態の良し悪しや切手自体の希少性が大きく左右します。しかしこれらは切手を買取に出そうと決めた時点でなんとかできるものではありません。
切手を少しでも高額買取につなげられるよう、「査定前にできる高価買取のためのポイント」を3つ紹介します。
市場の需要を見極めて売る
切手の高額買取には「その品が欲しいコレクターがいるかどうか」つまり需要があるかが大切になります。
各業者買取実績をホームページなどで公表していることが多いので、自分の売りたい切手の買取価格が上がっているか下がっているかを見るようにしましょう。
しかし手元にただ置いておくだけでは手元の切手の価値も劣化してしまうので、市場の需要を見ていた結果、買取金額が下がることになってしまう場合もあるので注意が必要です。
切手シートはそのままで売る
切手シートとは複数の切手が目打ちでつながっている状態のものを指します。切手のコレクターはこの目打ちの美しさや、完成された一枚であることにこだわってコレクションをしている人も多いため、シートの需要が高いです。
需要が高いということは買取金額が高額になりやすいということなので、現状シートで保存しているのであれば、そのまま買取査定に出しましょう。
1枚でも切り離されていたり、途中で目打ちが千切れてしまっていたりすると、すべてがバラ商品として扱われてしまいます。その場合思っていたほどの査定額にならないこともあるので覚えておきましょう。
複数の買取店の査定額を比較する
買取店にはそれぞれ得意なジャンルがあり、ブランド品をおもに扱っているところと、切手をおもに扱っているところでは切手の査定額にかなり差が出ます。
それは「きちんと査定できる専門家がいるかどうか」と「買取った先の販売ルートを店が持っているか」が影響するからです。
しかし査定業者を探すうえで、切手の取り扱いに強い買取業者を見極めることは簡単ではありません。
切手の買取を希望している方は複数査定を受け、できるだけ高額で買取ってくれる業者を探しましょう。
切手の価値を正しく理解し、査定を受けよう
誰かが大切にしてきた切手のコレクションでも、自分は持て余してしまう。
それならば正しく管理し、使用してくれる人にそのコレクションを託すことも考えてみませんか。
切手の適切な買取は、正しく鑑定ができる買取業者をきちんと選ぶことからはじまります。大切なコレクションなので、きちんと大切にしてくれる人の手に渡るようにしたいですよね。
そのために切手の査定を受ける前に、まずは自分が持っている切手の知識を正しくもちましょう。正しい知識は交渉材料にもなるので、買取金額アップも期待できるかもしれませんよ。