ヤフオクを利用するにあたって、手数料がどれほどかかるのか気になる人は多いのではないでしょうか。
ヤフオクは日本のオークションサイトのなかでも、利用者数や出品アイテム数が業界トップクラス。誰でも簡単に商品を売買でき、副業目的で利用している人も少なくありません。
ただ手数料システムが少々複雑で、慣れていない人だと上手く利益を出せない場合も。さらに、よくシステムを理解していないことによって、「利益は一切ないのに高額な手数料だけ請求された」というトラブルも多発しているため、注意が必要です。
本記事ではヤフオクの手数料の種類や発生する仕組み、注意点などを解説します。予期せぬ出費で損をしないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
ヤフオクで落札者にかかる手数料
ヤフオクでは、入札および落札した際にかかる手数料はありません。
ただし商品代金をYahoo!かんたん決済で支払う場合は、決済手数料がかかることがあるので注意してください。
また、送料が落札者負担と設定されている商品については、商品代金とは別に出品者が定める送料を支払う必要があります。
出費を抑えたいなら、決済方法や送料の有無をしっかり確認しましょう。
ヤフオクで出品者にかかる手数料【基本】
ヤフオクで商品を出品する場合には、状況に応じてさまざまな手数料が発生します。
出品者にかかる基本の手数料および計算のしかたについてご紹介するので、どれくらい手数料が引かれるのか事前に計算してから出品価格を設定するといいかもしれません。
落札システム利用料
出品した商品が落札されたときにかかる手数料が「落札システム利用料」です。
これは落札された商品の価格に対し、一定の料率を乗じて計算されるため、取引ごとに金額は異なります。料率はYahoo!プレミアム会員か非会員かによって変わるので、以下を参考にしてください。
Yahoo!プレミアム会員 | 非会員 | |
---|---|---|
落札システム利用料 | 落札価格の8.8%(税込) | 落札価格の10%(税込) |
計算式 | 落札価格×8.8÷100 | 落札価格×10÷100 |
売上金の計算例 (落札価格が1,500円の場合) | 1,500×8.8÷100=132 132円が引かれ、実際に受け取る金額は1,368円 | 1,500×10÷100=150 150円が引かれ、実際に受け取る金額円は1,350円 |
落札システム利用料はあくまで「落札価格」にのみかかるため、もし落札者に送料を別途
請求する場合は、受け取れる売上金はこの限りではありません。
ヤフオクで出品者にかかる手数料【サービス】
特定の機能を利用したり、オプションを追加したりした場合にのみ発生する手数料がいくつかあります。
ここでは各サービスの特徴と負担する金額をまとめました。有料ではあるものの、どれも便利なサービスなので、状況に応じて活用してみましょう。
出品取消システム利用料
「出品取消システム利用料」は、入札があった商品の出品を取り消したときにかかる手数料です。
「出品後に商品の不具合に気付いた」「出品する商品を壊してしまった」など、ときには出品を取り止めなければならないときもありますよね。そういった場合に、もし一度でも入札されたことがある商品は、1商品あたり550円(税込)を負担しなければなりません。
余計な支出を増やさないために、出品するときはよく商品を検品し、管理にも気を付けましょう。
配送サービス利用料
「おてがる配送」という配送方法を利用した場合、送料として「配送サービス利用料」がかかります。これは送料負担を出品者・落札者どちらに設定していても、必ず出品者は支払わなければなりません。
とはいえ落札者負担の場合は、商品代金と送料分の金額が落札者から支払われるため、出品者が負担する料金は実質0円。おてがる配送では、お得な料金で送れたり匿名配送が利用できたりと利点も多いので、ぜひ活用してみましょう。
主な配送の種類と料金は下記を参考にしてください。
種類 | サイズ | 送料負担が出品者の場合の料金 (全国一律・税込) | 送料負担が落札者の場合の料金 (全国一律・税込) |
---|---|---|---|
ネコポス | – | 200円 | 230円 |
宅急便コンパクト (EAZY) | 450円※ | ※地域変動 | |
宅急便(EAZY) | 60 | 750円 | |
80 | 850円 | ||
100 | 1,050円 | ||
120 | 1,200円 | ||
140 | 1,400円 | ||
160 | 1,700円 | ||
180 | 2,100円 | ||
200 | 2,500円 |
※別途、専用BOX(税込70円)の購入が必要
出典:おてがる配送(ヤマト運輸)の料金|ヤフオク
種類 | サイズ | 送料負担が出品者の場合の料金 (全国一律・税込) | 送料負担が落札者の場合の料金 (全国一律・税込) |
---|---|---|---|
ゆうパック (25kgまで) | 60 | 750円 | ※地域変動 |
80 | 850円 | ||
100 | 1,050円 | ||
120 | 1,200円 | ||
140 | 1,400円 | ||
160 | 1,700円 | ||
170 | 1,900円 | ||
ゆうパケットポストmini | – | 150円 | 180円 |
ゆうパケットポスト | – | 200円 | 230円 |
ゆうパケット | – | 205円 | 230円 |
ゆうパケットプラス | – | 380円 | 410円 |
注目のオークション利用料
「注目のオークション」はオプションのひとつで、自分の出品物を目立たせて注目を集め、入札・落札してもらいやすくする効果があります。
利用料は(1日あたりの設定価格×オークション終了までの日数)+消費税で計算され、1日あたりの金額は20円(税込22円)/1出品から1円単位で設定可能。この金額を高く設定するほど、注目オークション欄の上位に表示できます。
ただし設定した段階で利用料は課せられ、早期終了やキャンセルしても減額・返金はされません。よく検討してから利用してくださいね。
あなたへのおすすめコレクション利用料
「あなたへのおすすめコレクション」も有料オプションであり、オークション利用者のページに表示されている商品と関連度の高い商品として掲載させ、閲覧してもらえるように促すことが狙いです。
このサービスは、あなたのコレクション経由で落札されたときのみ(落札額×設定料率)+消費税=利用料が発生します。よって、それ以外のページからアクセスされ落札に至った場合や、設定しただけでは課金されません。
設定料率は、1~99.9%の範囲で0.1%単位で自由に設定できます。
Yahoo!プレミアム会員費
Yahoo!プレミアム会員になると、落札システム利用料の負担が軽減されます。また、このあとご紹介する「特定カテゴリ」の出品や、有料オプションの設定にはYahoo!プレミアムの登録が必要です。
月額508円(税込)がかかりますが、出品数が多い人や高額商品を出品する人は登録したほうがお得でしょう。
ほかにもYahoo!ショッピングなどでお得に買い物できたり、雑誌が読み放題だったりと、ヤフオクに限らず豊富な特典を受けられるので、利用価値はあるのではないでしょうか。
ヤフオクで出品者にかかる手数料【特定カテゴリ】
ヤフオクでは、通常のカテゴリとは別に「特定カテゴリ」が存在します。
このカテゴリに該当するものを出品する場合は、通常の出品時とは異なる料金体系で手数料が発生するため、注意が必要です。
それでは対象となるカテゴリおよび手数料を見ていきましょう。
出品システム利用料
「出品システム利用料」は特定カテゴリにのみ発生する手数料で、通常カテゴリにはありません。出品価格に関係なく、一律3,080円(税込)が出品ごとにかかります。
これは出品が完了した時点で発生するため、取り消しやキャンセルはできません。間違えたからといって、いったん取り消して再度出品すると、2倍の料金を負担することになるので注意しましょう。
対象のカテゴリは以下のとおりです。
- 自動車、オートバイ > 中古車・新車
- 自動車、オートバイ > トラック、ダンプ、建設機械 > 車体
- 自動車、オートバイ > バス > 車体
- 自動車、オートバイ > キャンピングカー(車体)
- 自動車、オートバイ > 部品取り車
落札システム利用料
通常カテゴリと同じく、特定カテゴリにおいても「落札システム利用料」が発生します。ただし通常の場合は落札額に一定の料率をかけて計算するのに対し、特定カテゴリでは落札額に関わらず所定の料金が課金される点が特徴です。
負担する落札システム利用料は、アイテムによって2パターンに分かれており、3,080円(税込)もしくは1,980円(税込)がかかります。
下記にそれぞれの課金対象カテゴリをまとめたので、参考にしてみてください。
カテゴリ | 落札システム利用料 |
---|---|
| 3,080円(税込) |
| 1,980円(税込) |
出品取消システム利用料
「出品取消システム利用料」も、通常・特定カテゴリ問わずかかる手数料です。
入札者がいる、あるいは入札歴のある商品の出品を取り消した場合に発生。料金は3,080円(税込)または550円(税込)と、落札システム利用料と同様にカテゴリによって金額が異なります。
カテゴリ | 出品取消システム利用料 |
---|---|
| 3,080円(税込) |
| 550円(税込) |
出典:出品者にかかる利用料|ヤフオク
特定カテゴリでは、こういったいくつもの高額料金が課金されるため、出品する際はよく検討したうえで行ってくださいね。
どこから引かれる?ヤフオクの手数料を支払うタイミング
ヤフオクの手数料は、種類ごとに支払い方法や時期が異なります。支払い漏れを防ぐためにも、いつ・どのように請求されるのか理解しておきましょう。
各手数料の支払いに関する詳細をまとめたので、ぜひチェックしてみてください。
手数料の種類 | 支払い方法 | 支払い時期 | |
---|---|---|---|
落札システム利用料 | Yahoo!かんたん決済で支払われた場合 | 商品代金から天引き | 商品代金を受け取るとき |
Yahoo!かんたん決済以外で支払われた場合 | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | オークション終了日を基準に、 前月16日~当月15日までの落札分が翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ | |
出品取消システム利用料 | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | 取消を行った翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
配送サービス利用料 | 商品代金から差し引ける場合 | 商品代金から天引き | 商品代金を受け取るとき |
商品代金から差し引けない場合 | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | 受け取りが完了した翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ | |
注目のオークション利用料 | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | 設定した翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
あなたへのおすすめコレクション利用料 | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | オークション終了日を基準に、 前月16日~当月15日までの落札分が翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
出品システム利用料(特定カテゴリ) | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | 出品した翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
落札システム利用料(特定カテゴリ) | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | オークション終了日を基準に、 前月16日~当月15日までの落札分が翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
出品取消システム利用料(特定カテゴリ) | – | Yahoo!ウォレットに登録した支払い方法 (クレジットカード・Yahoo! JAPAN指定の銀行口座) | 取消を行った翌月1日に確定し、26日ごろに請求※ |
※クレジットカード支払いの場合は確定月の翌月に請求
※引き落とし日は利用するクレジットカード会社の定める日
出典:出品者にかかる利用料|ヤフオク
ヤフオクと他社の手数料一覧比較
ヤフオクと他社オークション・フリマサイトの基本手数料(落札・販売手数料)、および売上金の振込に必要な手数料を一覧にしました。
落札・販売手数料は、商品が売れた場合に出品者側が負担する基本の手数料で、オプションなどのサービス料金は含みません。
名称 | 落札・販売手数料(税込) | 振込手数料(税込)/1回 |
---|---|---|
ヤフオク | 10%(8.8%) | 100円 ※PayPay銀行口座は無料 |
メルカリ | 10% | 200円 |
ラクマ | 6.6% | 210円 ※楽天銀行かつ1万円以上の場合は無料 |
モバオク | 0% ※ただし、月額330円または360円 | 無料 |
PayPayフリマ | 5% | 100円 ※PayPay銀行口座は無料 |
BASE | 6.6%+40円 | 250円 ※2万円未満の場合は事務手数料500円も負担 |
出典:ヤフオク、メルカリ、ラクマ、モバオク、PayPayフリマ、BASE
ヤフオクの手数料に関する禁止行為
ヤフオクで商品を出品する際、利益を増やすためになんとか手数料を削れないかと考える人もいるでしょう。
とはいえ定められた手数料は支払う義務があり、逃れようとする行為は御法度です。
ここでは、やってはいけない禁止行為を3つ挙げて解説します。
手数料の踏み倒し
支払い方法で解説したように、手数料は売上金から直接引かれる場合もあれば、登録しているクレジットカードもしくは銀行口座に請求がくることもあります。前者は自動的に支払いが済むので問題ありませんが、後者は自分で支払いを完了させなければなりません。
払う気がないからといってわざと空の口座を登録したり、カード会社の支払いを無視したりすることはNG。ヤフオクを利用する以上、しっかりと請求に応じましょう。
不当な高額送料の設定
落札の際にかかる手数料は落札額(商品代金)のみに対してかかるため、出品価格を低く設定しておき、落札されたあとで高額な送料を請求する「手数料逃れ」を行う人が稀にいます。
たとえば手数料8.8%で、落札額15,000円+送料500円の場合に引かれる額は1,320円です。しかし500円での落札後、送料として15,000円請求すれば、手数料はたったの44円で済みます。
こういった手法はガイドライン違反となり、厳しい処分を受ける場合があるので避けてください。
落札者への手数料の請求
落札システム利用料やオプション利用料金など、出品者にかかる各種手数料は当然ながら出品者が払わなければなりません。
先述したように送料として請求したり、ヤフオク以外のところで連絡を取り合って支払いを強要したりと、落札者に手数料を請求することは禁止行為です。
こちらも同じくガイドラインに引っかかり、ペナルティが課せられる可能性があるのでやめましょう。
ヤフオクの手数料における注意点
落札システム利用料や一部のオプション利用料は、落札があった場合に発生しますが、これは取引の成立・不成立は関係ありません。つまり落札者がキャンセルするなどして取引ができなくなっても請求されます。
「売上は0円なのに手数料だけ取られた…」という事態を防ぐためには、取引が中断されたら利用料が確定する前に「落札者(候補者)の削除」または「取引の中止」を行いましょう。
手続きできる期限はオークションが終了となった日によって異なるので、下記を参考にしてください。
オークション終了日 | 期限 |
---|---|
1~15日 | 終了月の末日またはオークション終了から14日以内※ (いずれか早いほうが適用) |
16~末日 | オークション終了から14日以内※ |
※終了日時を起点として336時間
出典:取引できなかったときの各利用料について|ヤフオク
ヤフオクの出品手数料キャンペーン
ヤフオクでは出品キャンペーンが期間限定で開催されます。キャンペーン期間中に出品することでお得に利用が可能。キャンペーンには例えば、次のようなものがあります。
・オークション形式の出品で売れたら落札システム手数料が実質5%相当になる(7月24日~7月30日)
・出品デビューするとヤフオク!の落札・購入に使える200円OFFクーポンがもらえる(7月7日~7月17日)
キャンペーンは続々開催されるため、ぜひヤフオク公式ページで確認しましょう。
自分で手数料を計算して上手に利益を出そう
本記事では、ヤフオクにおける手数料の種類や支払い方法、注意点などについて詳しく解説しました。
簡単に出品を取り消したり、なんでもかんでも出品されたりするようになると、さまざまなトラブルが発生しやすくなるでしょう。ユーザーも多く、便利なヤフオクだからこそ、利用者の間でトラブルが起きないような厳しい料金システムになっているのかもしれません。
出品者にとっては少し痛手ですが、本記事で紹介した計算方法で、自分でも手数料を計算しながら上手く利益を出してみてくださいね。