「以前よりも電気代が高い」「そんなに使っていないのに電気代が高くなった」と悩んでいませんか。
実は、資源不足や世界情勢の影響で、電気代は高くなっています。暑さや寒さで冷暖房などの使用が不可欠なため、今後も電気代の値上げは続くでしょう。
しかし、電気代を気にせずに家電を使ってしまい、電気代の高額請求に悩む人も多いです。そのため、電気の使用方法や契約プランを見直すべきでしょう。
本記事では、電気代が高くなる原因や電気代の節約方法を紹介します。何も知らなかったときに比べて電気代を安くできるので、ぜひ参考にしてみてください。
電気代が高い7つの原因
さっそく、電気代が高い原因を7つ紹介します。紹介する内容は以下のとおりです。
- 資源不足・世界情勢の影響
- 冷暖房の使いすぎ
- ライフスタイルの変化
- 家電製品の増加
- 電力メーターの故障
- 盗電
- 漏電
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
1. 資源不足・世界情勢の影響
電気代高騰の大きな原因のひとつが、資源不足や世界情勢の影響です。新型コロナウイルスの感染拡大防止の規制緩和で、世界的に電力需要が増え、火力発電の燃料となる資源(石炭・天然ガス・石油)が不足しています。
また、2022年からはじまったロシアのウクライナ侵攻では、各国が経済制裁として化石燃料の輸入を止めました。ロシアは、国家の収入を化石燃料に頼っていたからです。これらを原因とする資源不足で、火力発電に必要な燃料の価格が上がり、電気代が高くなっています。
2. 冷暖房の使いすぎ
冷暖房を長時間の外出の間つけたままにすれば、電気代はその分高くなってしまいます。冷暖房がもっとも電力を消費するのは、設定温度と室内温度の差が大きい運転開始直後です。
そのため、冷暖房はつけたままのほうが、こまめに消すよりも余分な電力を消費しません。しかし、電気を使い続けることに変わりないので、長時間家を空ける場合、冷暖房は切るべきでしょう。
冷暖房をつけたままにする外出時間は、30分が目安です。30分以上家を空ける場合は、冷暖房を切りましょう。
3. ライフスタイルの変化
ライフスタイルの変化で、知らぬ間に消費電力が増えている可能性があります。夜更かしで明かりをつける時間が増えたり、リモートワークで日中家にいることが増えたりすることもあるでしょう。
ライフスタイルをすべて変えることは難しいですが、早寝や家電の使用回数を減らすなどの工夫をすれば、少しでも消費電力を抑えられます。
4. 家電製品の増加
最近は、美容家電や調理家電など、便利な家電製品が増えました。家事を楽にするために、お掃除ロボットや乾燥機、食洗器を購入した方もいるでしょう。
便利な家電製品は暮らしを豊かにしてくれますが、そのぶん電気を多く使うため、電気代は高くなります。家電製品の購入は、本当に必要なのか、消費電力はどれくらいなのか、十分検討して購入しましょう。
5. 電力メーターの故障
アナログ型の電力メーターの場合、円盤が回転しないなどの故障が起きることがあります。故障すると、正しい電気代が算出できず、電気代が高くなることも。電気代が急に高くなったと感じたら、電力メーターが故障していないか電力会社に確認してもらいましょう。
6. 盗電
盗電とは、他人の家の電気を勝手に使うこと。電気代が不自然に高い場合、外にガスメーターや給湯器用のコンセントがあれば、盗電被害にあっているかもしれません。
盗電はもちろん犯罪です。盗電被害にあった場合は、警察に相談しましょう。防犯対策は、コンセントカバーや防犯カメラの設置がおすすめです。
7. 漏電
漏電とは、電気配線の劣化や湿気・結露などで、回路の外に電気が流れてしまう状態のことです。本来、漏電するとブレーカーが落ちますが、分電盤が故障している場合、ブレーカーが落ちずに電気が流れ続けることがあります。
漏電を放置すれば、電気代が高くなるだけでなく、感電や火災につながることも。漏電の可能性がある場合は、ただちに電力会社に連絡してください。
比較してみて。電気代の平均
ここでは、電気代の平均を世帯別、季節別、地域別に分けて紹介します。ぜひ、日ごろ請求される電気代が平均よりも高くないのか比べてみてください。
1. 世帯別
世帯人員 | 電気代(2022年月額) |
---|---|
1人世帯 | 6,808円 |
2人世帯 | 11,307円 |
3人世帯 | 13,157円 |
4人世帯 | 13,948円 |
5人世帯 | 15,474円 |
6人世帯 | 17,869円 |
平均 | 10,559円 |
出典:家計調査 1世帯あたり1か月間の収入と支出|政府統計の総合窓口
上記のとおり、世帯の人数が増えるほど、電気代は高くなります。2人世帯の電気代は、1人世帯よりもおよそ1.5倍高くなりますが、2人以上世帯同士の金額差はあまりありません。
2. 季節別
季節 | 電気代(2022年月額) |
---|---|
1~3月 | 12,301円 |
4~6月 | 9,904円 |
7~9月 | 9,764円 |
10~12月 | 10,201円 |
平均 | 10,559円 |
出典:家計調査 家計収支編 総世帯用途分類 001 用途分類(総数) 全国|政府統計の総合窓口
上記のとおり、電気代は、1?3月が1番高いです。冬は、暖房や電気ストーブなどの使用で電力を多く消費します。
また、冬場は日照時間が短く曇りの日も多いため、明かりを長くつけがちです。鍋などの調理で家電を使う頻度が増えれば、そのぶん消費電力が増えるとも考えられます。
3. 地域別
地域 | 電気代(2022年月額) |
---|---|
北海道 | 10,617円 |
東北 | 11,431円 |
関東 | 10,212円 |
北陸 | 12,278円 |
東海 | 10,830円 |
近畿 | 10,066円 |
中国 | 12,109円 |
四国 | 11,293円 |
九州 | 10,025円 |
沖縄 | 10,090円 |
平均 | 10,559円 |
出典:家計調査 家計収支編 総世帯用途分類 002 用途分類(総数) 都市階級・地方|政府統計の総合窓口
全国で、1番電気代が高い地域は北陸地方です。北陸地方は、1世帯あたりの人数が多く、広い家が多いことが影響しています。
また、中国地方は寒冷地ではないにもかかわらず、電気代が比較的高いです。電気の供給コストが多くかかることや、オール電化普及率が高く、1世帯あたりの消費電力が多いことが原因とされています。
電気代の内訳
上記画像のとおり、電気代は、「電力量料金」「再エネ賦課金」「基本料金」で構成されています。電力会社や電気の契約プランによっては、上記以外の項目が加算されることもあるようです。
基本料金は、毎月の使用量にかかわらず発生する一定の料金であり、電気の契約容量で決まります。
電力量料金とは
電力量料金は、電気の使用量に応じて変動する料金です。「電力量料金単価」×「1か月の使用電力量」に「燃料費調整単価」×「1か月の使用電力量」を加算あるいは差し引いて計算されます。
燃料調節費は、電力会社が燃料の価格変動に左右されずに、安定して電気を供給できるように導入された制度です。燃料の原料である石油や石炭などの価格が下がると電力量料金から差し引かれ、価格が上がれば加算されます。
再エネ賦課金とは
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギー発電を普及・拡大させるために、再生可能エネルギーの買取費用を消費者が負担する制度です。経済産業省が、年度ごとに単価を算定します。
2023年5月分~2024年4月分の再エネ賦課金単価は1.40円/kWhで、前年度よりもおよそ2円の値下がり。値下がりは、2012年の制度開始以来はじめてのことです。
家電の電気代計算方法
家電の電気代は、「1時間あたりの消費電力(kW)」×「使用時間(時間)」×「電力量料金単価(円/kWh)」で計算できます。
例:1時間あたりの消費電力が500Wのエアコンを8時間使用した場合(電力量料金単価は27円/kWhと想定)
0.5kW(500W)×8時間×27円/kWh=108円
家電を購入する前に、およその電気代を計算しておけば、購入したあとに電気代が高かったと後悔することを防げます。
今日から実践|電気代の節約方法5選
最後に、電気代の節約方法を5つ紹介します。紹介する内容は以下のとおりです。
- 家電の使い方を見直す
- 省エネ対応家電に買い替える
- 節電グッズを活用する
- 電気の契約プランを見直す
- 電気の契約会社を見直す
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
1. 家電の使い方を見直す
もっとも手軽にできる電気代の節約方法が、家電の使い方を見直すことです。たとえば、冷房の温度を1度上げたり洗濯機はすすぎ1回にしたりなど、家電によってさまざまな工夫ができます。
見落としがちなことが、家電を定期的に掃除すること。冷房は、フィルターを掃除すれば、冷房機能が高まります。また、掃除機は内部のお手入れで吸引力が上がるため、余分な電力を消費せずに掃除できるでしょう。
待機電力を抑えるために、あまり使わない家電はコンセントから抜くこともおすすめです。ただし、ブレーカーは落とさないほうがよいでしょう。冷蔵庫の食材が傷んだり警報装置が作動しなくなったりなどのリスクがあります。家電は、生活に支障をきたさない程度の節電を意識して使いましょう。
2. 省エネ対応家電に買い替える
省エネ対応家電に買い替えれば、昔の家電を長く使うよりも電気代を節約できます。2019年の冷蔵庫は、2009年のものと比べておよそ40?47%、エアコンはおよそ17%の省エネ効果があるそうです。ぜひ、家電は10年間の使用を目途に、買い替えを検討してみてください。
3. 節電グッズを活用する
最近は、さまざまな節電グッズが販売されています。たとえば、スイッチ付き電源タップは、コンセントから抜かずにスイッチの切り替えで、家電の待機電力の削減が可能です。
また、カーテンを遮熱効果のあるものにかえれば、遮熱効果で冬は室内の温かい空気を外に逃さず、夏は太陽の熱を反射して、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。
そのほか、冷蔵庫カーテンや圧力鍋など、家電に限らずさまざまな節電グッズがあるので、暮らしにあわせてうまく活用してみてください。
4. 電気の契約プランを見直す
電気代が高いと感じたら、電気の契約プランを見直してみましょう。契約アンペア数が、必要以上に大きい可能性があります。
電気の基本料金は、契約アンペア数が小さいほど安いです。同時に使う家電のアンペア数を計算して、必要最低限のアンペア数で契約すれば、電気代の節約効果が期待できます。
また、日中家を空けることが多い場合は、夜間が安くなる時間帯割引、契約会社がガスと同じ場合は、ガスとのセット割引など、ライフスタイルにあわせたプランの契約もおすすめです。
5. 電気の契約会社を見直す
2016年の電力自由化により、契約する電力会社を自由に選べるようになりました。電力会社によって、一人暮らし向けの基本料金0円プラン、土日祝日が安いプラン、ガスと電気のセット割引プランなど多種多様なプランを提供しています。
ライフスタイルにあわせて、電気代が1番安くなる電力会社で契約すれば、簡単に電気代を節約できるでしょう。
電気代は使い方を見直して節約しよう
電気代は、資源不足や世界情勢の影響、冷暖房の使い過ぎなどで高くなっています。今後も燃料の価格高騰は続くため、電気代は値下がりしにくいでしょう。
電気代を安くするためには、電気を日ごろから積極的に節約することが大切です。家電の使い方を見直したり、省エネ対応家電に買い替えたりして電気代を節約しましょう。電気の契約プランや契約会社を見直すこともおすすめです。ぜひ、本記事で紹介した節約方法を実践してみてください。