最近では、SNSや書籍などで「持たない暮らし」という言葉が話題になっています。「持たない暮らし」はミニマリスト的な考え方であり、暮らしをシンプルにすることで快適なライフスタイルを目指します。
心にゆとりが生まれたり、物やお金の余計なストレスから解放されたりといったメリットが多く、実践したいという方も多いでしょう。無理のない範囲で「持たない暮らし」をするためには、実践のコツを知っておくことが大切です。
今回は「持たない暮らし」を実践するための具体的な方法や、成功させるためのコツについてお伝えしていきます。「持たない暮らし」を実現して、少しずつ人生を豊かにしていきたいという方は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね。
「持たない暮らし」とは、「本当に必要なものしか持たない」「無駄なものを持たずに本当に好きなものだけに囲まれて暮らす」ことを意味します。
持たない暮らしを始めると、無駄なものが削ぎ落され、必要なものや自分の好きなものだけで生活するシンプルライフを送ることが可能です。
現代社会では、欲しいものがすぐ手に入り、多くのものに囲まれて過ごしていますが、本当に必要なものというのは、実はそんなに多くはありません。
「ミニマリズム」とは、本当に生活に必要かという視点で、持ち物を必要最低限まで減らすことで豊かなライフスタイルを実現する考え方のことを指します。「持たない暮らし」も、本当に必要なものだけを持つという考え方においては「ミニマリズム」と同じです。
しかし、生活するのに最低限必要かという考え方ではなく、本当に自分にとって必要なものや好きなものが何かを考え、自分の軸に沿って取捨選択していく点が「ミニマリズム」と少し異なります。
「持たない暮らし」を始めると、ものを買うときに本当に欲しいのかを考えるようになり、無駄にものを買うことがなくなります。やがて不要なものがなくなり、ものを選ぶ時間や探す時間も削減できて、時間や心に余裕が生まれてくるのです。
「持たない暮らし」をすることで生まれた時間やお金を、やりたいことに優先して使うことで、精神的な充実感を得られます。
現代は便利な反面、大量生産・大量消費社会であり、その結果起こる大量廃棄という現実に心を痛める人もいるでしょう。
「持たない暮らし」で重要なことは、便利さの追求ではなく、むしろ不便さを楽しむことです。ひとつのものをさまざまな用途で工夫して使ったり、長く使うことで愛着が生まれたり、経年劣化を味わうことに楽しみを見出します。
自分の必要なものだけに囲まれるようになると、自然と心に余裕が生まれて、ものへの執着やイライラも減り、余計なストレスから解放されます。
部屋に使っていないものや不要なものが散乱して、ごちゃごちゃしているとだんだん心に余裕がなくなってくるでしょう。
ものが減ると、ものを持たなくても心が満たされるようになります。美しい景色やおいしい食事を楽しめるようになり、自然と心の豊かさに重きを置くようになるのです。
必要なものだけを持つようになると、無駄にものを買う必要がありません。衝動買いやセール品など、勢いで無駄にお金を使うことがなくなり、自然とお金も溜まるでしょう。
そうすると、本当に必要なものや好きなことに使えるお金が増え、どんどん生活は豊かになるはずです。
ものが少なくなると、広い部屋である必要がなくなり、今よりも小さい家に引っ越して家賃を下げることで、さらにお金が溜まる高循環が生まれます。
いらないものを捨てることに意識が向きがちですが、「持たない暮らし」では、よく知ってから購入することは結果として環境の配慮に繋がります。納得して購入したものは、大切に長く使い続けたくなるものです。
心から気に入ったものを購入するには、その製品やブランドをよく知る必要があります。ブランドや生産者が大切にしていることや、生産方法、労働環境、環境への配慮などを知り、考慮したうえで製品を購入検討するようになるでしょう。
ものに溢れた人生から抜け出して、もっとシンプルに、充実感に満たされながら暮らしたいと考えているあなたに、無理なく「持たない暮らし」を実現する方法をご紹介します。
いきなりすべてを変えるのではなく、小さなことから始めましょう。
持ち物の整理・断捨離を行う際に意識したいポイントは「今の自分にとって必要かどうか」です。
昔大切にしていたものや思い出の品、いつか使うかもしれないと取っておいたものなど、今不要なものは、案外たくさんあるかもしれません。
もったいないと思って結局捨てられなかったり、逆に思い切って何でもかんでも捨ててしまったり、最初は上手くできないこともあるでしょう。まずは、気負わずに無理のない範囲で始めてみてはいかがですか。
今買いたいと思っているものは、欲しいだけなのか、必要なのかを問うことで、自分なりの基準ができて、無駄に買うことが減ります。やがて持ち物は必要最低限のものに絞られるでしょう。
ものを買いたいと思ったときに、「今あるもので代用できないか」という思考が身につきます。実は、今あるもので替えがきいたり、工夫すれば買わなくても済むことがあるのです。
今はオンラインや、レンタルサービスの普及により、必ずしも自分で所持している必要はありません。
ものを買う際に、「迷ったら買わない」「1週間置いても欲しければ買う」など自分なりの基準を持ちましょう。
なぜ買いたいのかを一度立ち止まって考えることが大切です。安いから、セールだからと衝動的に買っている場合、本当に欲しいのでなく、買うこと自体が目的になっている場合もあります。また、人が持っているものが欲しくなるときもあるでしょう。
本当に自分に必要か考えたうえで買うことで、後悔せずに満足のいく買い物ができるようになります。
ものの必要性を考えるくせが身につくと、人間関係も同じように考えるようになります。「持たない暮らし」を行うと、ものとの付き合い方が変わるはずです。必要かを見極めて余計なものを買わず、一つひとつのものと向き合って最後まで大切に使おうとします。
人間関係においても、自分を偽ったり見栄を張ったりせずに、自分の価値観に合う人や自分らしくいられる人と深い付き合いをしていき、今までとは違う関わり方をするようになるはずです。
「足るを知る」ということは、「持たない暮らし」をするうえで必要な考え方です。
何が本当に必要で、何があれば満足なのかを自分の頭で考えることが大切。「持たない暮らし」は、本当に必要なものやお気に入りのものに囲まれて暮らせば、自分にとって何が必要かを知ることができるでしょう。まさにこれが、足るを知ることに繋がります。
もし新しくものが欲しくなったら、「足りている」状態を思い出し、原点に戻るように心がけましょう。
少し意識を変えるだけで、「持たない暮らし」に近づくことができます。自分のスタイルに合った方法で、できるところから取り入れてみてください。
自分の好きなものだけに囲まれた最小限の暮らしは、生活も気持ちもシンプルで身軽になるはずです。
まず、一日ひとつ何かを捨てる習慣をつけてみましょう。不要な書類やレシート、着ていない服などなんでもよいのです。できるところから始めてみてください。
あまりにもものが多いと、どこから手をつければいいかわからなくなり、結局やめて続かなくなってしまいます。
最初から全部を完璧にやろうとせずに、達成可能な小さい目標を設定して、少しずつレベルを上げていきましょう。そうすれば自然と捨てるくせがついてきます。
服や本、思い出の品など、いざ捨てようと思うともったいなく感じてしまうことがあります。まずは、もったいないという思考を変えて、手放す勇気を持ちましょう。
今の時代は、メルカリなどのフリマアプリで不用品を処分をする手段が増えてきました。
自分にとっては不要と思えるものでも、誰かにとっては必要であり、有効に活用されると思うことができれば幸せなことですし、ものを手放すことへの罪悪感も薄れていきます。
捨てることに慣れていない方は、最初はものを捨てるのに抵抗感が生まれるかもしれません。そんなときに、無理に捨てる必要はありません。
ストイックにどんどん捨てようとすると、捨てること自体が目的になってしまい、必要なものや気に入ったものに囲まれた暮らしという本来の目的を達成できません。
今不要だと判断したものを捨てていき、捨てるか迷ったときはいったん自分の目に入らないところに隠すなど、無理せずに挑戦してみましょう。
「持たない暮らし」は、身の回りのものを整理・断捨離するだけでなく、心がスッキリして、ゆとりを持って生活できます。ものへの執着をなくし、自分にとって本当に必要な物は何かを考え、本当に好きなものだけに囲まれて暮らせることは素敵です。
いきなりすべてを捨てる必要はありません。完璧を目指したり、他人と比べたりするのでなく、自分らしく満足いく方法で「持たない暮らし」を楽しんでみてくださいね。
