自転車は、手軽な移動手段として便利な乗り物です。しかし、故障したり不要になったりした場合に、どうやって処分すればよいか分からない人も多いのではないでしょうか。
実は、自転車の処分方法は自転車の状態により、粗大ゴミに出す・売る・譲るなどさまざまです。
本記事では、自転車を処分する方法と、処分前にやっておきたい防犯登録の解除方法を紹介します。自分に合った処分方法を見つけるために、最後まで読んでみてください。
乗れなくなった自転車の捨て方
乗れなくなった自転車を処分するには、自治体に粗大ゴミとして出すか、民間の自転車屋や不用品回収業者に引き取ってもらうことが一般的です。ここでは、自分に合った方法で処分できるように、それぞれの利用方法を解説します。
自治体の粗大ゴミ回収に出す
自治体が自転車を粗大ゴミとして回収する方法は、大きく分けて2種類あります。家の近くまで回収に来てくれる戸別回収と、粗大ゴミ処理センターに自分で直接持ち込む方法です。
どちらも有料で、戸別回収は一般的に500~1,000円、直接持ち込みは無料~500円程度でしょう。手間がかかる分だけ、直接持ち込む方が費用を抑えられます。
戸別回収
戸別回収をお願いする場合は、最初に粗大ゴミ処理センターへ申し込みが必要です。電話またはインターネットで回収日の決定と手数料の確認をしましょう。
手数料は粗大ゴミ処理券で支払うのが一般的です。コンビニやスーパーなどで購入し、受付番号や必要事項を記入して、自転車に貼り付けておきましょう。
回収日に指定された収集場所へ運んでおけば回収してくれます。収集場所は、戸建ては玄関先、集合住宅はごみ集積所であることが多いです。
直接持ち込み
直接持ち込む場合は、事前に確認してから行動しましょう。予約が必要だったり、家庭ごみの持ち込み時間が決まっていたり、直接持ち込みを行っていない自治体もあります。戸別回収と同様に、粗大ごみ処理券が必要な場所もあるので注意が必要です。
手数料は、金額が決まっている場合と粗大ゴミの総重量で決まる場合があります。総重量の場合は一定の重さに対して金額が決まっているので、自転車のほかにも処分するものがある人には安上がりでしょう。
自転車屋に処分を依頼する
有料で不要になった自転車を引き取ってくれる店舗があります。近所にあるならば、自治体に回収してもらうより簡単です。
自転車販売店やホームセンターなど、新しい自転車への買い替えを条件に引き取ってくれるお店もあります。買い替えを考えているなら、利用してみてはいかがでしょうか。販売店は自転車防犯登録所であることが多いので、防犯登録の解除も一度に済ませられるでしょう。
〈自転車を処分してくれる店舗と費用例〉
不用品回収業者へ依頼する
自転車以外にも処分したいものがある人、自治体の回収や販売店に持ち込むことが面倒な人、急な引越しで時間がない人は、不用品回収業者に依頼しましょう。電話をかけるだけで自宅まで回収に来て、運び出しもしてくれます。
料金はほかの処分方法より割高で、自転車だけ処分する場合は2,000~9,000円程度です。不用品回収業者のなかには、不法投棄や高額料金を請求する悪質な業者もいるので気をつけましょう。業者の公式サイトや口コミのチェックをすることが重要です。
まだ使える自転車の捨て方
まだ使える自転車を、粗大ごみにするのはもったいないですよね。状態がよければ、売ることもできます。汚れなどは、できるだけきれいに掃除しておきましょう。ここでは、まだ使える自転車にどのような処分方法があるかを解説します。
リサイクルショップへ売る
自転車の状態が良いのであれば、リサイクルショップへ売れます。気軽に持ち込めるリサイクルショップですが、自転車の専門知識を持っている店員は少ないでしょう。ロードバイクやマウンテンバイクなどは、自転車買取専門店へ持ち込むことをおすすめします。
リサイクルショップでは「防犯登録の解除」をしてくれるところもありますが、自分で先に済ませたほうが安心です。トラブル防止のためにも解除しておきましょう。
フリマアプリやオークションで売る
フリマアプリやオークションは、パソコンやスマホで簡単に売買できるので、多くの人が利用しています。
自転車を売るときに気をつけたいポイントは、梱包作業が大変で送料が高くなることです。これらを考慮せずに値段を決めてしまうと、配送料で赤字になることもあります。
また、売却後のトラブルを防ぐために、「防犯登録の解除」と「譲渡証明書の作成」をしましょう。これらを忘れると購入者が防犯登録できません。
売れやすい自転車は、ブランドの自転車、子供用、3人乗り電動アシスト自転車です。
自治体の無料回収へ依頼する
お店やフリマで売ることが面倒な人は、お住まいの自治体が無料での引き取りを行っていないか調べてみましょう。それぞれの自治体で引き取る条件は異なりますが、自分の自転車が条件を満たしていれば利用できます。
ただし、基本的に回収は行っていないので、指定の場所へ直接持って行かなければなりません。また、事前に「防犯登録の解除」を済ませておきましょう。
自転車買取専門店へ売る
ロードバイクやマウンテンバイク、電動アシスト自転車などは、自転車買取専門店を利用すると高値で売れる可能性があります。
自転車の専門知識を持ったスタッフが査定を行うので、状態やブランドを見きわめた査定をしてくれるでしょう。ノーブランドや中古市場で人気がないものは、買取ってもらえない可能性があります。
高く売るためには、複数店舗に査定を依頼し、高値をつけたお店を選ぶことです。また、リサイクルショップと同様ですが、「防犯登録の解除」をしておくとよいでしょう。
知人に譲る
お金や手間をかけずに処分したいなら、知人や友人に自転車がほしくないか聞いてみましょう。処分する手間が不要であり、譲った相手が知人なのでトラブルになりづらいです。
知人に譲る相手が見つからなかったら、「ジモティー」を利用してみましょう。手渡しできる相手に限定すれば、配送料がかからないので手軽に譲れます。どちらを利用するにしても、フリマ利用と同様に「防犯登録の解除」と「譲渡証明書の作成」をしておきましょう。
自転車を捨てる前に防犯登録の解除を
防犯登録とは自転車の所有者情報を登録することで、法律で義務化されています。解除せずに処分すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるので、必ず解除しましょう。ここでは、解除方法や解除しなくていい場合、起こりうるトラブルについて解説します。
解除方法
防犯登録は自転車を購入したときにお店でしてくれますが、解除するにはどのようにすればよいのでしょうか。一般的には、交番や警察署や「自転車防犯登録所」の看板が出ているお店(自転車屋・ホームセンター・スーパーなど)で手続きできます。
登録者本人か、同居している家族しか手続きを行えません。必要なものは、自転車本体、身分証明証(運転免許証・健康保険証など)、防犯登録カードです。防犯登録カードがない場合は、車体番号がわかる領収証や保証書で代用できる場合もあります。
解除しなくていい場合
防犯登録を解除しなくていいのは、有効期限が切れている場合です。自治体にもよりますが、有効期限が切れると自動的に抹消され、未登録の状態になります。
本来なら、有効期限が切れたら新たな防犯登録をし直さなければなりませんが、有効期限があることを知らない人も多いのではないでしょうか。
登録したのがいつか分からないときは、交番や警察署で確認してもらいましょう。身分証明書と、防犯登録カードか車体番号が分かるものが必要です。
忘れるとトラブルになる場合も
防犯登録の解除をせずに手放すと、予期せぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。自転車を手に入れた新たな所有者が、犯罪を犯し自転車を乗り捨てて逃走した場合に、防犯登録の情報から犯人として容疑をかけられてしまいます。
また、新たな所有者は、防犯登録ができずに乗ることになるでしょう。検問などで警察に照合されると、自転車窃盗の疑いがかけられます。防犯登録者にも説明が求められるかもしれません。
可能性は低いかもしれませんが、トラブルを防止するためにも、解除を済ませてから処分しましょう。
放置自転車の廃棄は手順厳守
私有地に放置自転車があった場合は、どうすればよいでしょうか。放置自転車でも他人のものですから勝手に処分すると、違法になる可能性があります。
その場合、警告をしてから処分することが一般的です。「〇〇日までに引き取らなければ撤去する」旨を記した通知書を貼ります。念のため写真を撮っておきましょう。あとでトラブルになった場合に、手順を踏んで処理したことの証拠となります。
期限までに引き取られなかったら、警察へ連絡しましょう。もし、盗難車と判明すれば警察が対処してくれます。事件性がなければ、廃棄しましょう。
壊れた自転車はすぐ処分しよう
壊れた自転車を自宅の敷地内に放置するのは、自分だけの問題ですが、賃貸物件の自転車置き場や共用スペースに放置すると、トラブルになる可能性があります。
使われずに放置された自転車は、錆が広がり景観を損ねることでしょう。自転車置き場に錆が移り、ほかの利用者に迷惑をかけるかもしれません。トラブルになる前に処分し、自転車置き場を無駄に占拠しないようにしましょう。
自分に合った処分方法を選びましょう
自分に合った自転車の処分方法は見つかったでしょうか。生活スタイルや処分までに使える時間など、それぞれの状況に合った方法を選んでください。
自転車の状態が良く売りに出すつもりなら、早く行動に移しましょう。使われない自転車は、劣化がすすむので価値を下げる原因となります。
大切に乗ってきた自転車ですから、最後まで手をかけてあげましょう。どの処分方法を選ぶにしても、防犯登録の解除は忘れずに。