使わなくなった化粧品を処分したいけれど、正しい捨て方が分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。ひとくちに化粧品といっても、中身のテクスチャーや容器の素材はそれぞれ異なります。
分別が面倒だからといってそのまま捨ててしまうと、中身が漏れだしたり容器が破損したりして、思わぬトラブルを引き起こすことも。自治体にはそれぞれゴミ出しのルールが定められているため、化粧品を正しく分別して処分することが大切です。
そこで本記事では、化粧品のアイテムごとの正しい捨て方を解説するとともに、「捨てる」以外の処分方法もご紹介します。化粧品の捨て方にお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
化粧品には使用期限がある
食品には賞味期限や消費期限が記されていますが、化粧品には使用期限が記されていないものがほとんどです。
そのため、一時的に使っていなかったファンデーションを再度使うと、数年前に購入した化粧品だったなんてこともありえます。
化粧品は直接肌に触れるものなので、古いものを使うと悪影響が心配です。
以下に化粧品の種類と、一般的に言われている使用期限をご紹介します。
- パウダーファンデーション:約1年
- マスカラ:約3ケ月
- 口紅:約1年
- 化粧下地:約半年
パウダータイプよりも水分の含有量が多いものの方が、使用期限が短いです。
化粧品の基本的な捨て方
化粧品はさまざまな種類があり、捨て方も種類ごとに細かなポイントがあるので知識が必要です。
まずは、どの化粧品にも共通する基本的な化粧品の捨て方を解説していきます。化粧品を処分したことがない人は、まず基本の処分方法を確認してください。
化粧品は「中身」と「容器」に分ける
ゴミとして化粧品を処分する場合、液体は回収できないので、できるだけ中身を空にして出しましょう。
ファンデーションやアイシャドウなどの固形でも中身は基本的に燃えるゴミであるため、容器とは中身を分けます。
容器は種類や自治体によってゴミの区分が異なり、プラマークが付いている容器はプラスチックゴミ、ガラス容器は資源ゴミ、そのほかは燃えるゴミ、燃えないゴミとして処分する自治体が多いです。
ただ、においや汚れがひどい場合は、ガラスやプラマーク付きのプラスチック容器も燃えないゴミとして扱われる場合もあります。
容器に中身が残らないようできるだけ洗ったり拭き取ったりして、正しい方法で処分しましょう。
自治体のゴミ処分ルールに従う
ゴミの分別区分は自治体によって異なります。
例えば横浜市のマニキュアの場合、ケースはプラスチック製容器包装で、中身は燃やすゴミ、ビンは燃えないゴミです。
香水の場合、ビンは燃えないゴミ、ふたなど、プラスチック製のパーツはプラスチック製容器包装に分別します。
正しく分別されていないと回収してもらえないので、化粧品をゴミとして出す場合には住んでいるゴミ分別のルールに則って正しく出してくださいね。
不用品回収の場合は化粧品の分別は不要
「処分したい化粧品が多い」「引っ越しの片付けで古い化粧品が出たので、早く処分したい」という人もいるでしょう。そんな場合には不用品回収を利用する方法もあります。
不用品回収を利用するときは、容器と中身を分ける必要がなく、手間がかからないことが一番のメリット。しかし、費用が掛かるので、ゴミとして出すときよりも割高になることは覚えておきましょう。
化粧品のアイテム別の捨て方
化粧品の基本的な捨て方はご紹介しましたが、化粧品は種類が豊富なので、細かく言うとそれぞれに処分方法は変わります。
いざ処分するときに戸惑わないためにも、ここではアイテム別の処分方法を詳しく解説。処分を考えている人はぜひ参考にしてください。
化粧水などスキンケア用品の捨て方
化粧水や乳液、美容液などのスキンケア用品の中身は、古い布やキッチンペーパーなどに吸収させて燃えるゴミとして出します。水道にそのまま流すのは水質汚染につながるので決してやってはいけません。
乾いてない状態なら袋に入れて処分しましょう。
容器は種類によって異なります。プラスチック容器なら燃えるゴミ、ビンやプラマークのあるプラスチック容器なら資源ゴミの日に出しましょう。
シャンプーなどヘアケア用品の捨て方
シャンプーやコンディショナーなどを処分する場合は、キッチンペーパーや古い布に吸わせて、ポリ袋に入れて燃えるゴミに出します。
中身がなくなったら容器を水でよくすすぎましょう。
シャンプーの容器はプラスチック製が多いですが、プラマークが付いている場合はプラスチックごみ、ないものは燃えるゴミの日に出すのが基本です。
ファンデーションなどベースメイク用品の捨て方
ファンデーションはリキッド・クリーム・パウダータイプなどさまざまなテクスチャーがあります。
リキッドやクリームタイプのファンデーションを処分する場合は、使わなくなった古い布やキッチンペーパーに吸わせ、パウダータイプは粉をティッシュやキッチンペーパーなどに包み、燃えるゴミで処分しましょう。
スポンジやプラスチック製の容器も燃えるゴミですが、ミラー付き容器の場合、ミラーが燃えないゴミのため、折って分別します。
アイシャドウやマスカラなどポイントメイク用品の捨て方
中身はティッシュやキッチンペーパーなどに包んで燃えるゴミに出します。アイシャドウがケースの角に溜まってとれない場合は、爪楊枝を使うと簡単にとれますよ。
チップやプラマークの付いていない容器も燃えるゴミですが、ミラーが付いている場合はミラーと容器を折って分け、ミラーは燃えないゴミとして処分する必要があります。
香水の捨て方
香水の中身は布やキッチンペーパーに吸わせます。においが強いので、吸収させたものをジッパー付きの袋に入れて口をしっかりと閉めて燃えるゴミに出しましょう。
容器はガラス・プラスチック・金属などさまざまなパーツが使われていますが、においが強い場合は、燃えないゴミとして捨てるのが一般的です。
住んでいるゴミの分別ルールを確認して正しく処分してください。
マニキュアの捨て方
中身が固まっている場合は、取り除くのが困難であるため、取り出さずにそのまま燃えないゴミに出しましょう。
中身が固まっていない場合は、古い布やキッチンペーパーなどに出して、燃えるゴミに出します。
容器はきれいにしてビンに出せるのが理想ですが、なかなかきれいにできない場合は燃えないゴミに出しましょう。
化粧品の間違った捨て方
片付けをしていて古い化粧品が出てきたら、ただ場所をとるだけなので早く処分したいものです。
しかし、正しい方法で処分しないとゴミを回収してもらえないばかりか環境汚染も心配ですよね。
ここからは、事前に知っておきたい化粧品の間違った捨て方を詳しくご紹介します。
化粧品の中身をトイレやシンクに流す捨て方はNG
化粧水や香水など、液体の化粧品は、水道やトイレに流せば手間がかからず処分できるのではと考える人も少なくないでしょう。
しかし、化粧品には種類にもよりますが、油分やアルコール、ほかにもさまざまな成分が含まれているため、化粧水や香水などを流すのはNG。
水道に流すと配管の劣化につながるほか、水質汚染などさまざまな悪影響を多く与えます。ゴミとして化粧品を処分する場合は、キッチンペーパーや捨ててもよい古い布などに含ませて、燃えるゴミとして出しましょう。
化粧品の中身が残ったまま捨てるのはNG
化粧品の中身は燃えるゴミになります。一方ビンやプラマークの付いたプラスチック容器は中身を出してにおいや汚れがなければ、資源ごみとして出せることがほとんど。
中身が固まって出せないマニキュアなどはそのまま不燃ゴミとして出せますが、分別が可能な場合はなるべく中身と容器を分けて出すのが理想です。
化粧品の中身や容器を分別しないまま捨てるのはNG
前述した通り、化粧品の中身と容器はゴミの区分が異なります。容器によってはプラスチック・ビン・金属などさまざまな素材のパーツが使われている場合も。
例えば、ミラー付きのコンパクトなら、鏡は不燃ゴミ、そのほかはプラスチック(プラマークがなければ燃えるゴミ)とゴミの区分が異なるため、折るなどして分けて処分しましょう。
化粧品を「捨てる」以外で処分する方法
「もらった化粧品があるけど使わなかった」「香水を買ったけど使い切れなかった」という人もいますよね。
部屋を片付けるために手放したいけど、まだ使用期限は切れていない、たくさん残っているという状態だともったいないです。
ここでは、不要になった化粧品の捨てる以外の使い道について解説します。
NPO法人などに寄付する
NPO法人に化粧品を寄付できる場合があります。
買ってみたものの肌に合わなかったという化粧品は、欲しくても買えない環境にいる人のために再利用可能。
半分以上残っていて状態の良いものなら寄付できる場合もあるので、それぞれのNPO法人公式サイトで確認してみてください。
フリマサイトやオークションサイトに出品する
「使ってみたいけど新品で買うと高いので、手軽に手に入れたい」という人に需要があるので、使いかけの化粧品や香水でも、フリマやオークションに出品して売れることがあります。
出品する際はトラブルがないように、未使用・開封済みなど、状態を詳しく記載するのがポイントです。
リサイクルショップで買取ってもらう
化粧品は店舗によりますが、リサイクルショップでも買取ってもらえることがあります。
使いかけの香水でも、半分以上残っていれば買取対象になる場合も。
自分は気に入らないと感じても、欲しい、試してみたいという人はいるので「売れないだろう」と最初から諦めて捨てる前に、買取店やオークションサイトをチェックしてみてはいかがでしょう。
化粧品を正しく処分・再利用して部屋をすっきり片付けよう
化粧品はスキンケア・ベースメイク・部分メイクなど、こだわればこだわるほど種類が増えがちです。
使い始めはよくても肌に合わない、香りが飽きたなど途中で使わなくなることもありますよね。使用期限が過ぎた場合には、自治体のルールに合わせた捨て方で正しく処分しましょう。
化粧品は使用期限内なら捨てずに寄付や売ることも可能なので、処分する前に状態や使用期限をチェックしてみてください。