ミニマルな暮らしとは?|意味やミニマムとの違いを解説

ミニマリスト

ここ最近「ミニマル」や「ミニマリスト」という言葉が注目されるようになり、実際にミニマリストになっている人やミニマルな暮らしをする人もよく目にするようになりましたよね。

しかしなぜ「ミニマル」が注目されているのか、理由を知らない人も多いのではないでしょうか?

実は単に「身軽は快適だから」ではなく、その背景には地球環境や途上国の労働環境といった社会問題が関係しているのです。

また「ミニマル」を「ものが極端に少ない状態」と勘違いして、本当に必要なものまで処分してしまい、また買い直すといった本末転倒なパターンもよくあります。それでは何のための「ミニマルな暮らし」か分かりませんよね。

「ミニマル」について正しい知識をもち、自分と人と環境を考えられる「ミニマリスト」になるために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

ミニマルってどんな意味?

ミニマリストのおかげで「ミニマル」という言葉が浸透してきましたが、「ミニマム」という言葉と混同していませんか?

似たような言葉ですが、軸となる考え方はかなり違うもの。

ここでは、ミニマルとミニマムの違いについて紹介していきます。

「ミニマル」と「ミニマム」の違い

ミニマルは英語で「minimal」と表記し、「できるかぎりわずかの」「必要最低限の」という意味です。一方で、ミニマムは英語で「minimam」と表記し、「最小単位」「必要量」という意味を指します。

ミニマルもミニマムは「最小であること」は同じですが、必ずしも「ミニマル(必要最低限の)」が「ミニマム(最小単位)」であるわけではない点が異なります。

例えば、自分の最低限の生活をするなかで、服や下着一枚だけ(ミニマム)ではとても生活を快適にできません。自分が快適に過ごすための最低限の量や質(ミニマル)は、その人によって異なります。

ミニマムは数値として量や単位が決まっているのに対して、ミニマルはその人にとっての最小の量や数値が異なるという点が、2つの言葉の違いです。

ミニマムは量、ミニマルは量だけでなく質を考えるという点も違いますね。

ミニマルを目指す人=「ミニマリスト」

ミニマリストの部屋

ミニマルとミニマムの違いについて分かったところで、ここからは「ミニマリスト」について考えていきます。

ミニマルを目指す人=「ミニマリスト」ということは分かりますが、ミニマリストの価値観や考え方はどのようなものなのでしょうか。

ミニマリストとは?

ミニマリストとは、「ものを必要最低限しか持たない生活を実践する人のこと」を指します。

自分にとって「ミニマル(必要最低限の)」な暮らしをするために何が必要で何が必要でないかを考え、無駄なものは持たず、必要なものしか買わないミニマリストは、質の高い暮らしをしているともいえるのではないでしょうか。

ミニマリストにとって一番重要な軸となるのは「自分にとって本当に必要なものは何か」を考えること。

流行や人に影響されず、「自分にとって心地いい暮らし」を追求するという考え方は、世界中に広がっています。

ミニマリストの生き方

ここからはミニマリストの生き方に注目していきましょう。

ミニマリストの考え方の軸にあるのは「自分にとって本当に必要なものは何か」ということ。ミニマリストの生活には、自分にとって心地いいもの、自分の生活を豊かにしてくれるものに囲まれています。

それはものだけでなく、時間や価値観に対しても同じ。

できるだけ無駄なものをなくしたからこそ生まれた時間を、自分の心を豊かにするために使い、自分を豊かにしてくれる人間関係を作っていきます。

ミニマリストの考え方は、他者との比較ではなく常に自分との対話になるので、自分の価値観を大切にしている人が多いようです。

また、「自分の好きなものを長く使う」という考え方もあるので、ミニマリストの生活は環境保全やエシカル思考ともつながりが深いともいえます。

3ステップでできるミニマルな暮らし

ここからはミニマルな暮らしをするための3ステップについて紹介していきます。

STEP①:不必要なものをもたない
STEP②:長く使える物を選ぶ
STEP③:食材の無駄をなくす

どれも今日から実践できることばかりなので、自分のできることから始めてみてはいかがでしょうか。

それでは詳しくみていきましょう。

STEP① 不必要なものをもたない

必要最低限の生活をするためには、「不必要なものをもたない」というのが一番大切。

不必要なものを持たないためにはどうすればいいのか、持たないことで得られるメリットについて紹介します。

ものを減らせば時間も空間も有効活用できる

ものを減らすと、ものを片付ける作業が減り、部屋が常にキレイになります。

片付ける時間がなくなった分、その時間を別の作業に充てられ、自分のための時間を多く確保できることがメリットです。新しい趣味を始めたり、好きなことに集中する時間を多く取ったりすることができるので、自分の生活の質が上がります。

また、不必要なものが減った空間には、自分の好きなものを置くことができるというメリットも。部屋のインテリアを変えたり、観葉植物などを置いてリラックスできる環境を作るのもおすすめです。

手放し方もエシカルに

不必要なものはもたないという考えはとても大切ですが、その不必要なものを手放す際も、ミニマリストならではの方法があります。

ミニマリストのライフスタイルは、環境保全やエシカルな考えにつながっていると説明しました。ものを手放す際も、エシカルな方法を活用していきます。

  • 着なくなった服は、ただゴミ箱に入れるのではなくリサイクルショップに持っていくことで次の人が使えるようにする。
  • 要らなくなった備品などは寄付することで、それを必要としている人に届けられる。
  • 譲ったり回収ボックスと利用することで、他の誰かの手に渡り、その人に必要なものとして使ってもらえる。

まだ使えるものを捨ててしまうのはもったいないですし、環境破壊につながってしまいます。自分の不必要なものは誰かの必要なものかもしれないという意識を持って、捨てる以外の選択肢で、手放すようにしてみてください。

STEP② 長く使える物を選ぶ

必要最低限の生活をするためには、「長く使える物を選ぶ」ということも大切です。

長く使うことで、ものを捨てる回数を減らせます。ものを捨てると、廃棄の過程でCO2が発生。環境を守るためにも、自分の好きなものを長く使うようにしましょう。

サスティナブルなものを選ぶ

長く使えるものを選ぶ際の基準のひとつに「サスティナブルなものを選ぶ」という方法があります。

サスティナブルなものというのは、地球環境や社会の持続可能性、未来に配慮して作られた商品のことです。例を挙げると、100%古紙を再利用して作られたノートや廃棄ガラスのみで作られたコップなどがあります。

捨てられるはずのものを再利用した商品や、フェアトレードなど発展途上国との格差をなくそうとしている商品など、探してみるとサスティナブル商品はあちこちに多数存在。

自分が買いたいものを探す際に、同様の商品にサスティナブルなものはないかを意識してみてください。

使い捨てをやめる

使い捨てをやめるという方法も、長く使えるものを選ぶ際の基準のひとつです。

使い捨てをやめることで、ひとつのものを長く使う習慣がつき、環境保全にも繋がります。

家の中にあるもので、使い捨て以外の方法がある品物は、意外とあることを知っていますか。

例えば、ラップやマイボトル、お弁当箱など。特にお弁当は、毎回コンビニでお弁当を買って捨てる生活をやめて、お弁当箱にお昼ご飯を入れて毎日違うものを食べるという生活にするだけで、環境にも自分の体にも優しいというメリットがあります。

最近でいうと、スーパーなどのレジ袋が有料になり、マイバッグを利用する人が増えてきました。使い捨てをやめて、何度も使えるマイバッグに切り替えた良い例です。

STEP③ 食材の無駄をなくす

「食材の無駄をなくす」ということも、必要最低限の生活において大切です。

食材の無駄は、廃棄に直結します。ミニマリストとして必要最低限の暮らしをするために、食材についても考えていきましょう。

食べられる量だけ購入する

食材の無駄をなくすために一番大切なのは、食べられる量だけ購入すること。

買い物をする際に、「安いから」「お得だから」という理由で大量購入してしまった経験はありませんか。

買ったものを全部使い切ることができるのなら問題ありませんが、使い切れずに腐らせてしまったり、賞味期限が切れて捨てたりする結果になるのであれば、食材を無駄にしています。

あえて賞味期限が早いものから購入することで、積極的に使い切る意識が持てるのでおすすめです。

自分の食べられる量を把握して、無駄のない買い物をすることで、結果的に「お得」に生活できます。

ローリングストックを活用

ローリングストックとは、災害に備えて普段から備蓄を一定量確保しておき、定期的にその備蓄を食卓に出すことで、備蓄を効率良く保管しておく方法です。

ローリングストックのメリットは、備蓄を無駄にしない点です。

大きな災害に備えて、まとめて防災セットを購入したがまったく触っていないという人は多いはず。

防災セットに含まれるレトルトカレーや乾パンなどの備蓄には、賞味期限があります。知らない間に賞味期限が切れていて、いざというときに食べられなかったという事態は防ぎたいですよね。

ローリングストックを活用して定期的に備蓄を新しくすることで、無駄をなくすだけでなく、いざというときの使い方や食べ方も分かり、防災としても役立ちます。

フードドライブに寄付する

フードドライブを利用する方法もあります。

フードドライブとは、家で使い切れない未使用食品をフードバンク団体や地域の福祉施設・団体などに寄付する活動のことです。

食べ物を無駄にしないために、あらかじめ食べ切れないと思った食材を本当に必要としている人たちに届けるという考え方は、ミニマリストの価値観と一致しています。

寄付するためには、未開封のもの、常温保存のもの、賞味期限が2ヶ月以上あるものなどの条件があるので注意してください。

ファミリーマートでは、全国1,900ヶ所の店舗でフードドライブを実施中です。自分の家の近くの店舗で寄付してみてはいかがですか。

ミニマルが注目されたきっかけは社会問題!?

ミニマルという言葉が注目されたきっかけは、社会問題だということを知っていますか。

ここでは、ミニマルという言葉が注目されたきっかけを3つ紹介していきます。

きっかけ① 大量生産・大量消費

1つ目のきっかけは、大量生産・大量消費です。

イギリスの産業革命をきっかけに、多くの工場で大量生産が可能になりました。日本では、高度経済成長期になって工場が増え始めたことで、さまざまな製品の大量生産が可能になり、安価な製品が市場に出回るようになりました。

安価なものが大量に出回ることで、消費者の意識も変化して「壊れたら新しいものを買えばいい」という、使い捨ての考えが広がります。その結果、まだ修理すれば使えるものまで廃棄する人が増えてしまいました。

この結果から、必要なものを長く大切に使うというミニマルな考え方が見直されています。

きっかけ② 環境破壊

2つ目のきっかけは、環境破壊です。

大量生産・大量消費が世界各国に広がることで、工場の稼働率や、製品の排気量も増加します。

その結果、工場などから排出される有害汚染物質が海に流れて海洋汚染が広がり、捨てられたゴミを埋め立てる場所がなくなってゴミ問題が発生。工場を動かしている石油やガスからは有害物質が排出され、環境破壊が起こりました。

私たちが、大量生産・大量消費をやめない限り工場は稼働し続けるので、環境破壊は現在進行形で、世界中に広がっています。

自分たちの住む環境を守るためにも、「環境破壊の原因である大量消費を止める」という考えがミニマルの価値観です。

きっかけ③ 不平等・劣悪な労働環境

3つ目のきっかけは、不平等・劣悪な労働環境です。

以前、ファストファッションの製品を作る工場での低賃金生産者や劣悪な労働環境が問題になりました。

ファストファッションの製品を作る工場のほとんどが発展途上国にあり、そこの労働者は、日本では考えられないような低賃金で働かされていたという事件です。

ファストファッションは安くて大量消費されることの多い商品。そうした商品を大量生産するには、生産時のコストを下げる必要があります。それは人員にかけるコストも同じ。

つまり、大量生産・大量消費は、発展途上国の人々の生活などの大きな犠牲のもと成り立っていたということです。

この結果、エシカルやミニマルという考え方が広がっていきました。

ミニマルと通じる「エシカル消費」

ミニマルという考えが広がるのと同時に、エシカルという考えも広がっていきました。ミニマルとエシカルは通じるものがあります。

エシカルとは、「倫理的、道徳的」という意味で、エシカル消費とは、エシカルの言葉から派生して「地域の活性化や雇用などに関係した、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のこと」を指します。

エシカル消費の例を出すと、地域に配慮した地産地消の考え方や、社会に配慮したフェアトレード商品の購入、環境に配慮したエコバッグの使用などがあります。

これらの例は、先ほど紹介した、ミニマルという考えが広がったきっかけにもなった大量生産、大量消費を防ぐためのミニマルな暮らしと似ている部分が多いです。

エシカル消費は、ミニマリストの「最低限のものしか持たない暮らし」の考え方と似ている部分が多いのではないでしょうか。

ミニマルな暮らしはSDGsにもつながる

ミニマルな暮らしはSDGsの考えともつながっています。SDGsとは何か、どんな目標があるのかについて詳しく見ていきましょう。

SDGsとは?

Sustainable Development Goals

出典:日本ユニセフ協会

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」という言葉の略です。2015年9月に国連サミット加盟国で採択されました。

採択されたきっかけは、現在進行形で起こっている全世界の貧困、紛争、気候変動、感染症などの現状を危機と捉えたため。この状況がこのまま続いてしまえば、人類が安定してこの世界で暮らし続けることができなくなると予想されます。

この目標は、そんな未来を全世界で協力して防いでいくための方法として、2030年までに達成すべき具体的な内容を12の項目で示されました。現在では、多くの人や企業がこれらの項目を守り、将来のために行動しています。

ミニマルで貢献できるSDGs目標

ミニマルな考え方は、SDGsの目標のいくつかと一致するものがあります。

ミニマルな考え方ともっとも近い目標は、SDGsの目標12の「つくる責任つかう責任」です。

これは、言葉の通り生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守るために責任のある行動を取る必要があるという考え方。ミニマルな考え方は、このSDGsの目標の使う側の責任と一致しています。

無駄なものを出さないために、自分の持っているものを長く大切に使うという考え方や、自分にとって不必要になったものは他の人に譲ることで廃棄を防ぐという考えは、地球の環境と健康を守る坑道に繋がっています。

ほかにも、目標10にある「人や国の不平等をなくそう」という考え方は、先ほど説明した大量生産の裏側にある不平等・劣悪な労働環境を変えるために、ひとつのものを長く大切使うという考え方や、フェアトレード商品を積極的に購入するといったミニマリストの価値観と一致しています。

ミニマリストとSDGsは、さまざまな視点で共通していることがわかりますね。

ミニマルな考え方で、自分と環境にやさしい行動を進めよう

ミニマルという言葉の考え方について、言葉の意味やミニマルという言葉が注目されたきっかけ、エシカルとの違いやSDGsの考え方との親和性について紹介しました。

ミニマルという考え方は、自分の生活の質を高めるだけでなく、自然環境や地球全体の保全などにも役立つということが分かりましたね。

簡単に始められる項目も多数紹介したので、自分のできることから少しずつ始めてみてください。

小池|KOSOTTO編集部

小池|KOSOTTO編集部

元バッグセレクトショップ店員。旅行とファッションが好き。古着をきっかけにサステナブルファッションについて興味を持ち、勉強中。

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