エシカル消費って何?具体例や重要性について解説

SDGs

近年話題になっている「エシカル消費」。そもそもエシカル消費ってなんなの?実際にどのような取り組みがされているの?という疑問を持っている人は多いはずです。

「エシカル」とは、英語で「倫理的な」という意味の言葉で、直訳すると“倫理的な消費”という意味。

しかし、言葉の意味を聞いただけでは、具体的なイメージが湧きにくいですよね。

この記事を読んで、エシカル消費の意味と具体的な取り組みについて理解していただければ、何も知らなかったときに比べて社会的な課題に対する知識の幅が広がるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

エシカル消費って?

消費者庁において、エシカル消費は「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。」とされています。
簡単にいうと、自分だけではなく、自分以外の人や社会、地域、環境のためになるような消費活動をしましょう、ということ。

例えば、

  • 輸入品ではなく、住んでいる地域で生産されたものを消費する
  • 不当な低賃金労働のもとではなく、働き手の人権を尊重したうえ作られたものを買う
  • 障害を持った方やマイノリティの方を積極的に採用した企業の商品やサービスを買う

などが、エシカル消費に該当します。

このようなエシカル消費の考えは世界中で急速に広まっており、日本でも推進されています。

近年では、日本でもエシカル消費を推進している

そもそもエシカル消費は、1989年にイギリスの専門誌で使われるようになった消費概念。環境破壊や貧困などの問題が、消費行動に関する危惧を引き起こした結果、うまれた考え方です。

現在欧米を中心として世界的に注目が集められていますが、エシカル消費がこのように注目されるようになったのは、2015年に国連で採択された「SDGs」が主な要因。SDGsの17の目標のなかのひとつに、エシカル消費の意識が高まるような事項が設定されたのです。

日本も例外ではなくエシカル消費を推進しており、環境省と消費者庁が呼びかけています。

消費者庁において2020年に取りまとめられた「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書によると、エシカル消費という言葉の認知度が2016年の調査に比べて3年間で2倍以上上昇したそうです。

SDGsとエシカル消費の関係性

SDGs(持続可能な開発目標)とは2030 年までに達成すべき17つの目標のこと。貧困や格差、気候変動など、私たちが直面するグローバルな諸課題の解決を目指すものです。

そのなかの目標12である「つくる責任、つかう責任」における、「持続可能な生産・消費形態の確保」がエシカル消費に該当します。

エシカル消費は、大量生産の結果生まれたものの消費をしないこと、人権に配慮したうえでつくられたものを消費することを促します。つまり、環境破壊や食糧危機、貧困など、SDGsで解決すべき問題として挙げられているものに対する有効手段となるのです。

エシカル消費の具体例


エシカル消費を実践してみることは、難しいことではありません。普段の生活のなかで実践できる場面はたくさんあります。

例えば、毎日の買い物。具体例としては、

  • マイバッグを持参する
  • リサイクルできる商品を購入する
  • フェアトレード商品を購入する
  • 食品ロスを減らす
  • 過度な買いだめをしない

などが挙げられます。

また、日常生活においては、

  • 使い捨てプラスチック製品の使用を減らす
  • マイボトルを持ち歩く
  • リユース・リデュース・リサイクルを心掛ける
  • 地域のルールに沿ったゴミ分別を徹底する

などが挙げられるでしょう。

エシカル消費の意義とは

エシカル消費に取り組むことで、地球規模の課題を解決に向かわせることができるのはもちろん、企業の経営などにもメリットがあります。

エシカル消費は社会全体に良い影響をもたらし、循環型社会を実現することが可能となるのです。

SDGsの目標達成に関連している

前述した通り、SDGsは貧困、格差など規模の問題の解決と併せて、12番目の目標として「つくる責任 つかう責任」つまり「持続可能な生産・消費形態の確保」を掲げています。

よって、エシカル消費を各々が意識していくことが、同時にSDGSの目標達成に近づくことにつながるのです。

全員が参加できる取り組み

エシカル消費は全国民の課題であるため、一人ひとりが自覚を持ち実践に移すことが重要です。

例えば、貧困や地球温暖化などの世界規模の課題をひとりだけの力で解決するのは難しいでしょう。しかし、それぞれが主体性を持ってエシカル消費を行えば、少しずつではあっても解決に向かわせることができるはずです。

日々の生活の何気ない行動を見直してみてください。そこにはきっと、社会の問題の改善につながる糸口があるはずです。

企業と消費者をつないでくれる

消費者の間にエシカル消費が広まれば、当然消費者はエシカル消費に取り組む企業の商品やサービスを提供している企業のものを選ぶでしょう。

企業はエシカル消費の推進により、イメージアップを図ることもできます。

また、エシカル消費を認識し推進する企業が少ないなか、いち早くそのような考えを取り入れビジネスモデルを構築すれば、他社との差別化を図れます。その結果、投資の対象にも選ばれやすくなるでしょう。

このように、エシカル消費は企業と消費者とをつなぎ、社会的に貢献できるのはもちろん、新たなビジネスチャンスを得る機会にもなるのです。

エシカル消費の課題


意義やメリットが多くあることで世界的にも拡大傾向にあるエシカル消費。しかしそんなエシカル消費にも課題が多く残されています。

課題を把握し、対策を講じることが今後重要になってくるでしょう。

日本国内での認知度が低い

日本国内でのエシカル消費の認知度は徐々に上がってきているとはいえ、電通による2022年の意識調査では、「エシカル消費」という言葉を知っていると答えた人は41.1%でした。

また、「意味まで知っている」人の割合は6.9%にとどまっており、エシカル消費への関心度は15.3%と低く、関心度のアップも課題のひとつです。

このように、エシカル消費への認知度や関心度が低いことの問題点として、エシカル商品が売れないということが挙げられます。

エシカル商品は大量生産された商品などと比べ生産コストや人件費が高く、商品の価格も当然高くなってしまうのは避けられません。

その結果、エシカル消費を知らない人にとっては「ただ価格だけ高い商品」というイメージになってしまうのです。

上辺だけのエシカル消費が増えている

エシカル消費の話題が高まることで、エシカル消費に取り組んでいる企業の社会的評価が高まるのは当然です。そのことを利用した、見せかけのエシカル消費が増えてきてしまっているのも課題のひとつでしょう。

例えば、環境に配慮しているような見せ方をしておいて、実際は根拠のない商品が売られてることもあります。

このようなことを防ぐためには、エシカルの認証マークなどで見極めることが重要です。

しかし、エシカル消費の認証マークは取得が難しく、コストがかかることから、企業の取得につながらない点が問題点として挙げられています。

エシカル消費を理解し、身近なことからはじめてみましょう

本記事では、エシカル消費の意味や具体例、SDGsとの関連性などについて紹介してきました。

エシカル消費という言葉を耳にしたことはあったけれど、具体的にどういった消費行動が該当するのか今までよく分からなかった、という方もいるのではないでしょうか。

エシカル消費は具体例でも挙げたように、日常生活においてほんの少し意識を変えるだけでできるものです。

まずは、身近なことからはじめてみましょう。私たち一人ひとりが意識し行動することで、経済や社会へ影響を及ぼすことが可能となるのです。

KOSOTTO編集部

KOSOTTO編集部

買取プラットフォーム「ウリドキ」、リユースに特化したWEBメディア「ウリドキプラス」を運営するウリドキ株式会社が立ち上げた暮らしメディア「KOSOTTO」。買取・リユースをはじめ、「手の届きやすい身近なところからエコ・サステナブルな生活を実践してもらいたい」をモットーにコンテンツ制作を行なっています。

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