「いらない洋服を減らして、自分のお気に入りだけを着て暮らしたい」と思っても、ワードローブ(クローゼット内にある衣装)を整理するのは難しいですよね。
ミニマリストが洋服をどのように選んでいるかを知れば、自分が本当に要るぶんだけで着回せるので、モノをすっきり減らせます。
自分が持っている洋服を知っておかないと、お買い物のときに何がクローゼットにあったかわからなくなり、ついつい同じような服を衝動買いしてしまうかもしれません。
この記事を読めば、ミニマリストのように洋服をすっきりと減らして、お気に入りだけに囲まれた暮らしを楽しめます。ミニマリストが持っている洋服やおすすめのコーディネートも紹介するので、生活にぜひ取り入れてみてください。
そもそも「ミニマリスト」とは
ミニマリストとは、身の回りのものをなるべく減らして、本当に必要なモノだけで暮らす人を指します。
ミニマリストは「最小限の」という意味を持つ「minimal」から生まれた言葉です。自分にとっての「最小限」を目指していれば、ミニマリストを名乗る資格や、明確なものさしなどはありません。
洋服に関しても「ワードローブが何着以下」という決まりはなく、愛着のあるお気に入りのものだけで着回している人は、みなミニマリストと呼ぶことができます。
何着必要?ミニマリストが持つ洋服の選び方
ミニマリストを目指すには、何着くらい洋服を持っていればいいのでしょうか?
ここでは、ミニマリストが持つ服の数と、洋服の選び方を解説していきます。
持つ洋服の数(上限)を決める洋服の数
ミニマリストが持つ洋服の数は、平均して年間で20着ほど+冠婚葬祭用です。
洋服の必要量は人によって違うため、ミニマリストは「トップスは○着まで」「クローゼットのここからここまで」など、数もしくは空間で自分の基準を決めています。
持っている洋服を減らすには、まず以下のカテゴリで分け、何着あれば無理なく着回せるかをざっくり知ることが大事です。
- トップス(ニット・ブラウス・Tシャツなど、ワンピースも含む)
- ボトムス(スカート・パンツ)
- 羽織もの(ジャケット・カーディガンなど)
- アウター
次に、今クローゼットにどれくらい余分な服があるのかを調べ、1年以上着ていない服や、体型・年齢の変化により着れなくなった服を優先して処分します。
季節ごとに少しずつ洋服を減らしていけば、自分で決めた基準内におさめていくことができますよ。
自分のパーソナルカラーを知る
引用:R Dresser
ミニマリストのように洋服を自分で必要なものだけにしぼるなら、パーソナルカラーを知ることも大切です。パーソナルカラーとは、髪・目の色・肌・唇などの生まれ持った色から、その人を引き立てる色を指します。
プロのアナリストに診断してもらったほうが正確ですが、簡易診断サイトでもパーソナルカラーを調べることが可能です。
パーソナルカラー診断をすることで、「赤系だと朱色が似合う」「ピンクのなかだとサーモンピンクが似合う」など、より自分をきれい綺麗に見せてくれる色がわかります。
〈パーソナルカラーの分け方〉
色相(色味)による分け方 (2種類) | ・イエローベース(春・秋) ・ブルーベース(夏・冬) |
明度・彩度(鮮やかさ)・清濁(にごりの度合い)による分け方 (4種類) | ・春(Spring):明るく華やかな色味が似合う ・夏(Summer):淡くソフトな色味が似合う ・秋(Autumn):温かみのあるディープな色味が似合う ・冬(Winter):原色系やモノトーンが似合う |
生まれ持った色をもとに診断するパーソナルカラーは原則として一生変わらないため、一度調べておけば洋服やメイク用品を選ぶときに便利です。
シンプルなデザインを選ぶ
ミニマリストは、洋服を減らしてうまく着回していくために、シンプルな服をベースにしています。
色であれば白や黒、柄でいえば無地など、ベーシックなアイテムを持っておけば、流行に左右されにくく、ほか他のどんな洋服にも合わせることが可能です。
花柄・ストライプなどの柄物は、たまに着て楽しむ2~3着くらいにおさめておくとよいですよ。必要最低限の洋服でいろいろ組み合わせるためにも、シンプルなデザインのものをコーディネートの中心に据えましょう。
傷みにくい、手入れしやすい素材を選ぶ
ミニマリストは、洋服を新しく買うときに傷みにくい素材を選んでいます。
同じ服を月に何回も着回すと、1着あたりの洗濯回数も多いです。いくら洋服を必要最低限に減らしても、長持ちさせなければ毎シーズン新しいものが必要になり、お金がかかってしまいます。
さらにお手入れが必要な洋服の場合、だんだん洗濯するのが面倒になり、クローゼットから取り出さなくなってしまうかもしれません。
傷みにくく、洗濯機で洗える綿やウール、ポリエステルなどの素材を使った洋服であれば、オールシーズンにわたって何回も着ることが可能です。
季節を問わない素材を選ぶ
ミニマリストのように少ない洋服で暮らすなら、季節を問わない素材を選ぶことも重要です。夏しか着られない薄手のノースリーブや、冬にしか着ない分厚いニットなどを買ってしまうと、季節ごとに洋服を用意しなければなりません。
一年通して着回すことを考えるのであれば、1枚で着ても、羽織ったり重ね着したりしてもよい、温度調整ができるアイテムを選んでみてください。どうしても季節感を取り入れたいのであれば、帽子やピアス、ショールなど、小物を使ってアレンジするとよいでしょう。
新しい洋服を買うときは、春夏用・秋冬用それぞれのボトムス、春・夏・秋に使えるインナーなど、2~3シーズン使えるものをチョイスするのがおすすめです。
持っておきたい洋服の種類
ミニマリストは、どのような洋服コーディネートを楽しんでいるのでしょうか?
ここでは、多くのミニマリストが愛用している、着回しやすい洋服をご紹介します。
ワードローブの基準になる「白シャツ」
ミニマリストが持つ洋服のなかでもとくに人気なのが、シンプルな白シャツです。
さまざまな洋服と組み合わせやすい白シャツは、ミニマリストにとってワードローブの基本といえるでしょう。
シンプルな白は上品さが演出でき、使い回しもきくので、ボトムスを変えるだけでかわいらしくもキレイめにもできますよ。
身長や体型に合わせて、無地のカットソーやTシャツなど、フィットする白シャツを持っておくのがおすすめです。
コーディネートの幅が広い「ワンピース(ロングシャツ)」
1枚持っておくだけでいろいろな着回しを楽しめるワンピースは、多くのミニマリストが持つ洋服です。
ワンピースやロングタイプのシャツは、以下のようなコーディネートが楽しめます。
- 夏はシンプルに1枚で着る
- ベルトをしてウエストラインに変化をつける
- 冬はニットやベストを重ね着して、スカート風に見せる
半袖・薄手の長袖と2着のワンピースを持っておけば、重ね着を駆使して一1年間着回せます。
ミニマリストのSNSなどでもいろいろなコーディネートを見ることができ、組み合わせには困らないので、ぜひ1枚ワードローブに加えてください。
秋冬に欠かせない「ニット」
多くのミニマリストは、秋冬服のコーディネートにニットを取り入れています。
春・秋用の薄手ニットと、1枚で着てもインナーとして着てもよい厚手ニットの2つがあると、着回しも楽です。
Vネックやタートルネックなど、首元は自分の好みで選び、おしゃれを楽しみましょう。
仕事場に履ける「スラックスパンツ」
スラックスパンツとは、スーツジャケットの下に履けるようなパンツを指します。近年では足をすらっと見せる、中央に線の入ったものが多いです。
スラックスパンツを1本持っておくと、仕事場や親戚の集まりなど、「きちんと感」を出したいときに役立ちます。ミニマリストは私服としても履けるよう、シンプルで組み合わせやすいデザインを選んでいますよ。
歩き回る仕事であれば、動きやすいストレッチ素材のものもおすすめです。
やわらかい雰囲気を出せる「スカート」
女性らしいやわらかな雰囲気を出してくれるスカートは、お出かけやママ友とランチ会をする日など、普段よりもおしゃれをしたいとき用にいくつか持っておいたほうがよいでしょう。
自分の好みや体型に合わせて、以下のなかから2~3着選んでみてください。
- ぴたりとボディラインに沿った「タイトスカート」
- 折りひだによる立体感がある「プリーツスカート」
- ウエストからすそにかけてふわりと広がる「フレアスカート」
膝下~足首丈くらいのものを選ぶと、いろいろな洋服と合わせやすいです。
華を添えてくれる「カーディガン」
中に着ているのがシンプルなトップスでも、カーディガンを合わせればぐっと印象を変えられます。
袖を通さずに肩にかけたり、白や黒のシンプルなコーディネートにカラーカーディガンを合わせて、差し色にするのもおしゃれです。
薄手のカーディガンは春・秋だけでなく、夏に冷房がききすぎた時にも役立つため、ミニマリストが持つ洋服のなかでも人気があります。
春秋も使える「ロング丈コート」
秋・初冬・春に使えるロング丈のコートも1~2着持っておくのをおすすめします。
アウターは他のアイテムに比べて値が張り貼りますが、トレンチコートやノーカラーコート(えりがないコート)など、お気に入りが見つかれば、数年使い続けることが可能です。
真冬用のダウンなどは1着だけにして、なるべく冬以外も使えるコートを選ぶとよいですよ。
ミニマリストは、洋服のなかでもとくにクローゼットを圧迫するアウターを最低限の数で抑え、上手に着回しています。
少ない洋服で着回すためのポイント
「少ない洋服でいろいろな着回しパターンを作るのは難しそう…」と思うかもしれませんが、いくつかのポイントを抑えておけば簡単です。
ここでは、ミニマリストが洋服を着回すときのポイントをひとつひとつ解説するので、ぜひ取り入れてみてください。
アクセサリーで印象を変える
少ない洋服で着回しを考えるときは、アクセサリーで印象を変えましょう。
ピアスやネックレス、ベルトなど、お決まりのコーディネートに差し色や季節感を加えるアイテムを揃えておくと、おしゃれを楽しめますよ。
ミニマリストは洋服の数を減らすため、アクセサリーや小物も、仕事とプライベートのどちらでも使えるものを選んでいます。
同じ服でも見せ方を変える
ミニマリストは、同じ服を着回していても見せ方を変えるのが上手です。
白のTシャツを例に挙げると、以下のような着回しをしています。
- 黒のパンツと合わせたシックなモノトーンスタイル
- スラックスパンツ・スニーカーを用いたスポーティー風
- カーディガンやフレアスカートと合わせたかわいらしい雰囲気
また、羽織であればボタンの開け閉め、トップスならすそをボトムスに入れるかどうかなど、ほんのすこしコーディネートに違いをつけるだけで印象を変えることが可能です。
新しい洋服を選ぶときは、手持ちのものとどのように組み合わせられるか、パターンがいくつか想像できるものを買うことをおすすめします。
色や系統を統一する
無理なく着回しをしていくには、持っておく洋服の色や系統を統一しておくと、コーディネートに悩まなくて済みます。
持っている服の色や系統がバラバラだと、トップス・ボトムス・羽織など、それぞれに合う合わせるものを買わなければならないため、クローゼットがすっきりしません。
ミニマリストの洋服は、白黒+好きな1一色や、パーソナルカラーに合ったものから3色を選び、お気に入りのカラーで統一していることが多いです。
また、上品なスタイルが好きならブラウスやスカート中心、ラフ感が好きならTシャツやゆったりした服が多めなど、洋服の系統も合わせておくと自然に組み合わせられますよ。
洋服を新しく買うときの基準
ミニマリストを目指すなら、洋服の買い方も工夫するとよいです。
ここでは、ミニマリストが洋服を買うときの基準を紹介するので、お買い物に行く前にチェックしてみてください。
ワードローブがひと枠空いたら買う
新しい洋服を買いたくなったときは、「ひとつ買ったらひとつ捨てる」をルールにするとよいです。
自分にとって必要最低限の数、またはクローゼットのスペースを決めたら、基本的には「もうトップスはお気に入りを十分な枚数持っているな」と思い返すことで衝動買いを防げます。
「この前1着処分したから、今日は新しいアウターを買おう」と、枠が空いたカテゴリのみ見ていけば、時間も短縮できて多くのお店を回れますよ。
洋服を処分したときや、もともとの数が足りなくて必要だと感じたカテゴリのみ、補充をするようにしましょう。
ベーシックアイテムには上質なものを取り入れる
シンプルなアウターや、いろいろな洋服と組み合わせられる無地のカットソーなど、長く使えるベーシックアイテムは上質な素材のものを買うのがおすすめです。
たびたび着回す洋服は洗濯回数も多くなるため、少し値が張っても良い素材を選んだほうが、何回も買い替えるより長期的にみて安く済みます。
また、長年も履くことで魅力が増すデニムなどを1本持っておくのもよいでしょう。
ワンシーズンだけ着る服や、試してみたい流行ものはプチプライスのものにしておけば、合わなかったときでも迷わず断捨離できます。
コーディネートの中心になるシンプルな洋服は、良いブランドのものを少しずつ買い足していくのが長持ちさせるコツです。
洋服は2年用と1年用で分ける
ワードローブを整理するときには、洋服を2年用と1年用に分けて考えるとよいです。
丈夫な素材のアウターや、週1回のおでかけでしか着ないブラウスなどは、素材や頻度を考えると2年は着られます。
反対に、仕事場に着ていく白シャツや、毛玉のできやすいカーディガンなどは、1年着ればへたってきてしまうでしょう。
2年以上使えるものはよく厳選してお金をかけ、1年ずつで買い替えていくものを安く抑えると、洋服選びも楽しみつつ、節約もできます。
1年用と決めたものをきちんと処分していけば、洋服が増えてしまうのも防げますよ。
ミニマリストの洋服選びはシンプルさが大事
ここまで、ミニマリストが取り入れている洋服の選び方や、おすすめのコーディネートをご紹介しました。
シンプルな洋服を中心にコーディネートを考えれば、少ない数でも着回すことができます。
「洋服を上手に減らせるかな…」と不安な人もいるかもしれませんが、クローゼットの中を見直そうと思っているだけでも、理想に近づいていますよ。
着ていないものでいっぱいのクローゼットから解放され、厳選した洋服だけでコーディネートするのはとても楽です。
最初から一気に減らせなくてもよいので、ミニマリストの洋服選びを少しずつ生活に取り入れ、自分のお気に入りだけに囲まれた毎日を楽しんでくださいね。