ウイスキーはアルコール度数の高いお酒ですが、飲み方次第ではアルコール感を抑えて飲めるお酒でもあります。
しかし、ウイスキーはさまざまな飲み方があるので、どうやって飲めばいいのか、どんな飲み方があるのか分からない方は多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、ウイスキーの基礎知識や美味しい飲み方について紹介します。また自宅で用意できる美味しいカクテルの作り方も紹介するので、ウイスキー初心者はもちろん、熟練者の方もぜひご覧ください。
ウイスキーの基本知識
まずは、ウイスキーの基礎知識について紹介します。原料や製造過程、種類についてまとめているので、ぜひご覧ください。
ウイスキーとは
ウイスキーはトウモロコシやライ麦、小麦などの穀類を原料として「糖化」「発酵」「蒸留」の3つの製造工程を経て作られるお酒です。製造されたウイスキーの原液(ニューポット)は木製の樽に入れ、長期間寝かせながら貯蔵します。
この貯蔵に使用された樽の種類や場所、年数などによってウイスキーの味わいが決まるため、ウイスキーの個性を出すには欠かせない工程と言えるでしょう。
ウイスキーの種類
ウイスキーといっても様々な種類があるため、どんなウイスキーがあるのか分からない方は多いのではないでしょうか。代表的なウイスキーの種類を以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
ウイスキーの種類 | 原料 | 特徴 |
---|---|---|
モルトウイスキー | 大麦麦芽 | 原料の風味が強い |
グレーンウイスキー | トウモロコシや小麦などの穀物 | 軽やかでクセの少ない、穏やかな味わい |
ブレンデッドウイスキー | トウモロコシや小麦などの穀物 | 風味のバランスが取れた奥深い味わい |
ライウイスキー | ライ麦 | 辛口で香ばしい味わい |
一般的にグレーンウイスキーはクセが少なく、飲みやすいと言われています。ウイスキーに初挑戦するのであれば、初心者でも飲みやすいグリーンウイスキーから試してみてはいかがでしょうか。
ウイスキーの飲み方8選
ここからは、ウイスキーの飲み方を8つ紹介します。作り方も紹介するので、自分好みの飲み方を見つけてみてください。
1. ストレート
「ストレート」は、ウイスキーに水や氷などを加えずに常温で楽しむ飲み方です。ウイスキーの芳醇な香りをじっくり味わえるため、ウイスキー本来の味を楽しみたい方におすすめの飲み方と言えるでしょう。
ストレートを飲むときはほんの少量を口に含み、舌の上で転がすように味を確かめるのがポイントです。
2. ロック
「ロック」は、ウイスキーに氷を入れて冷やしてから飲む楽しみ方です。氷が溶けるとウイスキーのアルコール度数が和らぐため、度数の高いお酒が苦手な方でも飲みやすくなるでしょう。
ただし、同時にウイスキーの味や香りも抑えてしまう可能性がある点には注意が必要です。
作り方
- ロックグラスに氷を入れる
- ウイスキー(30ml)を注ぐ
- マドラーなどで軽く混ぜる
3. ハーフロック
「ハーフロック」は、ウイスキーと冷やしたミネラルウォーターを1:1の割合で注ぐ飲み方です。ウイスキーの香りやマイルドな口当たりを引き出せる飲み方なので、ウイスキー通に親しまれています。
前述した「ロック」と同様に、アルコール度数の高いお酒が苦手な方でも飲みやすいでしょう。
作り方
- ロックグラスに氷を入れる
- グラスの半分ほどのウイスキーを注ぐ
- マドラーなどでしっかり混ぜる
- ウイスキーと同量の冷水を注ぐ
- マドラーで少し混ぜる
4. ミスト
「ミスト」は、クラッシュドアイスを入れたグラスにウイスキーを注いで飲む楽しみ方です。グラスの外面に白い霧が付くことから、”ミスト”と名付けられました。
レモンピールを入れると爽やかな口当たりを楽しめるため、アルコール感を抑えたい方におすすめの飲み方です。
作り方
- ロックグラスにクラッシュドアイスを入れる
- ウイスキー(30~45ml)を注ぐ
- マドラーでしっかり混ぜる
- レモンピールを搾りかけてグラスの中に入れる
5. ハイボール
「ハイボール」は、ウイスキーに炭酸水を加えるシンプルな飲み方です。ウイスキーの香りと炭酸の爽快感が楽しめる飲み方で、日本では昭和時代から親しまれています。
トニックウォーターやジンジャーエール、オレンジジュースなどでアレンジもできるため、さまざまなフレーバーを楽しみたい方におすすめの飲み方と言えるでしょう。
作り方
- 冷えたグラスに4分の1程度のウイスキーを注ぐ
- 氷とウイスキーをかき混ぜて冷やす
- 炭酸水が泡立たないように静かに注ぐ
- 必要に応じて柑橘類でアレンジ
6. 水割り
「水割り」は、氷を入れたグラスにウイスキーと水を注ぐ飲み方です。ウイスキーと水の比率を自由に調整できるため、自分好みのアルコール度数で楽しめるでしょう。
水はどんなものでも構いませんが、軟水のミネラルウォーターや蒸留水がおすすめです。
作り方
- 冷えたグラスに4分の1程度のウイスキーを注ぐ
- 氷とウイスキーをかき混ぜて冷やす
- ウイスキー1:水2.5の比率で水を注ぐ
7. トワイスアップ
「トワイスアップ」は、ウイスキーと常温の水を1:1で混ぜ合わせる飲み方です。ウイスキーの香りを楽しめるため、味わいだけでなく香りを重視したい方におすすめの飲み方と言えるでしょう。
ウイスキーのブレンディングを手掛けるプロも好んでおり、なかには産地までこだわって楽しむ方もいます。
作り方
- グラスに4分の1程度のウイスキーを注ぐ
- ウイスキーと同量の常温水を注ぐ
8. ホット
「ホット」は、文字どおり温かい状態のウイスキーを楽しむ飲み方です。寒い時期にピッタリな飲み方で、はちみつやレモンなどのトッピングを加え、甘みと酸味をプラスするアレンジもおすすめです。
作り方
- 耐熱グラスにお湯を入れて温める
- グラスに4分の1程度のウイスキーを注ぐ
- ウイスキーの倍量のお湯を注ぐ
- マドラーなどで軽く混ぜる
家で作れるウイスキーのカクテル10選
ここからは、家で作れるウイスキーのカクテルを紹介します。すぐに手に入る材料で作れるので、カクテルを作るときの参考にしてみてください。
1. ウイスキーコーク
ウイスキーコークは、ウイスキーをコカ・コーラで割ったカクテルです。コークはコカ・コーラの愛称であり、他のコーラを使う場合は「ウイスキーコーラ」と呼びます。
ウイスキーの風味とコーラの甘さと炭酸が調和した爽やかな味わいが最大の特徴。ウイスキーコークは氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、軽く混ぜた後にコーラで満たすだけで作れるため、ご家庭で気軽に楽しめるでしょう。
作り方
- 氷を入れたグラスにウイスキー(30ml)を注ぐ
- 軽く混ぜてウイスキーと氷を馴染ませる
- コーラでグラスを満たす
- マドラーなどでよく混ぜる
2. ジンジャーハイ
ジンジャーハイは、ウイスキーをジンジャーエールで割ったカクテルです。ウイスキーの風味とジンジャーエールのスパイシーさと炭酸が合わさって、スッキリとした飲みやすい味わいになるでしょう。
ジンジャーハイに使うウイスキーは人それぞれですが、甘みや香りが強いバーボンウイスキーがおすすめです。辛いお酒が苦手な方でも飲みやすいカクテルになります。
作り方
- 氷を入れたグラスにウイスキー(30ml)を注ぐ
- 1:4くらいの割合でジンジャーエール注ぐ
- マドラーなどで軽く混ぜる
3. マミーテイラー
マミーテイラーは、スコッチウイスキーをお酒のベースとして、レモンジュースとジンジャーエールで割ったカクテルです。
ブロードウェイで活躍していたシンガー「マミー・テイラー」が名前の由来と言われており、1899年にニューヨークで働いていたバーテンダーのビル・スターリットが考案しました。
マミーテイラーはレモンの酸味が全体の味わいを引き締め、口当たりの良い爽快感のあるカクテルです。アルコール度数は約13〜15度前後なので、度数の高いお酒を飲みたい方におすすめのカクテルと言えるでしょう。
作り方
- 氷を入れたグラスにスコッチウイスキー(45ml)を注ぐ
- レモンジュース(15ml)を注ぐ
- ジンジャーエールをグラス一杯になるまで注ぐ
- マドラーなどで軽く混ぜる
4. ゴッドファーザー
ゴッドファーザーは、ウイスキーとアマレットを割ったカクテルです。アマレットはアーモンド風味の甘いリキュールで、ウイスキーの濃厚さと香りを引き出します。
ウイスキーは、クセの少ないブレンデッドウイスキーを選びましょう。シングルモルトやバーボンなどは個性が強すぎて、アマレットとのバランスが崩れる可能性があるため注意しましょう。
作り方
- 氷を入れたグラスにスコッチウイスキー(45ml)を注ぐ
- アマレット(15ml)を注ぐ
- マドラーなどで軽く混ぜる
5. インクストリート
インクストリートはライウィスキーをお酒のベースとして、オレンジジュースとレモンジュースを加えたカクテルです。柑橘系のジュースを加えるため、甘さよりも酸味の効いた味わいを求める方に、おすすめのカクテルと言えるでしょう。
日本ではあまり有名ではありませんが、海外では人気のあるカクテルです。また、ウイスキーとの相性を考慮するなら、アメリカ産のものを選ぶと良いでしょう。
作り方
- シェーカーに氷を入れる
- ライウィスキー(30ml)を注ぐ
- オレンジジュース(20ml)を注ぐ
- レモンジュース(20ml)を注ぐ
- シェーカーでよく振る
6. ミント・ジュレップ
ミント・ジュレップは、バーボン・ウイスキーをベースとするロングカクテルです。ミントの葉と砂糖(またはガムシロップ)を潰して香りを出し、氷や炭酸水で割って作ります。
爽やかなミントの香りとバーボンのまろやかさを同時に楽しめるでしょう。ミント・ジュレップは、アメリカの南部で古くから親しまれており、特にケンタッキー州で高い人気を博しています。
作り方
- グラスにミント(5g)とウイスキー(45ml)を入れる
- ミントをマドラーで潰す
- ガムシロップ(10ml)、氷(100g)、炭酸水(100ml)を加えて混ぜる
7. カウボーイ
カウボーイは、ウイスキーと牛乳を合わせたカクテルです。ウイスキーのクセやアルコール感が牛乳の甘みによって飲みやすくなり、ラムレーズンのような味わいになります。
ウイスキー初心者や甘口な人な人でも、楽しみやすいカクテルと言えるでしょう。ただし、カウボーイに使用するウイスキーは香りが強くないものを選んでください。香りが強いものを選んでしまうと、牛乳の風味とマッチしなくなります。
作り方
- グラスに氷を入れてウイスキー(30ml)を入れる
- 牛乳(90ml)を注ぐ
- 好みの分量で砂糖を加えて混ぜる
8. アイリッシュコーヒー
アイリッシュコーヒーは、アイリッシュウイスキーをベースに「コーヒー」「砂糖」「生クリーム」を加えたホットカクテルです。アイルランド発祥のカクテルで、1940年代に空港のバーで考案されました。
アイリッシュコーヒーの味わいはコーヒーの苦みとウイスキーの香り、生クリームの甘みが絶妙に調和しているのが特徴です。温かいカクテルを飲んでみたい方は、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
作り方
- 耐熱グラスにお湯を入れて温める
- 生クリーム(20ml)を七分立てで泡立てる
- グラスからお湯を捨てて、白ザラメ(5~10g)とアイリッシュウイスキー(30m)lを入れる
- コーヒー(120ml)を注ぎ、軽くかき混ぜる
- 泡立てたクリームをコーヒーの上に乗せる
9. アイリッシュアフタヌーン
アイリッシュアフタヌーンは、ウイスキーと紅茶を使ったアイルランド発祥のホットカクテルです。ウイスキーや紅茶、シナモンの豊かな香りが混ざり合った複雑かつ芳醇な味わいを楽しめます。
ウイスキーと紅茶は相性が良いので、シンプルにウイスキーを紅茶で割って飲む「ウイスティー」という飲み方を試してみるのも良いでしょう。
作り方
- 耐熱グラスにウイスキー(20ml)、アマレット(20ml)、グレナデン・リキュール(10ml)を注ぐ
- ホットの紅茶を注いでかき混ぜる
- シナモンスティックを添える
10. ホット・ウイスキー・トディ
ホット・ウイスキー・トディは、ウイスキーを砂糖や蜂蜜などの甘味を加えてお湯で割るホットカクテルです。名称の「トディ」は蒸留酒に甘味料を加えて水で割るカクテルの総称で、インドやスコットランドなどで古くから飲まれていました。
レモンやシナモンなどをアレンジとして加えることもあり、アメリカではウイスキーのほかにブランデーやテキーラなどを使うこともあります。
作り方
- 耐熱グラスにウイスキー(45ml)と砂糖(1tsp)を入れる
- 少量の熱湯で溶かす
- 熱湯で満たして軽くかき混ぜる
- スライスレモンとクローブを入れて、シナモンスティックを添える
ウイスキー通や本場での飲み方
ウイスキーの本場スコットランドでは、氷を入れずウイスキー本来の味わいを楽しむのが一般的です。中には氷を入れて楽しむ方もいますが、スコットランドの気温は日本よりも低く氷を入れると冷たすぎるため、積極的に入れたがる人は多くありません。
それに対して、日本のウイスキー通は「ロック」で楽しむ方が多いです。氷が溶けてアルコール度数が下がるので、お酒が弱い方でも楽しみやすいでしょう。
【初心者向け】ウイスキーを楽しむための家飲みグッズ
ここからは、ウイスキーを楽しむための家飲みグッズを5つ紹介します。ウイスキー初心者に適したグッズをまとめましたので、ぜひご覧ください。
アデリア ロックグラス
「アデリア ロックグラス」はイタリア製のグラスで、グラス下部にはウイスキーの琥珀色が映える特殊なカッティングが施されています。
お手頃な価格ながら高級感のあるデザインのグラスで、ロックやハーフロックなどの飲み方が好きな方にはおすすめです
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松徳硝子 うすはり タンブラーL
「松徳硝子 うすはり タンブラーL」はハイボールやカクテル、ビール用として作られたタンブラーです。無駄な刻印等が一切ないシンプルなデザインになっており、レストランを始めとした飲食店で採用されています。
375ccまでウイスキーを入れられるので、ガッツリとウイスキーを楽しみたい方に適したグラスと言えるでしょう。
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ドウシシャ 透明まる氷
「ドウシシャ 透明まる氷」は、綺麗な円形の氷を作れるアイテムです。冷凍庫で作る氷よりも不純物が少なく、はっきりとした透明の氷を作れます。
円形の氷は口当たりが滑らかなので、ウイスキーを「ロック」で作るときに適したグッズと言えるでしょう。
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佐野製作所 スイート水割りセット
「佐野製作所 スイート水割りセット」は、ウォーターポットやアイスペール、メジャーカップなどがセットになった商品です。水割りに必要なアイテムは一通り揃っており、スタンドごとウイスキーを運べるため、台所を行き来をする手間がかかりません。
ウイスキーを「水割り」で楽しむのであれば必須のアイテムです。
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ソーダストリーム テラ スターターキット
「ソーダストリーム テラ」は、水から炭酸水を作り出すアイテムです。ハイボールやミント・ジュレップを飲むときに必要になる炭酸水を無料で作成でき、微炭酸や強炭酸などの強さをワンタップで選択できます。
日ごろからウイスキーを飲む方はもちろん、これからウイスキーに挑戦する方にも必須のアイテムと言えるでしょう。
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ウイスキーを飲む際の注意点
最後にウイスキーを飲むときの注意点を紹介します。これからウイスキーを飲むときは、これから紹介する中点を意識してみてください。
アルコール度数が高いので飲みすぎない
ウイスキーはアルコール度数が40度を超えるお酒です。飲み過ぎると肝臓に負担がかかったり、二日酔いの原因になったりするため、ウイスキーの飲み過ぎには注意しましょう。
厚生労働省は、1日に摂取する純アルコール量を20g前後に抑えることを推奨しています。ウイスキーの摂取量に合わせると男性で60ml(約2杯)前後、女性は30ml(約1杯)が適量です。
後は自身の体質を考慮して、無理のない範囲でウイスキーを楽しむようにしてください。
ストレートやロックで飲むならチェイサーを用意する
ウイスキーを「ストレート」や「ロック」で飲むなら、チェイサーを用意しましょう。チェイサーはお酒の合間に飲む飲み物のことを指し、ウイスキーの口直しとして利用されます。
チェイサーは水や炭酸水、ジュースなどのノンアルコール飲料が選ばれるため、ウイスキーの種類や自身の好みに合わせてチェイサーを選んでみてください。
摂取量に気を付けてウイスキーを楽しもう
ウイスキーは楽しみ方が豊富なお酒なので、楽しみ方は無限大です。この機会にストレートやハイボール、ロックといった王道的な飲み方だけでなく、ゴッドファーザーなどのカクテルにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
ただし、アルコールの摂取量には注意が必要です。アルコールを摂取しすぎると身体に悪影響を及ぼすため、厚生労働省の推奨する基準を大きく超えないようにしましょう。