必要最低限のものだけを所有し、なるべくものを買わないで生活するミニマリスト。近年、無駄なく豊かに暮らせる新しいライフスタイルとして注目されています。「引っ越しを機にミニマリストになりたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
引っ越しは、今までの生活環境が一転するため、新しいライフスタイルをはじめるのに絶好の機会です。しかし、いざスタートするとなると「何をしたらいいのか」悩みますよね。やみくもにものを減らして、後悔してしまっては本末転倒です。
この記事では、引っ越しを機にミニマリストになるための方法をご紹介します。具体的にやるべきことや、注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
引っ越しはミニマリストを目指すのに絶好の機会
今までの生活環境が大きく変化する引っ越しは、ミニマリストになるために絶好の機会です。引っ越しの際には、すべての荷物を新居に運ぶことが必要。そのため、荷物が少なければ少ないほど作業がラクになり、引っ越し費用も抑えられるでしょう。
なかには、スーツケースと段ボール数個にまで荷物を減らして、タクシーやレンタカーで引っ越しを完了させるミニマリストも存在します。そこまでを目指すのは大変かもしれませんが、荷物が少ないに越したことはありません。
普段は手をつけにくいタンスや押し入れの奥の不要品も、この機会に処分してスッキリさせましょう。
ミニマリストになるために引っ越しでやるべきこと3つ
ミニマリストとしての生活をスタートさせるのに、引っ越しはまたとないチャンスです。では、具体的に何をすればいいのでしょうか。ここからは、ミニマリストになるために引っ越しでやるべきことを具体的に解説します。
1. 引っ越し前に思い切った断捨離をする
荷物を新居に運ぶには、運搬コストがかかります。荷物が多ければ多いほど、引っ越し費用は高くなってしまうため、引っ越し前に思い切って断捨離をしましょう。
「まだ使うかもしれない」「捨てるのはもったいない」と先延ばしにせず、心を決めてください。でなければ、不要品を運ぶために、高額な引っ越し費用を払うことになりかねません。
また、引っ越し前にものを減らしておくことで、荷造りや荷ほどきがラクになります。引っ越し費用を節約でき、作業の手間も減らせて、まさに一石二鳥です。
2. 引っ越し先の部屋は適度な広さを選ぶ
ミニマリストを目指すなら、引っ越し先の部屋は広すぎない部屋がおすすめです。広い部屋は開放感がありますが、多くのスペースがあることでものが増えやすくなります。
ただし、狭すぎる部屋では窮屈さを感じてしまい、ストレスとなることもあるため注意しましょう。せっかくミニマリストになっても、快適に生活できなければ意味がありません。
部屋は広すぎず、狭すぎず、ストレスなく過ごせる広さを選んでください。1人暮らしなら、4~6畳ほどを目安にするといいでしょう。
3. 引っ越し先で買うものは最低限にする
引っ越し先では、最低限必要なものだけを買うようにしてください。新生活スタートのタイミングでは、ついいろんなものを揃えたくなりますが、要注意。せっかく引っ越し前に断捨離したのに、引っ越し先で増やしてしまっては台無しです。
便利そうなものを見つけると、必需品ではなくてもつい買ってしまいがち。しかし、ものが増えすぎることで、かえって便利な生活からは遠ざかってしまいます。購入前に、慎重に検討するようにしましょう。
ミニマリストになるうえで意識したいポイント
ミニマリストになるためには、いくつかのコツがあります。収納に関する考え方や、ミニマルライフに役立つルール、買い物の際の心がけなど、ミニマリストを目指すうえで意識したいポイントをチェックしておきましょう。
収納を増やさない
ものを増やさないためのコツとして、収納を増やさないことが大切です。整理整頓に役立つ収納は、一見部屋が片付きそうに思います。部屋をスッキリさせるためには「収納が多いほうがいいのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、収納には思わぬ落とし穴があるので要注意。収納があることで、「まだ置ける」と思い、ものが増えやすくなってしまうのです。収納はなるべく少なく、そして、収納に収まりきらない量のものは持たないように心がけましょう。
買い物は本当に必要なものだけ
ミニマリストとして生活するためには、本当に必要なものだけを見極めて、買い物は最低限にとどめましょう。「必要なもの」の判断基準としては、「少しでも迷ったら買わない」という選択がおすすめです。
次から次へと、便利なものが大量生産・大量消費される現代。買い物に行くと、あれもこれも必要に感じてしまうでしょう。しかし、よく考えずに購入してしまっては、たちまち部屋がもので溢れかえり、後悔することになりかねません。
1つものを増やしたら1つ捨てる
所有物を増やさないコツとして、「1つものを増やしたら1つ捨てる」というマイルールを設けることがおすすめです。「絶対に増やさない」と決意するあまり、必要なものですら買わない生活はストレスになります。
ものを購入したりもらったりすること自体を、無理にやめる必要はありません。ただし、1つものを増やしたら、そのかわりに不要なものを1つ捨てるようにしましょう。そうすれば、トータルでの所有量は変わらず、ものが増えていくことを防げます。
大きいものから小さいものへ
ミニマリストとして快適に暮らすためには、使っているもののサイズを小さくすることも有効です。家電や家具のサイズは、大きければ大きいほど場所を取るもの。サイズが小さければ、スペースに余裕ができて部屋がスッキリします。
また、より小さくて軽量なほうが、かさばらずに持ち運びしやすいメリットも。小回りが効くため、用途も広がります。家電や家具などのものを選ぶ際には、できるだけ小さいものを選ぶことがおすすめです。
1つで複数の用途があるものを選ぶ
複数の用途がある、多機能商品を選ぶこともポイントです。
たとえば、オールインワンのスキンケアを使用すれば、化粧水、美容液、クリームなど多くのものを買う必要がありません。節約になるだけではなく、置き場所の省スペース化に繋がるでしょう。
また、リンスインシャンプーを使うことで、リンスやコンディショナーを買わなくても1本で済みます。深型のフライパンは、鍋としても使用できて便利です。
1つで複数の機能を有するものを、上手に活用しましょう。
ミニマリストになる際の注意点
メリットの多いミニマリストですが、いくつか注意点があります。断捨離に励むあまり、捨ててはいけないものを処分したり、健康を損なったりしては元も子もありません。
ミニマリストになる際に、気をつけるべきポイントをチェックしておきましょう。
本当に大切なものは捨てなくてもいい
断捨離の習慣がつくと、捨てることが気持ちよくなり、本来捨てるべきではないものを捨ててしまうケースがあります。無駄のないミニマルライフは魅力的ですが、行き過ぎると快適な生活から遠ざかってしまうため要注意です。
大切なものを捨ててしまってから後悔しないために、事前に「断捨離で捨ててはいけないものリスト」をチェックしておきましょう。
以下、リストにあてはまるものを処分する際は、慎重に検討してください。
- 契約書や証明書などの重要書類
- 写真や手紙など思い出の品
- 再入手が困難なもの
- 礼服や防災用品など緊急時に必要なもの
- 人から借りている・預かっているもの
「どうせならいいものを」は間違い
ミニマリストは必要最低限のものしか所有しないため、「どうせ買うならいいものを」と高価な家電や家具などを購入するケースがあります。しかし、無駄を減らしてスマートに生活したいのに、高額な支出をしてしまっては台無しです。
必要以上に高価なものは余計なコストがかかることになり、ミニマルライフに適しているとはいえません。「本当に必要か」「無駄ではないか」自問自答して、自分にとって必要十分な機能のみを有するものを選びましょう。
食事や睡眠の質は落とさないように
ものを減らすことを意識しすぎて、食事や睡眠の質を落とさないように注意しましょう。
食事や睡眠は、生活の質を左右する重要な要素です。ものを減らしすぎて、寝心地の悪い寝具を使ったり、栄養の偏った食事をしたりすることは避けましょう。
より快適に暮らすためのミニマルライフなのに、ストレスフルな生活に耐えたり、健康を損なったりしては本末転倒。不要な支出は抑えつつも、栄養バランスの取れた食事と、質の良い睡眠を得られる環境を整えましょう。
一緒に住む人を巻き込みすぎない
合理的で豊かな生活をするミニマリストは、魅力的なライフスタイルです。しかし、その価値観を人に押しつけることはやめましょう。特に、一緒に住む家族や恋人にミニマリストとなることを強要しないように気をつけてください。
自分以外の人の所有物を勝手に処分したり、ものを買わないように強制したりしてしまっては、トラブルになるだけではなく、信頼関係を壊しかねません。減らすのは自分のものだけにとどめ、共有物については相手の意向も大切にしましょう。
引っ越しを機に快適なミニマルライフを
ミニマリストはお金や時間を節約でき、より豊かに暮らせる魅力的なライフスタイルです。ミニマルライフを実践したいと考えている方は、多いのではないでしょうか。
しかし、今までのライフスタイルを大きく変えるには勇気が必要。「捨てるのはもったいない」「また今度やろう」と、先延ばしにしがちです。
ミニマルライフをはじめたい方にとって、引っ越しは絶好の機会。いきなり全部を捨て、最小限の暮らしを実現するのは難しいかもしれませんが、できることから少しずつ実践してみてくださいね。